【2月・ベストファイター】吉成名高、日本人前人未到のラジャダムナン3階級制覇を達成!「ダウン奪うも相手の反撃の肘が…」激闘を制したインタビュー
■正規王者の逆襲に、吉成が考えたこと
プレーオプラーオは、3R開始時に叫びながら気合いを入れながら吉成へ向かっていく。ここまでに吉成の攻撃をかなり被弾しているが、関係ないようだ。
衰えない闘志に対して吉成は「前へ出てくる選手は、カウンターを当てるか、もしくは首相撲の展開から崩していくんですけど、プレーオプラーオ選手の場合は組みに行くと危険。最後まで足を使い続けるしかない」とリングを広く使って活発に動き続けた。
常に足を使って動きながら攻撃することは、なかなかハードだ。それでも吉成は、サークリングしながらの攻撃を繰り返す。左ハイキック、右ボディ、左ローキックを的確に入れていくが、この怪物は屈しない。前へ前へと前進あるのみだ。
4Rも吉成は前に出るプレーオプラーオに対して、“闘牛士”のように交わしては攻撃を突き刺していく。それでも正規王者は「通常だと何回も倒れているパンチが入っても、最後まで向かってきました」と吉成が呆れるくらいタフだった。
■そして、3階級完全制覇の瞬間が訪れた!
長い、長い戦いも、あと5Rを残すのみ。ここまですべてのラウンドでポイントを奪っている吉成は、最後まで足を使ってこのモンスターを攻略した。
判定は、もちろん吉成。ゴングが鳴った直後の吉成の安堵した表情が印象的だ。正規王者を下して、ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級統一王者となり、ラジャダムナンの3階級完全制覇を達成した。
吉成に、この試合を振り返ってもらうと「ホッとしました。再戦はやりたくないですね」と本音をこぼして笑った。それは“勝ち負け”ではなく、“疲れるから”と受け取るのが正しいだろう。倒れる攻撃を当てても、絶対に屈しないのがムエタイのトップ。武尊がスーパーレックに猛攻を仕掛けても倒れなかったのは、チャイスー(強い気持ち)があるからに違いない。
3階級完全制覇しておきながら悔しそうにしていた吉成は、「武尊さんのように、人の心を揺さぶる試合をしたい」とこぼした。十分にファンの心に響く試合をしておきながら、決して満足しない負けず嫌いなところが、吉成の強さの秘密なのかもしれない。
■たった1ポンド差で感じたパワーの違い
今後の展望を聞くと「次は4月14日にRWSで試合をします」という。RWSの第2回日本大会は、4月14日(日)に千葉のTIPSTAR DOME CHIBA(千葉JPFドーム)で行われる。吉成の相手はまだ決まっていないが、夢のカードとして1階級上の王者のクマンドーイとの夢の対戦も熱望されている。もしかしたら階級を上げることもあり得るのか。
吉成は「今は52.1kgで戦っていますが、上げてもバンタム級の53.5kgですかね。さすがに55kgは厳しいです。昔、自分が1ポンド(0.45kg)をもらって下の有名トップ選手と対戦したんですが、パワーの違いを感じたことがあります。1ポンド差でパワーを感じたので、階級を上げるのは慎重にしたい」と明かし、「ボクシングの井上尚弥選手も、『階級を上げることは無理をしないようにしたい』と発言していたことを何かの記事で読みましたので、僕も同じ意見です」と続けた。
今後、吉成が誰と戦うことになるのか目が離せなくなりそうだ。「これからもムエタイの魅力を広めながら、いろいろな挑戦をしていきたいです」と可能性を広い視野で追求していくという。
まだ23歳。吉成の冒険は、ここからがスタートラインなのかもしれない!
■受賞の喜び
月間ベストファイター受賞について感想を聞くと吉成は、「今回で4回目の受賞だと思いますが、何回もらえても嬉しいです。またもらえるように、頑張ります!と語った。この止まらない勢いで、これからもファンの心を鷲掴みにしていきそうだ。
(取材/文=松井孝夫、構成・編集=イーファイト編集部)
- 1
- 2
- ≪ 前のページへ
- 次のページへ ≫
●編集部オススメ
・選考の一戦【RWS】吉成名高、統一王座戦でダウンを奪う完勝!ラジャダムナン3階級制覇
・魔裟斗、吉成名高の3階級制覇に「もう無双状態」実現しなかった夢のカード嘆く
・吉成名高、ダウン奪うラジャ正規3階級制覇達成も“悔やまれる部分”とは
・RWSラウンドガール美女は吉成名高の友人!「激アツだった」感想述べる
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
TwitterでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!
Follow @efight_twitインスタグラムでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!