【RIZIN】クローン病と戦う征矢貴「次が最後になるかもしれない」と覚悟を決めて、中務修良が待つケージに立つ=4.16
4月16日(土)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナにて開催される『RIZIN TRIGGER 3rd』で中務修良(NO MAD)と対戦する征矢貴(そや・たかき/パラエストラ松戸)が浅倉カンナ(24=パラエストラ松戸)と公開練習を行った。征矢は、国から難病にも指定されているクローン病と戦い、今回が2年半ぶりの参戦となる。
【動画】クローン病と戦う征矢貴が、藤田戦で見せた魂の右ストレート
公開練習で征矢は、ドラムミットへのパンチを繰り返した。わずかな時間だったため、対戦相手の中務に手の内を見せたくないのだろう。心配なのは、病気のこと。2017年にクローン病にかかってしまい格闘技から離れることとなり、19年に復帰。21年6月に再燃して心配されたが、翌7月に練習を再開。今回が2年半の試合となる。
征矢は病状について、「今は断薬して、格闘技をやるだけの生活を送ることでいい状態を保てています」と報告する。クローン病は、自己免疫機能が暴走して消化器官に炎症や潰瘍を起こす病気で、高熱が出たり、体が怠くなり、腹痛や栄養障害などが酷くなることで日常生活に支障が出ることが多い。
一度は復帰した征矢だが、「クローン病が再燃した時は熱が出てしまい、日常生活を送るだけでも大変でした」と格闘技をやる状態ではなかったという。「それから寛解(症状がない状態)して練習を再開した時は、すごく弱くなっていて、体作りが大変でした。まずは体重を戻すところから始めました」とゼロから鍛え直すことから始めた。クローン病は完治することがなく、寛解の状態をできるだけ長く続けることしかないようだ。
闘病生活を送って気持ちが落ちている時に、「パラエストラ松戸の仲間が『待っているから』と声をかけていただき、元の場所に戻りたいと思いました。ファンからも休んでいる時に声をかけてもらい、勇気が出ました」と、みんなの声援が力になったと振り返る。
病気は、本人しか本当の苦しみは分からない。ましてやジムの仲間の活躍を聞けば、その悔しさは語るまでもないだろう。征矢は復帰後、19年6月の『RIZIN.16』で川原波輝をKO、続く『RIZIN.18』でも村元友太郎にKO勝ちを収めて、順風満帆にトップ戦線へ加わろうとしていた。そんな時のクローン病再燃は、さぞや無念だったはずだ。
体重は現在61kgで、順調だという。対戦相手の中務については、「レスリングがバックボーンで手足が長い印象ですね。KOのつもりで戦いますが、5分3ラウンドを戦うつもりです」と声を弾ませる。「10年やるかもしれませんが、次が最後になるかもしれないと思っています」と語る征矢の言葉は、何よりも重たい。
病気を受け入れて、前を向いて強く戦う征矢。そんな選手が試合で気持ちが折れることはないだろう。4月16日は、征矢の日になるかもしれない。
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