【UFC】阿部、石原、廣田の日本勢は勝利ならず
▼ライト級 5分3R
○ロス・ピアソン(33=イギリス)
判定3-0 ※30-27、30-27、29-28
●廣田瑞人(36=CAVE/元SRC&DEEPライト級王者)
廣田は昨年6月のアレクサンダー・ボルカノフスキー戦で判定負け。当初はその3カ月後のUFC日本大会で再起戦に臨む予定であったが、計量を失敗した末に体調不良を起こし、ドクターストップが掛かったため欠場を余儀なくされた。今回はフェザー級からライト級に階級を上げ、再出発を目指すこととなった。
対戦相手のピアソンは2009年6月からUFCに参戦し、同団体で12勝11敗の戦績を収めるベテラン。ここ4試合は黒星が続いており、背水の陣で廣田との一戦に臨んだ。
1R開始と同時に両者は間合いを詰め、鋭いパンチで互いの顔面を狙う。左ジャブの突き合いから共に右ストレート&フックを振るうが、リーチで勝るピアソンのヒットがやや目立つ。
2Rに入ると、廣田は左ジャブに左右ローを織り交ぜる攻め。しかし、ピアソンは左ジャブを返しながら時おり左右ストレート連打で一気に迫り、回り込んでの左右フックもヒットさせ、廣田の鼻から出血させる。
劣勢が続く廣田は終盤に左右フックを振るって一気に前進。ピアソンは左フックをかわしたところに廣田の強烈な右ストレートを浴びて一瞬腰が落ちる。廣田は追撃に入りたいところだが、ここでラウンド終了となった。
3Rもパンチで仕掛ける両者。ワンツー、ボディ、アッパーを散らすピアソンに対し、廣田は左ジャブや右フックを返すがやや単発な印象。ピアソンはローやミドルも蹴りながら、カウンターの左フックもヒットさせた。
両者譲らぬ打撃戦の行方は判定に持ち込まれ、ピアソンに軍配が上がった。2R終盤の好機を生かしきれなかった廣田は、階級を転向して迎えた再起戦を落とし、2連敗となった。
▼メインイベント ミドル級暫定王座決定戦 5分5R
○ヨエル・ロメロ(40=キューバ/同級1位)
KO 3R 1分48秒
●ルーク・ロックホールド(33=アメリカ/同級2位、元Strikeforce&UFCミドル級王者)
※ロメロは前日計量をクリアーできなかったため、ロックホールドが勝利した場合のみ暫定王座が認められる。
今大会では当初、UFCミドル級王者ロバート・ウィテカーがロックホールドの挑戦を受けて、初防衛戦に臨む予定であった。しかし、ウィテカーは負傷により欠場。代わりにロックホールドとロメロの暫定王座決定戦が組まれることとなった。
ロックホールドは2015年12月にクリス・ワイドマンからTKO勝ちを収め、UFCミドル級王座を奪取。しかし、2016年6月の初防衛戦でマイケル・ビスピンに初回KO負けを喫し、王座から陥落した。その後は負傷により1年以上、試合から遠ざかっていたが、昨年9月の復帰戦ではデヴィッド・ブランチをTKOに沈めている。
対するロメロはシドニー五輪のレスリング男子フリースタイル85kg級で銀メダルを獲得した実績の持ち主。昨年7月にウィテカーに敗れるまではUFCで8連勝を収め、ミドル級で1位にランキング入りしている。
今後のミドル級タイトル戦線を占う重要な一戦となるが、ロメロがまさかの前日計量オーバー。再計量もクリアーできず、この試合はロックホールドが勝利した場合のみ、暫定王座が認められるという条件で行われることとなった。
1R、サウスポーに構えたロックホールドは右ジャブから左ロー、右前蹴り、ワンツーを積極的に繰り出す。ロメロはほとんど手を出さずにロックホールドの様子をじっくりとうかがい、左ローもカットせずに受け続けた。
2R、開始早々にロメロが一気に距離を詰めてパンチのラッシュで仕掛ける。ケージを背負いながら首相撲に持ち込もうとするロックホールドに対し、ロメロは左右ボディを連打。ロックホールドは離れ際にロメロの左右フックも顔面に浴びる。
いったん距離を取る両者だが、ロメロが再び鋭い出足からパンチをラッシュ。ロックホールドはガードを固めてここを凌ぐと、以降は鋭い右ジャブ連打を何度も突きながら、左アッパー、左ストレート、左右ローへとつなげ、打撃戦を優位に展開した。
3Rも右ジャブから攻撃を組み立てるロックホールドに対し、ロメロは右ジャブ連打で一気に前進。ケージ際に追い込まれたロックホールドが右フックを返してきたところで、ロメロの渾身の左フックが炸裂した。その場で崩れ落ちたロックホールドに対し、ロメロが追撃の左フックを一発入れたところでレフェリーが試合を止めた。
ケージに駆け上って喜びを爆発させたロメロは、すぐにロックホールドの元に駆け寄って言葉をかける。しかし、ロックホールドは目を合わさず、ロメロに答えることはなかった。
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