【月間ベストファイター・6月】ムサエフに”72秒一本勝ち”で王者に! ホベルト・サトシ・ソウザ
毎月、サイト名の『イーファイト』にちなみ、より良い試合をした選手に贈られる格闘技月間ベストファイター賞。2021年6月のベストファイターは6月13日(日)に東京ドームで行われた『Yogibo presents RIZIN.28』で6年間無敗のトフィック・ムサエフ(31=ORION FIGHT CLUB)から電光石火の三角絞めでタップアウトを奪い、見事初代RIZINライト級王座に就いたホベルト・サトシ・ソウザ(31=ボンサイ柔術)に決定した。
PROFILE ホベルト・サトシ・ソウザ(Roberto Satoshi Souza) 数々の柔術大会で優勝を重ねた“柔術界の至宝”。13年からMMAにも挑戦し、16年にはREAL Fight Championshipスーパーライト級王座に輝いた。 |
選考理由
1、19年のライト級トーナメント優勝者トフィック・ムサエフに72秒で一本勝ちで初代ライト級王者に
2、19年のライト級トーナメント1回戦敗退からの見事な復活優勝
3、ボンサイ柔術の強さを知らしめた
選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ
受賞されたサトシ選手には、ゴールドジムより以下の賞品(アルティメットフレキシジョイントUC-Ⅱ 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アミノ12パウダー 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。
アルティメットフレキシジョイントUC-Ⅱ® | マルチビタミン&ミネラル | アミノ12パウダー
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贈呈:ゴールドジム
ベストファイター記念インタビュー
RIZINの記念すべき初代ライト級王者を決める一戦は、“究極の矛・盾(ホコタテ)対決”としても注目を集めた。
「矛」を振りかざすのはムサエフだ。散打世界王者にも輝いた殺傷力あるパンチを武器に、2015年から14連勝と無敗街道を歩んできた。RIZINでは19年のライト級トーナメントに参戦し、決勝でベラトールの強豪パトリッキー・“ピットブル”・フレイレを下してチャンピオンに輝いている。
対して、世界屈指の寝技という「盾」でムサエフの打撃を跳ね返し、一本を狙っていくのがサトシ。柔術界最高峰の大会、IBJJFの柔術世界選手権で黒帯の部準優勝など、名だたる柔術大会にその名を刻む、まさに“柔術界の至宝”だ。
ムサエフが優勝した19年のRIZINトーナメントでは、1回戦でジョニー・ケースの打撃を左目に受けタップアウトでMMA初黒星を喫したものの、その後は2連勝を収め、今回のタイトルマッチにたどり着いた。
打撃か、寝技か――。格闘技ファン垂涎の対決は、「短期決着ならストライカー、ムサエフのKO・TKO勝利」との下馬評も多かった。ところが、いざゴングが鳴るや、サトシが“コーカサスの死神”を逆に寝技地獄へ突き落としてみせた。
試合時間、72秒。そのわずかな時間に、どのような戦略、判断があったのか。試合から約1か月半。改めてサトシ本人に振り返ってもらった。
■サトシの作戦は?三角絞めで勝つことは決めていた?
両者によるタイトルマッチは、昨年の大晦日にも構想されていたが、ムサエフが母国アゼルバイジャンの内戦で徴兵され、一度白紙に戻されている。満を持して、東京ドームのリングで向かい合った両者。
開始ゴング後、サトシはいきなり組みつきテイクダウンを狙うが、これはムサエフが足を引き回避。すると、サトシはあきらめずに二度目のタックル。ここでもムサエフがこらえたが、サトシは右ストレートのモーションからまたも組み付き、脇差しの状態から瞬時に片足タックル、さらに胴へのクラッチ、引き込みと流れるように移行し、そのまま三角絞めへ。ムサエフの右腕を自身の左腕で抱えるようにロックして、再度絞め上げ、タップアウトを奪った。
この72秒間の試合展開のなかで、まず確認したかったのは「三角絞めでのフィニッシュは、あらかじめ決めていたのか」。この質問を編集部が投げかけると対するサトシの答えは「No」だった。
「もちろん、三角絞めも柔術の極め技なので練習で取り入れていますが、私が考えていたのは、倒して、相手がミスしたところでチャンスがあればバックに回って極めることでした」
倒すタイミングに関しては、それほど焦ってはいなかった。YouTubeで公開されているドキュメンタリー番組『RIZIN CONFESSIONS #75』では戦略について以下のように語っている。
「1R目ですぐにテイクダウンすることは難しいと考えていた。1Rの5分間を使い、少しでも相手が倒れたらテイクダウンしようと思いました。試合中にずっと気をつけていたのは、(ムサエフの強打をもろに食らわないよう)頭を左右に動かしつづけること。また、相手の右のパンチを一番警戒していたので、スイッチするムサエフに対して右のパンチが出しづらいサウスポーに切り替わった瞬間に組みついていった」
三角絞めの体勢に入ってから、ムサエフの右腕をロックしたのも、グラウンド状態での右のパンチを被弾しないためだという。
■次戦について
試合後のインタビューでは、今後の目標について「しばらくゆっくりする。今は考えられない」と答えていた。試合から1か月余りの今、その心境に変化はあっただろうか。それについて聞くと
「今の目標は、やはり王座防衛です。練習を続けて、さらに強くなって、私の名前とチームやRIZINのことをどんどん日本中、世界中の人に知ってもらって、今よりもっと、もっと日本の格闘技を広めて盛り上げたいです」
気になる次戦や防衛戦の相手についてだが、サトシ本人は「戦いたい相手は特にいないです。強い選手と試合をして、RIZINの王者になれたのは運ではないということを証明したいです」と言うが、周囲が期待する対戦相手のひとりに、ジョニー・ケースがいる。19年のRIZINライト級トーナメント一回戦では、左目にパンチが入るアクシデントもあり75秒で敗れている。
ケースは今月7月17日(日本時間18日)、米アイオワ州でプロボクシングデビューを果たし、2回KO勝利を収めているが、試合の数日前には自身のSNSで気になるメッセージを残している。
RIZINでのサトシ戦の動画とともに、「私の目標は世界タイトルのベルトを腰に巻き頂点に立つことだった。サトシは偉大なファイターで謙虚な王者だが、私には再戦する義務がある」と書き添えているのだ。
対戦要求をされた形のサトシは、現在の心境についてこのように回答してくれた。
「ジョニー・ケース選手との再戦は別に興味ないです。
彼に負けているけど、彼も結局トーナメントで負けています。当然、私が現ライト級王者だから、彼からしたらやりたいだろうけど、私は特に再戦が必要な試合だとは思わないです。
でも、もし再戦が組まれたら、前回の負けたときは気持ちの部分が少し良くなくて、練習していたことを何も見せられなかったので、特に何も変更せず、あの頃の作戦で行くと思います。打撃もできるということを見せつつ、得意の柔術で極められたらと思います」
穏やかな口調のなかに、早くもRIZIN王者としての自信と矜持がにじむ。
日本を愛し、チームを愛し、家族を愛する31歳。人間味あふれるRIZINライト級初代王者の、名王者への道程は始まったばかりだ。
■受賞のコメント
格闘技のメディアでベストファイターに選ばれる事は、本当にすごく嬉しいです。感謝しています。これからも頑張り続ける力になります。
■サプリメントについて
体が自然に必要なものは作ってくれるので、ふだんはできるだけナチュラルを心掛けていますが、ケガがあるときや試合前、減量を始める頃などに「何か足りないな」と思ったらサプリメントをとるようにしています。
(インタビュー:編集部、構成:藤村幸代)
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