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【新刊】”力石徹のモデル”山崎照朝氏の評伝に、大山倍達との出会いと別れ、芦原英幸と組手エピソードも

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2020/08/28(金)UP

山崎照朝氏の評伝が本日8月28日に発売となった

 極真空手が最初に大会を開催した1969年の『第1回全日本選手権大会』を制した山崎照朝(73)の評伝が8月28日(金)に発売された。タイトルは『力石徹のモデルになった男 天才空手家 山崎照朝』である。

「ジョーにライバルができた。力石っていうんだ。おまえがモデルだ」。梶原一騎にそう告げられ、名作漫画「あしたのジョー」の力石徹のモデルに。それから50年以上の歳月が経過した。

 力石のモデルはボクサーではなく空手家であり、キックボクサーでもあった。
「極真」の看板を背負ってキックボクシングのリングに上がり、”キックの鬼”沢村忠にも勝利したムエタイ戦士カンナンパイ(タイ)を撃破するなどKOを重ねた。力石のモデルだけではなく漫画「刃牙」の回し蹴りは山崎の蹴りを参考にしたと作者の板垣恵介は告白し、山崎との対談も収録されている。

倒れた相手に突きを決める山崎氏=1969第1回極真全日本大会にて(山崎氏提供)

 力石徹や刃牙、そのエピソードも良いが、本書の多くを占めるのは極真空手黎明期からの貴重なエピソードの数々である。大山倍達との出会いと決別、自身の組手はどこからきたか、喧嘩十段・芦原英幸と組手をして得たもの、カレンバッハとの対決、各全日本大会のエピソードなど写真とともに掲載されている。力石ファンもキックや空手ファンにも濃い一冊となっている。
 著者の森合正範氏の取材から明らかにされる新事実。これまで語ることのなかった本人の証言とともに、極真空手の同時期に戦った仲間たちをはじめ、キックボクシング、コーチを務めた全日本女子プロレスの関係者ら30人を超える証言も見どころだ。

 群れない。金もいらない。スターになりたくない。一見、頑固で不器用とも受け取れるが、読み進めると、その理由と独特の美学が見えてくる。そこは力石に似ているのかもしれない。本書は2013年に東京中日スポーツ(中日スポーツ)で連載した「山崎照朝空手バカ一代記」を大幅に加筆、再構成したもので、巻末には山崎空手の真髄「待ち拳」「前羽の構え」などの解説と動画QRコードが掲載されている。

 本日発売となり、山崎氏に話を聞くと「梶原先生は私の偏屈なところを力石のキャラとして設定したのではないか」と語るも「私の半生をここまで上手くまとめたものは初めて」と本書の出来に満足している様子だった。

▼山崎氏と刃牙の作者板垣氏との対談動画

 

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