【月間ベストファイター・3月】野杁正明、タワンチャイをKOしONE世界暫定王者に!「武尊君と一緒にベルトをとりたい」

■感動を呼ぶ衝撃のKOシーンで会場が総立ちに
雅和トレーナーの予言は当たった。1、2ラウンドはカーフキックやボディへの攻撃で我慢比べとなった両者。やがて綻びが出たのは、タワンチャイの方だった。カーフキックで着実にダメージを与えていた野杁は、タワンチャイが不用意に放ってきたヒザ蹴りに左フックを合わせて、ダウンを奪った。
相手のヒザ蹴りに対してのカウンターは、松倉とのスパーリングで何度もやっていたこと。松倉が「タワンチャイは絶対にヒザ蹴りを出してくる」と野杁に提言したことで反復練習をして、この試合に備えた。最初はヒザのガードを意識していたが、次第に左のカウンターのパンチがいいタイミングで当たるようになり、いいイメージが出来上がっていた。
「自然と出た」左フックがダウンにつながり、ほぼ勝負は決した。
立ち上がったタワンチャイに、野杁はパンチを連打する。この時、野杁はイケイケで攻撃していたわけではなく、冷静に「早く止めてくれ」と願いながら粘るタワンチャイにパンチを放ち続けていたという。そして、試合終了のストップがかかった。
まさかのKO決着に、会場は文字通りの総立ち状態となる。セコンドの松倉や与座優貴は、マットを叩いて喜び、雅和トレーナーは号泣してその場でうずくまっていた。野杁はコーナーへ駆け上がろうとするも興奮していたためか、一度は滑り落ちてしまう愛嬌もあったが、その視線は家族に向けられていた。
野杁は「家族が座っている席は知っていたので、叫んでアピールしたかったんですけど、いるはずの席にいなかったんです。あれ、おかしいなと。大事なところを見逃したのかなと思っていたら、リングサイドまで移動していたようです」とリングに上がってきた家族と抱き合い、喜びを分かち合った。
■正規王者スーパーボンとの統一戦へ「まだ仮のベルト。彼に勝ってこそ真の王者」
野杁が暫定王者になったことで注目を集めるのが、正規王者のスーパーボンとの王座統一戦だ。そのことについて野杁は「僕の上にいるのがスーパーボン選手なので、やりたい選手の一人です。まだ仮のベルトなので、彼に勝ってこそ真の王者だと思っています。胸を張ってONEのチャンピオンと言えるのは、そこをとってからです」と決着戦を見据える。
正規王者の印象は「タワンチャイ選手もパーフェクトな選手ですが、違うタイプの完璧度があります。パーフェクトは変わらないけど、攻略が難しいのはスーパーボン選手です」とタワンチャイよりも難度が高いと警戒する。
スーパーボンやタワンチャイは同じような強敵だが、スーパーボンの方が上だと野杁は分析する。「でも、僕はいつも挑戦者のつもりで試合をしています。今回、暫定ですがチャンピオンになってもそれは変わらないし、例えスーパーボン選手に勝って統一王者になっても、それは同じだと思います」とあくまでも挑戦者に拘りを持っているという。
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