【UFC】タイトル戦のアデサニヤは変幻自在「第何形態に進化しているかも」(高阪剛)
4月14日(日)アメリカ・ジョージア州アトランタのステートファーム・アリーナで『UFC236』が開催される。
この大会は当日午前11時よりWOWOWにて生中継されるが、同番組で解説を務める、日本人UFCファイターの先駆けであり、現役総合格闘家である高阪剛(48)が見どころを語った。
ミドル級正規王者ロバート・ウィテカーの長期欠場により、欠場ミドル級ランキング4位のケルヴィン・ガステラム(アメリカ)と、現在総合格闘技16戦全勝を誇る同級5位のイズラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)によるUFCミドル級暫定王座決定戦が行われる。
ガステラムは強打を武器に、17年には元ミドル級王者のマイケル・ビスピンを1RKO。現在3連勝で念願のタイトルマッチに漕ぎつけた。
対するアデサニヤはトップキックボクサーとして中国のGLOLY of HEROESやオランダのGLOLYなどのビッグプロモーションで活躍。更に総合格闘技(MMA)11勝11KO無敗の戦績を引っ提げて昨年2月にUFC初参戦。今年2月にはレジェンドのアンデウソン・シウバに勝利した。UFCでは全勝ながら6戦目でタイトル挑戦への大抜擢だ。
高阪は「UFCもその飛び抜けた才能を認めてる」としながら「さらに恐ろしいのは、あの素養、センスがありながら、まだまだ成長過程であり、今後さらに覚醒していく可能性を残していることです」とアデサニヤの底知れぬ強さを認める。
対するガステラムは「逆にどんどん“まとまってきた”タイプの選手。やることを凝縮させ、余計なことをしなくなった。自分のスタイルをしっかりと見つけ、完成形に近づきつつあるんだと思います」と語る。アデサニヤの強さに無駄なく対処する可能性がある。
両者の体格を比較すると身長で18cm、リーチも22cmアデサニヤが上回っているが「ガステラムはもともとミドル級の中ではかなり小柄なので、それを承知であの階級でやっているわけですから、自分の試合のやり方に相手をどうハメるかだと思います。例えば、踏み込んでもパンチが届かないなら、相手が前に出てくるような空気をしっかり作って、出てきたところで、自分も中に入って打撃を当てるとか。マイケル・ビスピン戦がそうでしたね」と、ガステラムの必勝パターンを分析。
しかし「アデサニヤにどんな引き出しがあるか、ガステラムもまだ全部は理解してないと思います。言ってしまえば、どこから打撃が出てくるか、わからない部分が多い。意外なところから打撃を出してきて、相手に大きなダメージを与えられるのがアデサニヤの強みで、ガステラムがそれにどこまで対応できるかにかかってくるんじゃないか」とアデサニヤには未知数の打撃があるとした。
元ライトヘビー級の絶対王者・ジョン・ジョーンズは「何をしてくるかわからない」という怖さがあったが、高阪は「ミドル級版のジョン・ジョーンズですよ」とアデサニヤのポテンシャルに太鼓判を押す。
さらに「ヒットポイントがすごく的確で、しかも変幻自在なんですよ。パンチでいこうとして、距離が違ったらヒジに変えたりとか。状況判断をするスピードがすごく早い。ただ、それをまだ感覚でやっちゃってる印象。もちろんプランを立てて闘ってはいるんでしょうが、起こったことへの判断は、感覚でやっているような感じがします」と、打撃の才能に関してはジョーンズ以上かもしれないと語る。
「あと、前回やったアンデウソンとの試合で、いろんな細かい技術を盗んでいる可能性があると思います。それが足されたらすごいことになりますね。アンデウソン特有の相手を幻惑させる技術や罠というのは、試合をやったアデサニヤにとって、ものすごく経験になっているわけですから」と、飛躍的な進化を遂げているかもしれないと語る。「第何形態とかになってるんじゃないかな。そんな“新・アデサニヤ”が観られるんじゃないか」と、アデサニヤに大きな期待をかけていると語った。
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