長州力引退、船木誠勝が18年の時を超え”幻”の長州vsヒクソン戦を予想
“革命戦士”長州力(67)が26日(水)東京・後楽園ホールにて開催された『POWER HALL2019~New Journey Begins』で引退試合を行い、45年のプロレスラー人生に別れを告げた。
長州は中学時代に柔道、高校進学後はアマチュアレスリングで才能を開花させ、レスリングの名門、専修大学に進学。1971年、大学2年時には全日本学生選手権グレコローマン90kg級で優勝。翌年にはミュンヘンオリンピック出場も果たした。また、73年には全日本選手権のフリースタイル、グレコローマン100kgで優勝するなど活躍し、74年に新日本プロレスに入団、プロレスラーとしてのキャリアをスタートさせた。
そんな「アマレスエリート」のバックボーンから、格闘技界のトップファイターとの対戦が噂されることも多く、その中にはかつてのK-1ヘビー級を3度制したピーター・アーツ(48)や、“400戦無敗の男”ヒクソン・グレイシーといったビッグネームの名前もある。
特に長州vsヒクソンは、2000年5月に東京ドームで開催された格闘技イベント『コロシアム2000』で、船木誠勝(50)がヒクソンのチョークスリーパーで一本負けを喫した後、2001年に実際に浮上したカード。カード消滅の理由には諸説あるが、もし実現していたら、一体どんな戦いになっていたのか。
夢のままで終わったこのドリームマッチの試合展開の予想について、なんとヒクソンの最後の対戦相手であり、長州ともプロレスで対戦経験のある船木誠勝が、18年の時を経て自身のYouTubeチャンネルで語っている。
長州引退に向け今月アップされた動画はこれまでの長州との多くのエピソードと感謝、そして幻の一戦について語っている。
「あくまで仮定だが」と前置きした上で、長州vsヒクソンが当時のコンディションで対戦した場合、船木はまず両者の体格差、そして長州のレスリングキャリアに着目し、こう予想した。
「長州さんは120kg、ヒクソン選手は87kgか88kgで、両者には約30kg差がある。また、長州さんは若い頃にレスリング全日本選手権グレコローマン100kg級で優勝しているので、(ヒクソンは)120kgをテイクダウンできないのではないか」
これを踏まえて、船木がまず思い描いたのは「カーンと開始ゴングが鳴ると、(長州が)コーナーに相手を追い込んで押さえつけて、ヒザ蹴り、あるいはパンチを打ち込む」シーン。
続いて、船木は両者の年齢差に言及した。
「今から20年近く前とすると、ヒクソンが当時40歳で、長州さんが47歳くらい。おそらく長州さんには2つ不利な部分があり、ひとつはスタミナ、そしてグラウンドテクニック。長期戦になればヒクソンが勝つと思う」と、試合が長引くほど「ヒクソン有利」としたが、いずれにしろ「今までに見たことがないようなヒクソン選手の試合が見られて、歴史に残る一戦になったのではないか」と、改めて夢に終わった一戦に思いを馳せた。
その船木だが、ヒクソン戦ではチョークで絞め落とされ完敗の印象を与えたものの、後年ヒクソン本人が「じつはグラウンドの攻防で船木のパンチにより左眼窩底を骨折していた」ことを告白、船木の実力を評価する発言をしている。
それを知った上で改めて船木の語る幻の“長州vsヒクソン”戦には、”どちらが勝つか”という想像があの頃のように熱く思い出される。もう実現することのない一戦だが、格闘技好きにとってこのドキドキ感は最も尊いものだということが再認識させられた。
さて、昨日のラストマッチはとなった6人タッグマッチでは、盟友の越中詩郎(60)、弟子の石井智宏(43)と組み、名勝負数え唄を繰り広げた永遠のライバル藤波辰爾(65)、後輩でこの日が両膝手術からの復帰戦となった武藤敬司(56)、そしてかつての付き人である真壁刀義(46)組と対戦。自身の代名詞であるサソリ固めやリキラリアットで場内を沸かせた末、真壁にフォールされ最後の3カウントを聞いた。しかし今回は2度目の引退。1998年に最初の引退をしている。今回引退の10カウントゴングが無かったことから戦った武藤敬司は「また復帰するのでは」とコメント。さて長州力、再びリングに戻ることがあるのか。ここはひとまずお疲れ様です。
▼長州力との思い出と感謝、そして長州とヒクソンがもし戦ったら
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