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【ボクシング】日中対抗戦で大敗でも日本がポジティブな理由

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2018/04/06(金)UP

日本勢唯一の勝者は若林駿(K&W=写真右)。生きのいいリン・チュンレイ(中国)を執拗なボディ攻めで追い詰めた。

 4月6日(金)、中国の上海市普陀体育館で、シリーズ3回目にして中国国内初となる『ボクシング日中対抗戦』が行われ、日本は1勝6敗と大きく負け越す結果となった。しかし、日本のボクシング関係者は、中国ボクサーたちの成長にポジティブな印象を持っているようだ。

 中国では2012年から本格的なプロボクシング文化が芽生え、それまで二桁しかなかったプロボクサー数がすでに600を超えている。この中で昨年、国内の中国系企業が「国交正常化45周年を記念して日中対抗戦をスポンサードできないか」と、プロボクシングイベント会社『DANGAN』に相談したのが、当シリーズ開幕のきっかけだった。現在、このイベントでは中国側がトップクラスを集結させる一方で、日本側は若手や中堅クラスを軸にしている。

前回大会の引き分けからのリマッチ、ウランがかねこに右ストレートでKO勝利。


 最も盛りあがる興行は、どちらが勝ち越すか最後まで読めないデッドヒートであり、最もクールダウンしてしまうのは片方が勝ちすぎてしまう一方的展開だ。言わずもがな今回は後者であり、前半戦では観客が熱心に声援を送っていたが、4連勝で中国の勝ち越しが決まった以降は、観客はだいぶ満足してしまった様子だった。
 
 対称的に第1回大会(昨年5月30日・後楽園ホール)では日本が勝ちすぎる51敗だった。第2回大会(昨年1020日・同)では、中国でプロボクシングが事実上の規制状態であった時代から、根気よく試合を開催してきたリウ・ガン氏の名門チームを招き、331分の五分に終わった。
 
 今回の結果にDANGANの古澤将太プロデューサーは「第2回大会で、引き分けだったウラン・トロハツ(中国)に、かねこたけし(REBOOT)が今度はノックアウトされたことを始め、アウェイリングで戦うことに日本が不慣れなことを確認できたのもひとつ未来につながると思う」と前向きに話し、「今までアジアのボクシング界では、日本が圧倒的に優位な経済力でマッチメイクの主導権を握ってきたが、いつまでもそんな時代にはならない。もちろん、中国ボクシング界が好景気やボクシングブームを維持できるとも限らない。探り探りで日中関係を見出していくことが大切だと思うが、とにかくアジアの地域タイトルを奪い合うライバル国が欲しい」と、中国に限らず、台頭勢力が登場することを期待した。(善理俊哉)

【日中対抗戦結果】
ミニマム級4回戦
○リ・シアン(中国)
判定3-0
39-37,39-37,39-37
×岡田 真虎(JBS)

Sフライ級6回戦
○ウラン・トロハツ(中国)
2R 1分 43秒 KO
×かねこたけし(REBOOT)

WBA東アジア・ウェルター級
タイトルマッチ10回戦
○ヤン・シンシン(中国)
判定3-0
99-91,98-92,98-9
×川崎 真琴(RK蒲田)

Sバンタム級4回戦
○ワン・ヤンヤン(中国)
判定2-0
39-37,39-37,38-38
×尾崎 誠哉(K&W)

WBAアジア・フェザー級
タイトルマッチ10回戦
○シエン・ウェイ チェン(中国)
判定3-0
96-94,97-93,96-94
×山口 卓也(JBS)

フェザー級8回戦
×リン チュンレイ(中国)
判定0-3
75-77,75-77,74-78
○若林 駿(K&W)

ライト級6回戦
○Wuhazi Ta La Pu Tan(中国)
6R 1分 58秒 TKO
×五十嵐 康次(UNITED)

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