2025/06/09（月）UP
（最終更新：2025/06/09 11:57）

中谷、”破壊スタイル”でTKO勝利

　6月8日『Prime Video Boxing 13』（東京・有明コロシアム）では、WBC世界バンタム級王者の中谷潤人（M.T）がIBF同級王者の西田凌佑（六島）に6RでTKO勝利を収め、王座統一を果たした。西田は右肩を脱臼し、陣営が試合続行不可能を申し出たのだ。
　中谷は試合後の会見で西田が試合中に肩にダメージを負い「非情ですけど、勝つためにそこを狙っていった」「目の腫れも潰していった」と、１Rからの猛攻でダメージを与え、西田の負傷箇所を徹底して狙ったことを明かした。

【フォト】西田が肩を脱臼、目もみるみる腫れていく

中谷の猛攻を見つめる井上尚弥

　中谷は1Rから猛攻を仕掛け、西田も負けじと打ち合ったが、次々と中谷の左が西田の顔面を捉えていった。5Rには西田の右目が大きく腫れ、ドクターチェックも入った。その後も西田は打たれる場面が目立ち、7R開始前にレフェリーが試合をストップ。西田が右肩を脱臼し、陣営が棄権を申し出たのだった。

　中谷は会見で「1R目からダメージを与えていくとチームで決めていた。目の腫れや腕を本当に潰していくイメージで打っていった」と、猛攻の理由を語った。

　また、「西田選手を驚かすというのが大事になってくる」と先手を取る重要性も強調した。さらに、「西田選手の距離感は優れている部分の一つ。そこでボクシングをするより、1R目から崩してやろう、狂わせてやろうという思いがあった」と、ペースを握りにいったことを明かした。

　今回は、中谷のこれまでの戦い方であるスピードとタイミングを重視したスタイルから、ダメージを重視した戦い方を見せた。

右側を狙う中谷

　中谷は「肩を痛められたと聞いたが、そういうところも想定しながらパンチを打っていた」と語った。

　棄権TKOという結末については、サプライズではなく「ダメージを与えることを狙っていたので、そういう結果になった。3R終了後、4R開始前にちょっと肩をこうやって（痛めた素振りを）やっていたので、非情ですけど勝つためにそこを狙いに行った」と、作戦通りだったことを述べた。

　その西田は会見場に姿を見せず、病院へ直行した。

　来年5月、中谷は東京ドームで井上尚弥との対戦すると見られている。リング上で試合後、中谷は「もうすぐ行くので、待っていてください！」とメッセージを送り、会見でも「上を見すぎず、一戦一戦やっていくことが大切。そこで良いパフォーマンスをすればビッグマッチへの期待も高まっていく。1Rからいけたのはサプライズだったので、良い評価をもらえたんじゃないか」とコメントした。

　中谷の“破壊的新スタイル”は、来たる井上尚弥戦に向けて、ますます期待が高まるものとなったのではないか。

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