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【テレビ】山本“KID”徳郁、最後の夢を義弟ダルビッシュがサポートしていた

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2019/01/08(火)UP

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家族、仲間、そして多くの人たちに愛された山本KID

 1月8日(火)日本テレビ系『世界仰天ニュース』(夜7時~10時54分)の特番『今年も笑いあり涙あり 有名事件の真実 新春4時間スペシャル』にて、『神の子KID 最期まで闘ったファイターの真実』と題した再現ドラマが放映された。

 これは昨年9月に41歳で他界した山本“KID”徳郁のドキュメンタリーで、KIDの妹・山本聖子の夫であり、ほとんどテレビ番組に出演することのないダルビッシュ有も「KIDさんのためなら」と初めてインタビューに応じた。

 ダルビッシュは聖子との交際を始めた頃に、KIDから「聖子に近づくのはやめてくれ」とSNSでメッセージが来たことを告白。本気ではなく遊びなら許さないとの旨だったが、その後、真剣な交際であったことから理解を得たという。

「怒ったことがないですし、他人に対して寛容だった」とダルビッシュは振り返る。「中学生くらいの時に魔裟斗選手との試合があって、同年代の人間からすると憧れの人でした。その格闘技界のレジェンドみたいな人が自分の家族になったのは信じられない気持ちだった」

美憂のプロ転向会見に付き添いで現れていたKID。右は2人の父である郁榮氏

 KIDは「若い格闘家が活躍できる場を自分が作る」との夢を抱き、ファイトマネーが出るアマチュア大会『クレイジーリーグ』を企画。クラウドファンディングで資金を集め、2018年6月に開催を予定していた。

 しかし、2015年冬に身体のだるさを感じて病院で精密検査を受けたところ、がんが見つかり闘病生活が始まった。『クレイジーリーグ』開催を1カ月後に控えた5月、起き上がるのも難しい状態となったKIDに、姉の山本美憂は「南の島でストレスなく暮らせる」ようにグアム行きを提案。KIDも同意したが、すでに飛行機に乗れるような状態ではなくなっていた。

 そこでダルビッシュがKIDのために医療設備が整ったチャーター機を手配し、同行する主治医、さらにグアムで暮らすための家や車も用意。ダルビッシュは「最初にがんと聞いた時から1分1秒でも長く奥様とお子さんたちと一緒に時間を過ごせることがゴールだったので、自分がサポート出来るのはそこかなと思いました。お金を出すのは自分の寿命を渡すのと同じと考えていて、自分としてはKIDさんがそれだけ価値のある人だった」とその理由を語った。このサポートをしたことはKID本人には言わなかった。

 また、KID本人が来場できなくなったことからクラウドファンディングで集めた資金は「条件と違う」とのことで返金を余儀なくされ、開催が暗礁に乗り上げた『クレイジーリーグ』にもダルビッシュは資金を全面支援。「中止になったらKIDさんがストレスを感じちゃうから支援して、無事に終わりましたというふうにしたいと思ってやりました」と、義理の兄KIDのためにやれるだけのことやったと初告白。

 そして番組の最後には家族たちがKIDへの想いを語った。

 父の山本郁榮氏は「お前は俺を乗り越えた。天国でまた格闘技をやれよ、広めていけよと僕は言いたいです」、甥でプロ格闘家の山本アーセンは「死に物狂いで練習するから安心しててね。俺はやる気だから」、ダルビッシュは「(KIDの)奥様と子供たち、ご家族は自分たちが見守っていくから心配しないでください」。

KIDの最後の試合となった2015年大みそかの魔裟斗戦

 姉の美憂は「いないことが信じられない。向こうは見えるのにこっちが見えないのがちょっとずるいなって。私にもたまには姿を見せて欲しい。満点はなかなかもらえないのは分かっているけれど、ノリがそばにいてくれているのが凄く分かるから、頑張る。負けない」と、KIDの分も格闘家として戦い続けると誓う。

 また、番組ゲストとして出演していたかつてのライバル魔裟斗は「戦友ですよね。一緒の時代を頑張って格闘技を盛り上げ、格闘技で成り上がっていこうという同じ目的を持っていた仲間なので残念です。試合をして、体重差も7kgくらいあったんじゃないですかね。普通なら成立しない試合なんですよ。途中でタックルとか反則をしてくると思っていたんですが、真っ向勝負を挑んできた。試合が終わった後に、本当のアスリートだと感じました。自分の子供にも優しかったし、本当のKIDをその後に知りました」と語った。

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