【UFC】ミオシッチが最強挑戦者ガヌーに完封勝利、V3の新記録達成
「UFC 220 Miocic vs Ngannou」
2018年1月20日(土・現地時間)アメリカ・マサチューセッツ州ボストンTDガーデン
▼UFCヘビー級タイトルマッチ 5分5R
〇スティーペ・ミオシッチ(アメリカ/王者)
判定3-0 ※三者とも50-44
●フランシス・ガヌー(カメルーン/挑戦者)
※ミオシッチが3度目の防衛に成功。
重さ5kgのハンマーを脳天に振り落とすのと同じ打撃力を持つと言われるガヌーは昨年12月に行われた「UFC218」でアリスター・オーフレイムを1RでKOして今回のタイトル挑戦権を獲得。
4年前までMMAという競技の存在すら知らず、ボクサーを志して母国カメルーンからヒッチハイクでたどり着いたパリの路上で暮らしていたガヌー。2015年12月にオクタゴンデビューを果たして以来、無傷の6連勝を果たすと同時に、全ての試合を完全決着で飾ってきた。
一方、怪物を迎え撃つミオシッチは4試合連続で1RKO勝ちを収め、現在5連勝中。25年に及ぶUFCヘビー級の歴史において、これまでに3回連続でタイトルを防衛した選手はおらず、ミオシッチが3度王座を守り抜けば前人未踏の記録の達成となる。
1R、ミオシッチが果敢にタックルでテイクダウンを狙っていくが、ガヌーをテイクダウンすることは出来ない。立ち上がると強打を振り回して前へ出るガヌーにミオシッチは追い回される。
ガヌーのパンチをかわしながら右のパンチを入れ、直後に抜群のタイミングでタックルを決めてテイクダウンを奪ったミオシッチ。パウンドを入れ、フロントチョークを狙ったミオシッチだが立たれる。
立ち上がるとガヌーの強打に追われるミオシッチだが、同じように右のパンチで連続ヒットを奪うとタックルを決め、テイクダウンに成功したところでラウンド終了となった。
2R、前へ出られなくなったガヌーに、ミオシッチは右ローを蹴って行く。ミオシッチの右ストレートをモロに被弾するガヌー。ミオシッチのスピードについていけず、前に出るとミオシッチのタックルでテイクダウンされる。完全にミオシッチが試合を支配。パウンドからバックを奪ったミオシッチが、スリーパーの体勢に入ったところでラウンド終了。
3Rも展開は変わらず、ミオシッチがガヌーのパンチをかわし、右ストレートを直撃させてタックルでテイクダウンを奪う。ガヌーは立ち上がることが出来ず一方的にミオシッチに殴られ続け、このラウンドを終えた。
4R、ガヌーはワンツーを放つが、ミオシッチはそれをかわしてあっさりとタックルでテイクダウン。上から抑え込まれ、バックを奪われるガヌーは何も出来ずミオシッチのパンチやヒザをもらい続ける。ラウンドが終了すると、ガヌーはすぐに立ち上がれないほどのダメージと疲労。
5Rもミオシッチは組み付いてテイクダウン狙い。ガヌーはそれを防ぐのが精いっぱい。残り2分でブレイクがかかると、勝利を確信しているミオシッチはほとんど攻めない。本来逆転KOを狙いたいガヌーも疲労で手が出ず、最後はミオシッチが組み付いてガヌーをケージ(リングを囲む金網)へ押し込んだまま試合終了。
判定3-0でミオシッチが最強挑戦者から勝利を収めた。ミオシッチは勝利者インタビューで「1Rで(ガヌーに)捕まった。自分自身のミスだったけど、コントロール出来たと思う。あいつは危ない。あのデカさを見てみろ。タフだしな。何度か強烈なパンチを食らった。当然、いい気分なんてしないけど、でも全然大丈夫。計画を練り直してもっとうまくやれるようにするよ」と試合を振り返り、「父親になるんだ。俺にとってはそれがすべて。子供が生まれる」と父親になることを報告した。
▼UFCライトヘビー級タイトルマッチ 5分5R
〇ダニエル・コーミエ(アメリカ/王者)
TKO 2R 2分00秒 ※パウンド→レフェリーストップ
●ヴォルカン・オズデミール(スイス/挑戦者)
※コーミエが3度目の防衛に成功。
コーミエは2015年5月のUFCライトヘビー級王座決定戦でアンソニー・ジョンソンを破って初戴冠。その後、アレクサンダー・グスタフソンと再びジョンソンを退けて2度の防衛を果たしている。
今年7月には3度目の防衛戦に臨むも、ジョン・ジョーンズにKO負け。だが、試合後にジョーンズの薬物違反が発覚したため、この試合はノーコンテストとなり王座に復権することとなった。現在までのMMA通算戦績は19勝1敗1ノーコンテスト。
挑戦者のオーズデミアはスイス人初のUFCファイターとして今年2月からUFCに参戦すると、オヴィンス・サンプルーを判定で退け、ミシャ・サークノフとジミ・マヌワを秒殺KO。いきなりランカー相手に3連勝を収め、1年でランキング2位にまで上り詰めた。プロキックボクシングの試合出場経験もあり、MMA通算戦績15勝1敗のうち、KO・TKO勝ちが11回という強打ぶりだ。
走って入場して来た王者コーミエは大歓声に迎えられた。リングアナウンサーのコール時にもオズデミールにはブーイング、コーミエには大歓声があがる。
1R、左右フックで何度も前に出るオズデミール、コーミエは頭を下げてそれをかわす。中盤を過ぎるとコーミエがフックと組み付きをまぜて前に出る。コーミエのフックが当たっても空振りしても場内からは歓声が起こる。
残り1分近くになると、両者フックを振り回しての打ち合いを見せ、残り30秒でコーミエが片足タックル。テイクダウンに成功し、バックからチョークスリーパーを極めかかったところでラウンド終了となった。
2Rが始まってすぐ、コーミエがタックルでテイクダウンしてマウントを奪う。サイドポジションに移行すると相手の右手を左手、相手の左手を両足で抑え、顔面へ右のパンチを連打する。オズデミールは何も抵抗することが出来ず一方的に殴られ続け、レフェリーがストップに入った。
圧勝で3度目の防衛を果たしたコーミエは「いろいろ大変だった。最大のライバルのおかげで本当に苦労したけど、またここに戻ってこられて、こうして勝利できて嬉しい。ジョン・ジョーンズに2度負けた。今回の試合に関しては空位となったタイトルをもう一度獲りにいく気持ちで挑んだんだ。しっかり仕事を果たせたから、またUFCチャンピオンだ。7月に起きたことは無視できない。俺はコンペティターだから。今回はチャンピオンとして臨んだけど、挑戦者の気持ちで勝利が必要だった」と、挑戦者のつもりで臨んだと語る。
「自分がチャンピオンと呼ばれるにふさわしいことを証明したけど、ヴォルカンも凄い。ここまで来るヤツは誰だってそのレベルなんだ。ヴォルカン・オーズデミアもそう、戦ってきたすべての対戦相手もそう。それを手土産にスイスに戻れると思ってくれたら嬉しい。若人よ、最高の試合だったぜ。かなり手ごわかったし、危ないヤツだというのは分かっていた。ハードに打ち込まれたけど、グラウンドに持ち込めてからは俺の世界さ。自分のゲームプランができたし、そうなると、勝てる流れに乗れることが多い。1Rの最後にチョークを仕掛けた。腕が相手のアゴの下に入っていたから、あと10秒あれば極めきれたと思う」と、挑戦者を称えた。
Photo by Brandon Magnus/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images
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