【月間ベストファイター・5月】平良達郎がUFCデビュー戦で勝利、世界最高峰の舞台で11戦無敗の記録を更新
■セコンドの岡田が2R後のインターバルでかけた魔法の言葉
2Rを終えたインターバルの時、疲れと気持ちの落胆が心配された平良に、セコンドの岡田が「達郎、お前3Rまで来たぞ。お前がやりたい試合になったぞ。3R楽しんで来い」と嬉しそうに声をかけたという。
平良は、これまでフルラウンドを戦ったのが10戦中2回だけで(清水清隆戦と関口祐冬戦)、直近3戦はすべて1R決着となっていた。この先、強豪との戦いでギリギリの勝負を勝ち抜くためにはフルラウンドを経験しておく必要がある。平良は、そう考えていたのだ。
「正直、2Rに極めにいって力を使っていて腕が張っていたんです。でも岡田さんの言葉で、“そうだ。今、俺のやりたいことをやっているんだ”と気持ちを切り替えて、楽しめることができました」と平良はネガティブにならず、ポジティブな気持ちで3Rを迎えた。
3Rはカンデラリオにフロントチョークを仕掛けら最大のピンチとなったが、冷静に頭を抜くと下から三角絞めで反撃。これを防がれると背後に回り、再び四の字ロックからチョークで一本を狙いにいった。ここでもカンデラリオのディフェンスは固く、最後まで一本を奪えなかったが、パウンドやヒジ打ちを落として優勢のまま試合終了。判定は、全ラウンドで平良にポイントがつく完璧な内容で勝利(30-26×2、30-27)をものにした。“衝撃の一本勝ち”という結果にはならなかったため、少し納得のいかない表情を見せた平良だったが、フルラウンドを戦ったことでむしろ大きな収穫を得ることができた。
■“極め切れなくても、また全力で取りに行く”という松根会長の教え
平良がUFCデビュー戦で、いつも通りの安定した動きを出せた背景には、松根会長の指導力の高さがある。
「松根さんは、僕が攻めに集中する分、“リスクを管理するのが俺の仕事だ。目の周りが切れても鼻血が出ても、どんなアクシデントがあってもフルラウンドを戦わせるから”と言ってくれていて、とても安心感がありました。普段の練習でも“極め切れなくても、また全力で取りに行くだけだよ”と教えていただいているので、落胆することなくまたチャンスを作ろうと気持ちを切り替えることができています」と平良。試合で気持ちのブレが起こらないのは、いつも練習でマインドセットのやり方を学んでいるからだろう。
そして、チーム平良には岡田遼の存在も大きい。カンデラリオ戦の2R終了時、岡田が平良に激励の言葉をかけて奮い立たせたように、チームに欠かせない存在となっている。
「岡田さんは沖縄の先輩でもないですし、ラスベガスの武者修行で1カ月一緒に生活するまでは、2回くらいしか練習をしたことがなかったんです。でも、貴重な時間を俺なんかと一緒にラスベガスで生活させてくれて、格闘技の技術もそうですけど、体の作り方を間近で見せてくれました。自分が足りないところを見せてくれた本当に頼りになる兄貴のような存在で、感謝の言葉しかないです」
岡田は今年3月のタイトルマッチで自身のベルトをかけて安藤達也と対戦して敗北を喫してしまったが、試合で生き様を見せている。このまま引退も示唆しているが、「試合をしてくれると思います」と平良は再起に望みをかけているようだ。
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