【ボクシング】京口紘人に挑む、ムエタイ・ルンピニー王者の正体とは
6月19日、幕張メッセで行われるボクシングトリプル世界戦の前日計量が18日、東京都文京区の東京ドームホテルで行われた。
WBA世界ライトフライ級タイトルマッチでは初防衛戦となる王者・京口紘人(25=ワタナベ)が100gアンダーの48.8kg、挑戦者の同級10位タナワット・ナコーン(26=タイ)が200gアンダーの48.7kgで、共に一発パスした。
KOで倒すと言う京口に「KOは絶対させない、逆に気をつけて」とナコーン。
ムエタイでは100戦練磨のナコーン、ムエタイの2大殿堂ルンピニースタジアムでは2階級制覇を達成。ムエタイのリングネームは「サターンムアンレック・ペッティンディ」(下の名前はジム名でこれまで何度か変わっている)。ムエタイ界では恐れられた強豪だ。
ここでムエタイ関係者に取材、タイの国民的英雄のルンピニー王者のアタチャイと激闘を演じた鈴木秀明氏(現・ストラッグル会長)に聞くと、「サターンムアンレックは(那須川天心を苦しめた)ロッタンや、セクサンなどと同じくファイタータイプで倒す力があり、対戦を嫌がられる選手。同じ階級では相手が見つかりにくく、ボクシングに転向しました。パンチ力、ヒジ、ヒザが得意な選手でボクシングなら京口選手が上でしょうが、侮れないと思います。サターンムアンレックはインサイドワークにも長けている」とコメント。
今日の囲み会見では、ムエタイではルンピニーの2本のベルト(ミニフライ級&ライトフライ級)の他にWBCムエタイのベルトなど合計8本のベルトを持っていると言う。
ボクシング転向し17年9月にプロデビューをKO勝ちで飾るとこれまで11勝(5KO)無敗と連勝街道を進み、WBA世界ライトフライ級10位にランクインした。
「強すぎてなかなか相手がいないとムエタイの試合も数ヶ月に1度、それではなかなか食べられない。ムエタイは賭けが成立しないと試合は組まれない。強すぎる選手では賭けにならないんです」とはムエタイジム・興行を行う元キック2団体王者の佐藤孝也氏。
ボクシング転向には生活費の事情もあるようだ。生活を支えようと幼い頃からムエタイの練習に打ち込み、強すぎるとなると相手がいなくて試合が組まれず、収入がなくなると言うのも皮肉な話だ。
佐藤氏はサターンムアンレック(ナコーン)がボクシングに転向した理由についてこう語る
「強すぎて試合が組まれないなどの理由から国際式(ボクシング)に転向する選手は度々います。サターンムアンレックが所属するペッティンディアカデミーは他のムエタイジムとは違いボクシングとの交流があり、ボクシングに移籍しやすい。これに勝って例えばファイトマネー1000万ゲットすると夢が膨らむ」
戦いをビジネスにするタイ選手たちのストイックかつ貪欲さがうかがえる。
前出の鈴木氏は「サターンムアンレックは本気でベルトを獲りに行くと思いますよ」と言う。果たして無敗のナコーンはどのような戦いを見せてくれるのだろうか。
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