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【ベラトール】シウバ奮闘も宿敵ジャクソンにTKO負け、激しい打ち合いに観客は熱狂

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2018/09/30(日)UP

ムサシ(上)がマウントからエルボーとパンチの雨を降らせ、マクドナルド(下)は顔面大流血

▼Bellator MMA世界ミドル級タイトルマッチ 5分5R 
○ゲガール・ムサシ(33=オランダ/Bellator MMA世界ミドル級王者)
TKO 2R 3分23秒
●ローリー・マクドナルド(29=カナダ/Bellator MMA世界ウェルター級王者、挑戦者)
※ムサシが初防衛に成功。

 今大会のメインイベントでは『Bellator MMA』が誇る現役世界王者同士のタイトルマッチが実現。ミドル級王者ムサシが一階級下のウェルター級王者マクドナルドを挑戦者に迎え、初防衛戦に臨んだ。

 ムサシは日本の『DREAM』でミドル級とライトヘビー級の二階級を制覇した実績を誇り、2013年4月から参戦した『UFC』でもミドル級ランカーに名を連ねた。さらに昨年10月からはUFCに次ぐ規模のBellator MMAに活躍の舞台を移し、今年5月の移籍2戦目でミドル級王座を獲得。UFC時代から続く連勝を「7」とし、今回は初防衛と連勝記録の更新を狙う。戦績は44勝6敗。

 対するマクドナルドも2010年1月から参戦したUFCでウェルター級1位にまで上り詰め、2015年7月にはウェルター級タイトルマッチも経験した超強豪だ(当時の王者ロビー・ローラーにTKO負け)。ムサシより一足早くBellator MMAに移籍。昨年5月の新天地デビュー戦で圧巻の一本勝ちを飾り、今年5月の移籍2戦目で死闘の末にウェルター級王者となった。今回は一階級上のミドル級王座に挑戦し、団体史上初の二階級制覇を目指す。戦績は20勝4敗。

 1R、ムサシが左ジャブから即座に左インローを蹴る攻めで幸先よくスタート。マクドナルドも左のスーパーマンパンチから右ローを当てるが、ムサシの鋭い左ジャブをかわしきれずに何度も被弾してしまう。さらにマクドナルドが大きく左方向に回り込もうとすると、ムサシは右ストレートをクリーンヒットさせ、左ハイや左インローも散らす。

 2R、巻き返したいマクドナルドはタックルのフェイントから右フック。ムサシは側頭部に被弾するが、すぐに涼しい顔で左ジャブを返す。今度はムサシの足元に向かって倒れ込みながらのスライディングで足関節技を狙うマクドナルド。ムサシはこれをかわすと、上からのしかかり強烈なエルボーとパンチを落とす。

 鼻と口から大量に出血したマクドナルドは、なんとかムサシの胴体を両足で挟み込みながら足首を組むクローズドガードの体勢をキープしようとする。しかし、ムサシはマクドナルの足のロックを外して素早くマウントを奪取すると、さらにエルボーを連打。マクドナルドが頭を抱え込んで動けなくなり、ここでレフェリーが試合を止めた。

 ムサシがマクドナルドをまったく寄せつけずにTKO勝ちで初防衛に成功。マクドナルドは一階級上の王者に完敗を喫し、団体史上初の同時二階級制覇を達成することはできなかった。

 なお、マクドナルドは今大会から開幕するウェルター級トーナメントに現王者として出場することが決まっており、そこで復活を目指すことになるだろう(対戦相手は元WSOF世界ウェルター級王者ジョン・フィッチ)。


リマ(右)は得意の蹴りから試合をしっかりと作った

▼ウェルター級トーナメント 1回戦・第1試合 5分5R 
○ドゥグラス・リマ(30=ブラジル/元Bellator MMAウェルター級王者)
一本 5R 3分04秒 ※リアネイキドチョーク
●アンドレイ・コレシュコフ(28=ロシア/元Bellator MMAウェルター級王者)
※リマが準決勝に進出。

 今大会では熾烈なウェルター級トーナメントの戦いの幕も切って落とされた。『Bellator MMA』は今年1月からエメリヤ—エンコ・ヒョードルら大物を招いてヘビー級トーナメントを開催中だが、ウェルター級にはその顔ぶれをしのぐ実力者10名が集結(2名はリザーブマッチに出場)。

 今回の開幕戦(1回戦・第1試合)で激突するリマとコレシュコフも、元Bellator MMA世界ウェルター級王者の実績を誇る。両者は2015年7月と2016年11月の2度、タイトルマッチで対戦しており、結果は1勝1敗の五分。戦績はリマが29勝7敗、コレシュコフが21勝2敗となっている。

 1R、リマが右ミドルと右ローを立て続けに蹴ると、コレシュコフもすかさずバックスピンキックで応戦。両者が早速持ち味を見せる。蹴り合いが続く中、最初にタックルで仕掛けたのはコレシュコフ。そこから組みの攻防になるとリマも投げを狙い、両者の踏ん張り合う展開が続いた。

 2R、コレシュコフは鋭い踏み込みからタックルを仕掛けるが、リマも素早く反応してテイクダウンさせない。コレシュコフが左ハイを放つと、リマはすかさず軸足(左足)のスネを右ローで蹴る。リマの右ローが効いてきたか、コレシュコフは左構えから右構えにスイッチ。リマは終盤にもコレシュコフのタックルをカットする。

 3R、なおもリマは左右ローでコレシュコフの太腿とスネを狙い撃ち。コレシュコフは組みからの離れ際に左フックを振るうが、リマは素早くこれをかわして一気に離れる。足にダメージが蓄積してきたコレシュコフはタックルのキレを失う。

 4R、リマはコレシュコフのタックルをカットすると、そこから組みの攻防に持ち込んでヒザ蹴りと足への踏みつけ。劣勢が続くコレシュコフは距離を取ってパンチを振るっていくが、逆にリマのカウンターの右ストレートを被弾してよろめいてしまう場面も。

 5R、パンチで勝負に出たリマが左フックから右アッパーを突き上げ、一瞬、首相撲にいく動きを見せてから右フック。コレシュコフは逆転狙いのタックルもカットされ、リマに背中を許して亀の状態に。リマはコレシュコフの腋の下からパンチ連打を打ち込むと、首が上がったところですかさずチョークを極めてタップさせた。

 リマが得意の蹴りで相手を削り、最後は寝技でフィニッシュという盤石の試合運びで完勝。コレシュコフとの決着戦を制したリマは、トーナメント初戦突破を決めた。

▶︎次ページ:アメリカMMAの超逸材が試練の一戦に挑む

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