【新極真会 全日本】緑代表、初の海外王者誕生に「彼はパワーだけではない」カザフの巨人が秒殺KOで優勝
”カザフの巨人”キンザ―スキーが秒殺KOで優勝
10月19日に行われた新極真会主催『第57回全日本空手道選手権大会』（東京体育館）2日目の男子決勝では、身長193cmの“カザフの巨人”アンジェイ・キンザースキー（20＝カザフスタン）が、本戦42秒、顔面飛びヒザ蹴りで衝撃の一本勝ち（KO）。全日本で初の海外王者が誕生した。緑健児代表は「彼はパワーだけではない」「大勢の海外選手が自信を持ってしまった」と危機感を募らせる。
決勝では、相手の渡辺和志（世田谷・杉並）が接近しパンチ猛連打。しかしキンザースキーはノーガード気味で受け止め、ボディヒザ連打。そしてキンザースキーは左のボディヒザで間合いを作ると、右飛びヒザ一閃！ 渡辺が崩れ落ち、一本勝ちとなった。
試合後インタビューでの緑代表（新極真会公式Youtubeより）
緑代表は試合後の囲みで、全日本王座が初の海外流出となったことについて「いつかこういう日が来るだろうなと思った」とコメント。
試合後インタビューでは、緑代表はキンザースキーの強さを「長身を生かしつつ、技術的な稽古をしっかりと積んでいた。（相手が）間合いを詰めていくと接近戦の上段ヒザ蹴り。離れていくと、リーチのある前蹴り、横蹴り、上段回し蹴り。そしてパンチも強い」と分析する。
また「ヨーロッパの選手たちは本当にパワーがあるが、彼はテクニックで試合をコントロールしていた。これにまだまだパワーがついていくと、もっと強い選手になってゆく」とパワー、技術を兼ね備えているとした。
更に“心”の部分についても「精神的にも非常に強いのでは」とする。それは「1週間前にカザフスタンの大会があり、その大会でも90kg以上の部で優勝している。そういう積極性。若さのパワーで勢いもある」と、連続参戦だったことを明かす。なおキンザースキーは全日本大会の1週間後もジョージアの大会の出場を予定しており、出場すれば3週連続での参戦となる。
キンザ―スキーのボディヒザ
そして「彼は2年後もっともっと、怪物的な強さになって、世界大会の台風の目になってくる」と次の世界大会の中心選手となると予想した。
その世界大会については「大勢の海外選手が、これで自信を持ってしまったんじゃないか」と危機感を持つ。
日本人選手に向け「外国人にはパワーで勝てないから、スピードやテクニックで勝負という考えもある。しかし私が良く言うのは、パワーにはパワーで。厳しいウェイトトレーニングをやって、負けないパワーをつける」と、パワーでも負けないことが大事だと言う。
そして「完璧なディフェンスと、攻撃を効かす破壊力のある突き、蹴りを出す練習をしていくしかない」と、効かされず効かす稽古を積むことだとする。
最後に「日本選手の一番強い所は、諦めない、投げない、心の部分。延長、再延長になって、スタミナが切れてスピードがなくなってきた時に、日本選手の持ち味も出る。延長までなんとか持っていく、そういう練習も必要」と、心身のスタミナも大切だとメッセージした。
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