【UFC】石原夜叉坊、激しい打撃戦でダウン奪うも一本負け
「UFC 234」
2019年2月10日(日)オーストラリア
ロッド・レーバー・アリーナ
▼バンタム級 5分3R
○カン・ギョンホ(韓国)
一本 1R 3分59秒 ※チョークスリーパー
●石原“夜叉坊”暉仁(27=いしはら・やしゃぼう・てると/Team Alphamale Japan)
石原は2016年3月からUFCに正式参戦し、UFC戦績は3勝4敗。現在、昨年2月のホセ・キノネス戦、6月のピョートル・ヤン戦と連敗を喫しており、今回の試合が正念場となる。試合前のインタビューでは「負けたら引退すると決めている」との決意を語った。
対戦相手のギョンホは元ROAD FCバンタム級王者。2013年3月からUFCに参戦し、UFC戦績は3勝2敗1無効試合。日本人選手とは7度対戦し、釜谷真、藤田克利、佐藤将光、清水俊一、田中路教から勝利を収めて日本人キラーぶりを発揮している。バックボーンはレスリングと柔術で寝技が得意。
1R、左ローを蹴る石原にギョンホは前へ出て圧力をかける。石原は早くも打ち合いに出て、ギョンホも打ち返して激しいパンチの応酬となる。ギョンホの右ストレートをもらった石原はすかさず左ストレートを打ち返し、右フックには左フックを返してギョンホはマットにヒザを着く。
石原は右フックを入れるが深追いはせず、ギョンホが立ち上がると首相撲からのヒザ蹴りに持ち込んだが、逆に右ヒザをもらって石原がマットにヒザを着く。ギョンホの右フックにもグラつく石原だが打ち合いを挑む。首相撲の体勢からアッパーを打ち、ケージ(試合場を囲む金網)を背にして激しい打ち合い。
しかし、ギョンホのパンチとヒザ蹴りを浴び、テイクダウンされてバックを奪われる。石原はディフェンスするが、ギョンホはチョーク狙い。必死に脱出しようとする石原の左腕ごと、4の字に胴を両足で挟んだギョンホはチョークスリーパー。耐えた石原だが絞め落とされ、ギョンホが一本勝ち。すぐに気が付いた石原はケージを叩いて悔しさを露わにした。
●勝者カン・ギョンホのコメント
「打撃を浴びてしまい、それほど厳しいものではなかったけれど、膝が落ちてしまった。自分としてはとにかく立ち上がって試合を続けないと、そう思っていた。今年の目標はUFCでトップ10のファイターと戦うこと。そして来年にはタイトルに挑戦したい。この瞬間から、韓国の選手はオクタゴンで勝ち続けていく。UFCで韓国勢の強さを証明するつもりだ」
▼メインイベント ミドル級 5分3R
○イズラエル・アデサニヤ(29=ナイジェリア)
判定3-0 ※30-27、30-27、29-28
●アンデウソン・シウバ(43=ブラジル)
今大会のメインイベントに組まれていたUFCミドル級タイトルマッチ、王者ロバート・ウィテカー(28=アメリカ)vs挑戦者ケルヴィン・ガステラム(27=アメリカ)は、計量後にウィテカーが腹壁ヘルニアのため緊急手術を要する必要があると診断され中止となった。そのため、セミファイナルのアンデウソンvsアデサニアがメインイベントとして行われることに。
アデザニヤはボクシング、キックボクシング、総合格闘技(MMA)の3競技で合計66勝6敗の戦績を引っ提げて(MMAは11勝11KO無敗)昨年2月の『UFC 221』に初参戦。現在も15戦全勝と無敗記録を更新中。
アンデウソンは全階級を通じて最多連勝記録(16連勝)を持ち、UFCミドル級王座は10度防衛(歴代2位)して“絶対王者”と言われた存在。11度目の防衛戦で敗れてからは連敗したが、前回2017年2月にはデレク・ブランソンから約5年ぶりの勝利をあげた。
1R、サウスポーのアンデウソンに対し、アデサニヤは左右に構えを変えてローを蹴っていく。アデサニヤのパンチをもらうとアンデウソンが突進してパンチを打ちに行くが、アデサニヤは右フックとヒジ&ヒザ蹴りをヒットさせる。
余裕すら感じさせるアデサニヤがパンチを当て、アンデウソンが突っ込んでいくとアデサニヤはパンチをかわす。アデサニヤは左ストレートを何度もヒットさせ、ハイキックが空を切ると場内は大歓声。そしてアンデウソンのパンチはかわす。ラウンドが終了すると、アデサニヤはブルース・リーのように手招きして大見えを切った。
2Rも構えを左右に変えながら左ストレートをヒットさせるアデサニヤ。アンデウソンは突っ込んでのワンツーを当てるが、アデサニヤはすぐに離れて左右ストレートを打って来る。しかし次第にアンデウソンのパンチがアデサニヤを捉え始め、余裕が出来たアンデウソンは両手を前で素早く交差させて目くらましのようなことをする。
3R、場内が大いに盛り上がる中、アデサニヤは右の三日月蹴り。左ローをもらったアンデウソンは“効いてないよ”とのポーズ。ケージを背にするアンデウソンからアデサニヤが離れると、アンデウソンは“ここへ来い”とゼスチャー。
一度はそれに乗ったアデサニヤだが再び離れてリング中央へ。離れた距離を保ってロー、ストレートを使うアデサニヤにアンデウソンは突進してのパンチや挑発を繰り返すが、アデサニヤは乗ってこない。左右のストレートを喰らったアンデウソンはノーガードになって“効かない”のポーズ。アデサニヤは構わずパンチを打っていく。両者が後ろ回し蹴りの応酬を見せ、場内大いに盛り上がった試合が終わると、両者は堅く抱き合った。そしてアデサニヤはアンデウソンに敬意を表するように、その腕を高々と上げた。
アデサニヤの判定勝ちが告げられると、両者はリング中央に正座。そして礼を交わす。アデサニヤはレジェンドを超えた嬉しさから涙を流して喜んだ。
●勝者イズラエル・アデサニヤのコメント
「他の誰かと戦った時みたいな感じだけど、彼の動きの中にこれまで何度も見てきたものがあったのは確かだ。手を下げたり、飛び跳ねたり、自分がフェンスを背中にした状態でケージ際に呼びつけたり、他の人はそれでやられていたけど、自分は違う。エネルギーはクールだったし、彼と一緒にやれたことは光栄だった。なんて言えばいいのか分からないくらい。まだまだ子供な自分、ファンの自分としては、本当に最高で本当にクールだった。長い目で見れば、あのベルトを次に取りに行くのは間違いなく俺だ」
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