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【ボクシング】それでも中国が木村翔を愛する理由

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2019/02/20(水)UP

19日会見を行った木村翔

 2月19日(火)、都内で行われた記者会見で今春にも中国で再起戦を行いたいと発表した前WBO世界フライ級王者・木村翔(30=青木)は、ボクシングへのモチベーションにおいて、「自分を捨てない中国」も重要な一つになっていると語った。

 会見中に所属先である青木ボクシングジムの有吉将之会長が「昨夜も中国人女性がジム内にふと現れて“木村と写真を撮らせてくれませんか”とお願いしてくる一幕があった」と紹介した。

ゾウにフィニッシュの右でTKO勝利を奪った木村

 中国人に人気の理由、それは2017年7月の中国・上海。木村と中国ボクシング界の英雄ゾウ・シミン(中国)との一戦から始まった。ゾウは北京五輪(2008年)とロンドン五輪(2012年)で連続金メダルを獲得し、プロボクシングの世界王座を奪取。その間に国営放送のニュースキャスターだったラン・インイン氏とも結婚し、億万長者の「勝ち組生活」を送っていた。そのゾウを木村は「日本史上最大」ともいわれる番狂わせの11回TKOで破り、新王者に輝いたのだった。

 その後も木村の防衛戦は中国でも注目され続けてきたが、昨年9月に田中恒成(畑中)に判定負けで王座陥落。木村はそれこそ魔法の効力が切れたシンデレラのように「一介の外国人ボクサーに戻ると思っていた」と明かしている。
 ところが中国版ツイッターといわれるミニブログサイト『WEIBO』では、負けてもなお、感激や激励のコメントが殺到したほか、引退を考えて遊び呆けていた木村に、北京や成都でのイベントに招待が頻繁に来る状態のままだ。

いまだ中国に頻繁に招待される木村、中国マスコミのインタビューを受ける

 昨年12月に虎ノ門ヒルズで開かれた『WEIBO Account Festival in Japan 2018』でも『日本スポーツ貢献賞』を受賞。衰えない人気について、現地の中国人ジャーナリストはこう分析する。
「中国人にとってプロスポーツ選手は、国家的な予算で育成されるエリートアマのイメージしかなかったのですが、木村さんはアルバイト(酒屋)で生計を立てる民間のアスリート。これ自体が中国人にとっては新鮮で、その後、日本ではこれが特別な境遇ではなく、ボクサーの一般的な生活だということも興味深かったようです。木村さんは日本のボクシング界を中国人たちに学ばせるきっかけになった。そして毎試合、さすがに今度は勝てないだろうと思った試合で勝ち続けていることにも、ファンに衝撃とリスペクトを与えています」

 また、同ジャーナリストによれば、中国でもボクサーは労働者階級が多く、億万長者をハングリー精神で破った若武者としても、木村には感情移入されているのではないかと話した。
 こうした中国からのリスペクトも、再起する大きな一因になったと木村は会見で語った。新興の中国プロボクシング界が「プロボクシング大国」として機能するためにも、木村は重要な役割を果たせることは間違いない。

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