【11月・ベストファイター】朝倉未来を下しRIZINフェザー級王者となった斎藤裕「運が良かった」の発言理由に壮絶な状況
毎月イーファイトのサイト名にちなんで、より良い試合をした選手に贈られる、格闘技月間ベストファイター賞。2020年11月のベストファイターは、11月21日(土)大阪城ホールで行われた『RIZIN.25』で、朝倉未来(28=トライフォース赤坂)と5分3Rの激闘の末、判定3-0で勝利し初代RIZINフェザー級王者に輝いた斎藤裕(33=パラエストラ小岩)に決定した。
(2020年12月21日UP)
PROFILE 斎藤裕(さいとう・ゆたか) 第10代修斗世界フェザー級王者。主戦場の修斗では、宇野薫、リオン武、高谷裕之などの強豪を破っており、今年8月の『RIZIN.23』でRIZINに初参戦し、Rebel FCフェザー級王者・摩嶋一整にTKO勝利。RIZIN初代フェザー級王者タイトルマッチに駒を進め、RIZIN参戦以来7連勝無敗だった朝倉未来に勝利、王座に就いた。 |
選考理由
1、朝倉有利と言われていたが、それに負けず、試合で覆し勝利
2、3R、被弾し2度バランスを崩したが、目は相手を見据え倒れず、すぐに立ち向かって行った
3、RIZIN初代フェザー級王者となった
選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ
受賞された斎藤選手には、ゴールドジムより以下の賞品(アルティメットフレキシジョイントUC–Ⅱ 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アミノ12パウダー 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
ベストファイター記念インタビュー
■朝倉との激闘、怪我の具合は?
朝倉未来との激闘を制しRIZIN初代フェザー級王者のベルトを手にした斎藤だが、その代償も少なくない。「鼻を骨折し曲がっていたのを治しました。入院しての手術で今は骨自体も真っ直ぐに戻っています。以後、年内は格闘技の練習はできず、ランニングや筋トレ程度。再会は年明けですね」と、骨折もさほど大きなことではない様子に語る斎藤。
鼻が骨折したのは最終3ラウンドの残り1分あたりの攻防ではないかと言い「カウンターだと思います。(朝倉)の左ストレートで右目が腫れ、鼻が折れたのは、多分、後の僕が詰めて行った時のどれか一発のパンチですね」と当時の激闘を回想する。
また、鼻だけでなく、右目や耳もダメージを受けたといい、試合中、右目は眼窩底骨折の可能性があるかと思ったほどで、右フックを被弾した左耳はずっと耳鳴りし続けていたというが、「僕は耳は(組技の)練習で湧いて硬いんです。普通の耳だったら鼓膜破れるほどの衝撃でしたが、僕の耳は骨みたく硬いので、それに救われました。これまで積み重ねた練習に助けられましたね」と笑いながら答える。
■今年大注目の格闘家“朝倉未来”とのタイトルマッチ、戦前の心境は?
RIZINに参戦するまでずっと修斗を主戦場に戦い続けてきた斎藤。修斗ではメインを務める世界王者だが、このRIZINでは2戦目の新参者。しかも相手は団体エースの朝倉未来。朝倉の勝利を期待する声が大きい中、斎藤はどの様にモチベーションを築いたのだろうか。
「僕としては変わらない試合だった。朝倉選手であっても、相手で自分の気持ちが変わることはないです。ただ周囲が必要以上に騒ぎそうさせてくれない雰囲気があった。でも自分はこの王座戦で勝てばベルトが手に入るということで、あまり周りを気にせずに試合に集中しようとしました」と、王者になることだけを意識し“不動心”で挑んだという。
また、この“下馬票不利”の空気を跳ね返すことができたのは、ベルト獲得への野心に加え、これまでの経験が活かされたと話す。
「僕はこの下馬評不利というのを何度も言われ、勝った後で周りの目が変わるということを何度も経験しています。そう言う意味では、宇野さんとやったときもそうでしたね。宇野さんが勝った方がドラマチックとの流れがあり、あの時の辛さは僕は絶対に忘れない。王者でありながら辛かった記憶を鮮明に覚えています。そう言う経験をしてきているので、今回は特に悲壮感を持って戦いに挑むっていうのがなかったです」
斎藤は2017年4月、修斗世界フェザー級タイトル戦初防衛戦に挑んだが、挑戦者はレジェンドの宇野薫。41歳の大ベテランの宇野が17年ぶりの王座戴冠を目指すと大きな話題となり、斎藤はその中で全5ラウンドを取るフルマークの判定勝利を収めていた。
■試合は“運”があったから勝てた発言の真相は?
試合は運があったから勝てた部分があると発言した斎藤にその理由を聞くと「試合が終わって振り返りそう感じました。例えば打撃で言うと、顎やテンプルをもらっていたら、流石に効かされていました。さっき話した耳もそうですし、鼻も目も少しずれていたら骨折していたでしょう。格闘技の試合ってそうだと思います。本当、コンマ何秒、何ミリの世界だと思います」と、まさに“紙一重”の差での勝利だったと振り返る。
そう話す斎藤だが「1R向き合った中で自分のイメージと実際に対峙したもののズレを修正できたので、2Rから前に出れるなと思いました。実際、2R目の序盤、走りながら倒しテイクダウンを取ったところで、自分に戦況が傾くなと感じました」試合中は、セコンドと共に冷静に戦況を把握しながら戦っていた事を明かした。
▶︎次のページは気になる朝倉との再戦は? RIZIN王者として
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