2023/10/25（水）UP
（最終更新：2023/10/25 19:32）

RISEの伊藤隆代表（右）が引退を表明した風音（左）を労った

　12月16日（土）東京・両国国技館にて開催される『RISE WORLD SERIES 2023 Final Round』の第一弾対戦カード発表会見が、25日、都内にて行われた。
　この会見でRISE DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント優勝＆RISEスーパーフライ級1位の風音（24＝2日後に25歳、TEAM TEPPEN）が登壇し、引退を表明した。

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記憶に残る那須川天心との激闘（2022年4月2日）

　風音は世界一を目指して関西から上京。21年の『DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント』ではリザーバーから本戦へ進み、下馬評を覆して制覇し「見たかボケ」の名言を残して成長と実力を見せつけた。昨年6月の『THE MATCH 2022』では現K-1バンタム級王者・黒田斗真と対戦し、延長判定の大接戦を制した。
　また、昨年4月に那須川天心のRISEラストマッチの相手を務め、前戦は親友の政所仁と対戦して延長で判定負けを喫した。

　これまでの短い金髪ではなく、黒髪をオールバックにして登壇した風音は、関係者への感謝を伝えると引退決意の経緯を説明した。

政所仁（左）との二度目の試合で引退を決意した風音（右、2023年7月2日）

　風音は「今年7月に政所仁と試合をして、格闘技を22年やってきたんですけど、やり残したことも未練も後悔も何もないなと。僕の格闘技の人生を政所仁との試合で蓋をしたい。それを強く思ったからというのが、引退の理由です」と明かした。

　政所仁とは親友で、『DEAD OR ALIVE 2021 -53kgトーナメント』準決勝で対戦して風音の勝利、今年7月の『RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament』リザーブマッチで二度目の対戦をした（政所の延長判定勝ち）。

　風音は政所仁と二度目の試合後に引退を決意し、リング上で親友に伝えたという。「その場で決めて、試合が終わってリングの上で政所仁に話をして、思い切りしばかれました。その後も話し納得してくれました」と風音は苦笑した。

引退表明会見では黒髪オールバックで登場し、別れの挨拶をした

　所属するTEPPEN GYMの那須川弘幸会長には「当日、控室に戻ってから話をさせてもらい、その後も話をして快く送り出していただきました」という。ケガの影響はなく、気持ちの問題のようだ。思い出の試合について風音は、「この間の政所仁との試合ですね。トータルで見て、僕が一番いいなと思ったのは。そのくらい好き。あの試合を超えることは無理かなと思います」と完全燃焼したことを告白。

　今後、キックに関わることはなく、何をするのかも決まっているようで「お楽しみにという感じで。でも第二の人生とか言われるんですけど、僕の中ではずっと一生続いている感じです」と特別な区切りはないそうだ。

　最後に風音は「格闘技はしんどいのが、ほぼほぼでしたけど、命をかけられたことが幸せでした。今では楽しいという思い出しかないです。12月（16日、両国大会）にセレモニーをやっていただくということで、そこが格闘家・風音の最後の舞台となります。これまで、ありがとうございました」と関係者・ファンにメッセージを贈った。

　風音の生涯戦績は、26戦17勝9敗（6KO）。常に熱い戦いをしてファンを魅了してきた名キックボクサーだった。12月16日の両国大会で引退セレモニーが行われるため、そこが風音の最後の舞台となる。現役生活、お疲れ様でした！

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