2021/07/11（日）UP
（最終更新：2021/07/11 12:17）

今年5月、カネロのアッパーでサンダースは眼窩底など数箇所骨折、カネロは３団体統一に成功した(C)DAZN

　スーパーミドル級で4団体統一戦、3団体王者サウル“カネロ”アルバレス（メキシコ）とIBF王者カレブ・プラント（英）との実現は厳しそうだ。
　カネロの3団体統一に戦った相手、WBA同級スーパー王者のカラム・スミス（英＝圧倒の判定勝ち）と、WBO世界同級王者ビリー・ジョー・サンダース（英＝アッパーで数カ所骨折させTKO勝利）ともカネロと同じくマッチルームボクシング、もしくは放送局DAZNと契約していたからスムーズだった。
　しかし、プラントは米国のボクシング興行会社のプレミア・ボクシング・チャンピオンズ（以下PBC）と契約する選手であり、FOXとショータイムが放送している。4団体統一にはこのPBCとの交渉が必要となる。

【動画】カネロの右アッパーで眼窩骨を複雑骨折、その瞬間の動画

　カネロのマッチルーム側は9月11日か18日に日程を確保したいのだが、それがなかなか進まず困惑。

マッチルームボクシングのエディー・ハーン氏が、カネロとプラントがまとまらない理由をDAZN　BOXING SHOWで語った（c）DAZN

　今月9日（日本時間）にDAZN BOXING SHOWに出演したマッチルームボクシングのプロモーター、エディー・ハーン氏はこう言う。
「（PBC側のトップ）アル・ヘイモンが、カネロ・アルバレスにプラントを譲りたくないことはみんな知っている。私もそれは明らかだと思う」とし「カネロが4団体統一王者になりたがっていることを知っているので、プラントのIBFのベルトをエサに、カネロと5戦または6戦の契約を結ばせることを考えているようだ」と語っている。PBCはカネロとプラントが試合をすると、所属チャンピオンを失う可能性大で、それ以降、カネロが来てくれたら続けて大きな興行を続けることができると考えているようだ。

　ハーン氏は「カネロ・アルバレスは、プロモーターやプラットフォームと長期契約を結びたくないと言っている」と話す。カネロは昨年11月ゴールデンボーイプロモーションから離れフリーエージェントに。昨年12月のスミス戦はDAZNと1戦のみの放送を契約。1月にはエディー・ハーンのマッチルーム及びDAZNと契約し、2戦のみの契約という報道だったが、すると2月と5月に試合をしているので、現在はフリーの立場となっているはず。今回の9月の試合は単発契約の可能性もある。そうだとすると、カネロが9月の試合後にPBCと契約すると言えば実現もあるだろうが、カネロが長期契約を望まない以上、実現は厳しいだろう。

　しかし全てはプラント次第というハーン氏、PBCの経営陣と話し、手を挙げるか、もっと良い別のプランがあるのか。カネロとの試合を望むかどうかを1週間以内に決めなければならないという。
「もし、それがプラントでなければ、他のチャンピオンになるだろう」とハーンは語っている。

　他のチャンピオンとなればWBAでは下のレギュラー王者か、ゴールド王者、WBCのシルバー王者となるが、それよりもライトヘビー級に上げて戦う可能性が高くなるだろう。カネロはWBOライトヘビー級のベルトを19年12月に返上しているが、WBOはカネロがライトヘビー級に戻れば指名挑戦者として王者と対戦させると約束している。すると、WBOライトヘビー級王者ジョー・スミスJr（31=米）、WBC・IBF同級王者アルツール・ベテルビエフ（36=ロシア）、WBA同級スーパー王者のドミトリー・ビボル（30=キルギスタン）が該当する。
　また王者ではないが、DAZNニュースではヒルベルト・ラミレス（30＝メキシコ/WBO同級3位）も予想されるという。ラミレスはWBO世界スーパーミドル級王座を19年に返上しライトヘビー級に上げてから昨日含め３連続KO勝利中だ。ラミレスは人気のあるファイターでメキシカン同士で大いに盛り上がるだろうとのこと。

　果たしてこの1週間でどのような変化があるのか、まずはカネロとプラントの４団体統一戦が実現となることを期待したい。

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