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約40kgの体重差も平気!? “痛く無い”グローブでの空手プレ大会は極真の51歳・山本雅樹がRISEの良星に勝利し優勝

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2021/06/29(火)UP

”痛く無い”ドラグローブの護身空手プレ全日本で優勝した山本雅樹(写真はダウンを奪った準決勝戦)

全日本護身空手道連盟(極真会館 浜井派・力謝会)
『第1回プレ全日本極真護身空手道選手権大会テストトーナメント』
極真バトルフィットネス大森ジム

大会前には参加者を含めたルールミーティングを行った

 6月27日(日)、新開発された“痛くないグローブ”ドラグローブを用いて顔面、そして頑丈な特殊ファールカップを装着して金的攻撃を認める護身空手のプレ全日本テストトーナメントが開催された。

【動画】この”痛くないグローブ”で約40kg差! 山本vs良星の決勝戦の模様

 ポイント&KOルールだが、この”ドラグローブ“は通常のグローブより大きめで、直径20~22cmあり当たってもほとんど痛みはない。反則技は肘打ち・頭突き・寝技・関節技・絞技・タックル。空手は複数人や武器を持っている相手からの危機的状況に対応対処できる武術との考え方と安全性からこのルールとなった。ルールのポイントは顔面へのクリーンヒットは1ポイント。技ありは合計2ポイントで、ダメージで膝をついた場合や、ダメージで倒れて3秒以内に立ち上がった場合、または金的への打撃または蹴りも2ポイントとなる。一本は合計4ポイント。ダメージで3秒以上倒れていた場合も含む。一本となればその時点で試合が終了する。 

51歳 山本が良星にパンチを打ち込む

 試合は無差別にて行われ、フルコン系空手選手や現役プロキックボクサーなど18歳から51歳まで17名が参加。極真、白蓮会館、RISE、グラチャン、拳真館などから猛者が集結。1回戦からルールの特徴である顔面攻撃と金的攻撃によるポイントの応酬、そして一本が続く。痛くないグローブだけにパンチによるKOは無く、ハイキックを狙う選手もいたが、金的攻撃があるため、簡単には出せず、KOは出なかったが、それよりも蹴りに対しカウンターでの顔面や金的蹴りがクリーンヒットしていくため、ポイントを重ねた技ありや、一本での試合終了が多かった。

 しかし準決勝ではダウンも見られた。それは拳真祭重量級を3度制した小西克典と、極真世界大会(新極真会)にも出場経験のある大会最年長51歳の山本雅樹との対戦でのこと。体格的に小西有利と思われたが、山本は脱力したトリッキーな動きで小西を撹乱。ダメージを与え辛いドラグローブで、パンチを顔面にヒットさせると小西が膝をつきダウン。技ありを奪い完勝した。

良星がポイントを取り返すべくアグレッシブに攻めるが山本はうまくかわした

 そして、決勝には山本と、キックボクシングのRISEバンタム級2位・良星(らすた)が対戦した。良星はここまでスピードで相手を翻弄してきたが、体重は山本94kg、良星55kgと約40kgの体重差があるためグローブの大きさで安全面を考慮し体重の重い山本は直径22cm、良星は直径20cmのグローブを使用した。

 試合は開始から良星がパンチで前に出る。それに山本がミドルキックで返す。そして山本は左ジャブ、左アッパー、右ストレートのコンビネーションで1ポイントを先制。途中の蹴り合いでは、山本が後ろ廻し蹴りを出すが空を切る。フェイントをかけたコンビネーションでポイントを取り返すべくアグレッシブに攻める良星だが決定打に至らず時間となりポイントを取っていた山本が勝利。優勝を決めた。

大会入賞者たちと。士道館の添野義二会長や村上竜司師範も出席

 山本は試合後のインタビューで「極真ルール以外での試合に出るのは初めてで6年ぶり。このルールに合わせた練習をして挑みました。決勝では、開始早々の中段廻し蹴りは効いたようで、そこは体格差を感じましたね。良星選手はスピードがあるので慎重によく見て戦いました。中学生の頃に日本拳法をやっており、それが役に立ったようにも思います」と試合を振り返った。

 主催した極真会館 浜井派・力謝会の浜井識安会長(67)は「新しいグローブ採用によりケガ人を出さないことが第一でした。このグローブは鼻に当ってもダメージがなく、痛さがないというよりケガもほとんど無く練習にも大いに使えます。このドラグローブの安全性が証明されたと思います。試合は居合い抜きのような試合も見られて理想とする空手試合も見られました。予想ではキックの選手が優勝すると考えており、実際キックの選手たちの方がルールに対応していました。結果として空手の、しかも51歳の最高齢の選手が優勝して嬉しく思います」とまずは大会の成功を喜んだ。

優勝した山本、準優勝の良星

 今後については「今回で気づいたことなど、さらに練って年内にプレ第2回大会を予定しています。次回は伝統空手や日本拳法からも出場予定です。このグローブにポイント&ノックダウン制の二重ルールを採用したことでケガも最小限になるなので、アマチュア選手の大会として最適であり、ダメージや危険を許さないオリンピックに参加できる可能性が高いと思います」とこのルールの更なる発展を目指すとした。

優勝 山本雅樹(ビクトリーカラテスクール)
準優勝 良星(らすた)(Team Bull)
3位 笠島竜二(GTジム)
4位 小西克典(拳真館総本部道場) 

▶︎次のページは【動画】この”痛くないグローブ”で約40kg差! 山本vs良星の決勝戦の模様

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