【GLORY】女王メクセンが100戦目でまさかの陥落、物議の判定にCEOは再戦の考え
Glory Sports International
「GLORY 56」
2018年8月10日(金・現地時間)アメリカ・コロラド州デンバー ファースト・バンク・センター
Photo by James Law, GLORY Sports International
▼セミファイナル GLORY世界女子スーパーバンタム級タイトルマッチ 3分5R
○ジャジー・メネゼス(26=ブラジル/GLORY世界女子スーパーバンタム級4位/挑戦者)
判定2-1 ※48-47、45-50、48-47
●アニッサ・メクセン(30=フランス/GLORY世界女子スーパーバンタム級王者)
※メクセンが2度目の防衛に失敗、メネゼスが新王座に就く。
メクセンはWPMF(世界プロムエタイ連盟)やWBCムエタイ(世界ボクシング評議会のムエタイ部門)などの世界王座に就いた実績を持ち、戦績は96勝(30KO)3敗を誇る。昨年7月から参戦中の『GLORY』でも現在までに5戦全勝。同年12月の3戦目でGLORY世界女子スーパーバンタム級王座を獲得しており、今回がキャリア100戦目にして2度目の防衛戦となる。
対するメネゼスは母国ブラジルでトーナメントを勝ち抜き、GLORYと契約を結んだ新鋭だ。戦績は12勝(5KO)2敗。総合格闘家としても活動しており、昨年7月のGLORYデビュー戦ではメクセンに判定負けしたが、百戦錬磨の相手に臆することなく、持ち前の打たれ強さとアグレッシブさを見せつけた。今回はリベンジマッチでの初戴冠を目指す。
1R、序盤からメネゼスはメクセンの前蹴りに構わず直進してパンチを連打。これをメクセンもパンチで迎え撃つと、互いに強打の相打ちでアゴが跳ね上がる。以降はパンチの手数とパワーで迫るメネゼスに対し、メクセンが軽快なフットワークと堅いガードで捌きながらの前蹴り、クリンチからのヒザ蹴りで応戦した。
2R、開始早々にメクセンが回り込みながらの左ハイを叩き込む。しかし、タフなメネゼスはこれをモノともせずにワンツーや左右ボディで荒々しく向かい続ける。メクセンはクリンチに逃れる場面も増えるが、メネゼスの踏み込みに正確な左ジャブや右ストレートを合わせ、終盤には豪快な顔面前蹴りも見舞う。
3R、なおもパンチでガンガン前に出る突貫ファイトを展開してくるメネゼスに対し、メクセンはワンツーから左右のミドルやローに素早くつなげるコンビネーションを決めていく。メネゼスはメクセンのワンツーと前蹴りをまともに食らって何度も体が仰け反るが、それでも止まることなくパンチを振るい続ける。
4R、メクセンがパンチ連打で打ち合いを誘い、これに乗ったメネゼスが前に出ようとしたところで再び豪快な顔面前蹴り。メネゼスはすぐにワンツーから左ボディを返すが、鼻からは大量の出血が見られる。
5R、脅威のタフさを見せるメネゼスは左右フックとそこから右ローにつなげるコンビネーション、さらにはバックスピンキックも繰り出す。しかし、メクセンはクリンチに持ち込みながらのディフェンスで潰し、ワンツーからの左ハイやスーパーウーマンパンチも返して試合終了を迎えた。
勝敗の行方は判定に委ねられ、ジャッジ1名が50-45という大差でメクセン、残りの2名が48-47という僅差でメネゼスを支持。2-1のスプリットで王座はメクセンからメネゼスに移動することとなった。終始、有効打を重ねていたメクセンはこの結果に唖然とした表情を浮かべ、足早にリングを後にする。そして会場がブーイングの嵐で騒然とする中、メネゼスの腰にベルトが巻かれた。
試合後のインタビューで、メネゼスは「自分の集中力と精神的な強さがより増したと思う。(判定については)勝者は私。アニッサ(・メクセン)はクリンチが多かった。そして、私は彼女を恐れていなかった。今後の相手は誰でも構わない。誰からの挑戦でも受けたいと思う」とコメントし、自身の勝利をアピール。一方のメクセンは、自身のSNSで「悪ふざけはよして欲しい! でも、もし(王座が)盗まれてしまったのなら、これを運命と捉えて前を向く」と怒りを表した。
物議を醸した今回の判定について、GLORYのマーシャル・ゼラズニックCEOは「私は判定が正しくなかったと思う。判定の根拠として積極性が挙げられ、スタット(統計)の数字を見てもパンチのヒット数に我々が思っていたほどの差はなかったようだが、それでもアニッサが一貫して支配していたことは否定できない」と指摘。
さらに「ジャッジの手に判断が委ねられている以上、こういったことは起きうるが、とても落胆している」、「アニッサ陣営とは再戦について話すことになる。アニッサには再戦の資格があると思うし、我々はその実現に向けて取り組むべきだ」と話し、メクセンとメネゼスの再戦を行う考えを示した。
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