【ムエタイ】石井一成の甥・寿来がルンピニー初陣で圧勝
「スック・ギャットペット」
2019 年3月17日(日・現地時間)タイ・ルンピニースタジアム
▼39.5㎏契約 2分5R
○ジュライ・エクシンディコンジム(石井寿来/エクシンディコンJAPAN)
判定3-0
●メーカラー・シットウィラチャート (タイ)
石井寿来は、石井一成の甥にあたる(一成の姉の息子)。日々打倒ムエタイに打ち込む石井一成に影響され、寿来も5歳からキックボクシングに入門。以降、日本国内で63戦(48勝14敗1分)の戦績を残し、様々な国内タイトルを奪取。タイでも4戦4勝という実績だ。現在中学一年生ということだが、これまでのタイ戦績4戦全勝したことやその戦いぶりなどから、今回のルンピニースタジアム初参戦の運びとなった。対戦相手のメーカラーは、ブリラム県出身の13歳。これまでに約50戦の戦績がある。
1R、スロースターターのメーカラーに対し、石井はパンチから左ローで前に出た。そしてメーカラーとの距離が詰まった一瞬に足払いを決め、距離感を掴んだこともアピール。メーカラーは時折ミドルキックを返してくるが、石井は構わずローとパンチで有効打を積み重ねた。
2R開始直後、メーカラーが前に出てきた。初回は石井の様子を探っていたのか。メーカラーとしては左ミドルを軸に石井の前進を止めたいところだが、ここでさらに石井の左ローキックが加速。ローが多数決まり、メーカラーがバランスを崩したところを、石井は左ストレートからの強烈な右ボディーフックを浴びせる。このボディー打ちは手応え充分で、それ以降コンビネーションの最後はボディーフックで締めた。
3R、メーカラーはさらに距離を詰めてきた。首相撲で石井の前進を止めたかったのだろうが、組んでからも石井が体捌きでメーカラーが倒されるなど、石井の優勢は変わらなかった。試合は再び石井のパンチの距離に戻り、石井陣営からは「もっと徹底してボディーを攻めろ!」という指示が飛ぶ。
4R、石井のローキックとパンチを軸にした攻撃が続く。メーカラーは初回から石井のローキックを多数食らい続け、ここでバランスを崩し、足が鈍っている仕草を見せる。ローが効いていることは確かだった。石井はさらにパンチ、ロー、そしてミドルとあらゆる打撃でメーカラーを圧倒。
5R 、メーカラーは時折ミドルキックを放つも逆転するほどの攻めには至らず。これまでのジャッジ印象も、技のヒット数、バリエーション共に石井が圧倒していたのは一目瞭然だ。
結果は石井が判定勝利。ムエタイでは、試合終盤のためのペース配分を考え、初回からは打ち合わない選手も多いが石井は初回から見せたローキックとパンチラッシュを最終ラウンドまでペースを落とすことなく打ち続けるところなど、スタミナ面での強さも見せ、終始堂々とした試合運びが印象的だった。
メーカラーも地元ブリラム県で50戦を戦い抜いた強者であるが、石井の回転の速い打撃をディフェンスしきれず、食らいながらも時折ミドルキックを返すのみであった。打撃時のコンビネーションの速さは、石井一成の甥っ子ならではと、納得させられるものであった。
Photo&Text 早田寛 Hiroshi Soda(シンラパムエタイ)
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