【UFC】中村K太郎、連勝ならず
Ultimate Fighting Championship
「UFC Fight Night:Atlantic City」
2018年4月22日(土・現地時間)アメリカ・ニュージャージー州 アトランティックシティ・ボードウオーク・ホール
Photo by Patrick Smith/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images
▼ウェルター級 5分3R
○トニー・マーティン(28=アメリカ)
判定3-0 ※三者とも30-27
●中村K太郎(33=和術慧舟會K太郎道場/元DEEPウェルター級王者)
中村は2006年12月にUFC初参戦を果たすも、3連敗と結果を残せず契約解除となった。しかし、2015年7月にDEEPウェルター級王座を獲得すると、そのわずか2カ月後のUFC日本大会に、負傷欠場した国本起一の代役として出場が決定。約7年ぶりにUFC復帰を果たし、現在までに3勝2敗の戦績を残している。
前回の試合出場は2017年9月のUFC日本大会で、中村はアレックス・モロノ(アメリカ)に勝利。今大会ではUFCで4勝4敗の戦績を収める寝技師マーティンを相手に、初のUFC連勝を狙う。マーティンはライト級から階級を上げて今回がウェルター級での初戦となる。
1Rはパンチの打ち合いが続き、中村の左フックに対し、マーティンの右ストレートがたびたびカウンターでヒット。終盤、右フックを被弾した中村は即座にタックルでテイクダウンするが、マーティンも下からチョークを仕掛けて応戦する。
2Rもパンチの攻防から始まり、中村は鋭いワンツーを振るって前に出るが、距離が遠くなかなかクリーンヒットを奪えない。リーチで勝るマーティンは左ジャブを多用しながら、中村の踏み込みに合わせて右ストレートを打ち抜く。
終盤にまたもカウンターの右フックを被弾した中村。マーティンは後退する中村を追い掛けて右ハイを叩き込む。ケージ際まで追い込まれた中村はタックルでテイクダウンするが、マーティンは下からチョークに捕らえて笑顔まで見せた。
3Rは中村が序盤からタックルでテイクダウンを奪うが、マーティンは下からアームロックで応戦。マーティンが立ち上がると、以降はスタンドでの打撃戦が続く。中村は終盤にもタックルでテイクダウンするが、ここもマーティンのアームロックで引っくり返されてしまった。
勝敗の行方は判定に持ち込まれ、ジャッジ全員から支持を受けたマーティンが階級転向1戦目を飾った。中村は自身初のUFC連勝を叶えることができなかった。
▼メインイベント ライト級 5分5R
○ケビン・リー(25=アメリカ/UFCライト級6位)
TKO 5R 2分18秒
●エドソン・バルボーザ(32=ブラジル/UFCライト級5位)
※リーは前日計量オーバーのため、ファイトマネーの20%をバルボーザに支払う条件の下で試合実施。
バルボーザは昨年12月の『UFC 219』で現UFCライト級王者ハビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア)に敗れ、連勝が「3」でストップ。対するリーも昨年10月の『UFC 216』でトニー・ファーガソンに一本負けし、連勝が「5」で途絶えた。
両者ともに上位浮上に向けて落とせない再起戦となるが、前日計量でリーは規定体重の上限を1ポンド(約453.6グラム)オーバー。双方合意の下、リーがファイトマネーの20%をバルボーザに支払う条件で試合は行われることになった。
1Rと2Rはリーが早々にテイクダウンを成功させ、マウントも奪取。バルボーザはリーにトップをキープされたまま、鉄槌とエルボーの雨を浴び続ける苦しい展開となる。
リーのTKO勝ちも近いかに思われたが、3Rにバルボーザが起死回生の後ろ回し蹴り。側頭部にクリーンヒットを受けたリーは大きくぐらつく。しかし、ここからリーは足下をふらつかせながらも組みつき続け、執念のテイクダウンを奪う。
バルボーザもリーにコントロールを許さず立ち上がり、その後は両者が一進一退の打撃戦を展開。逆転を狙いたいバルボーザであったが、4Rに入ると再びリーにテイクダウンを奪われ、マウントから鉄槌を浴びて劣勢に陥る。
バルボーザは両まぶたが大きく腫れ上がった状態になりながらも、5R序盤にリーと激しいパンチの応酬を繰り広げたが、最後は右まぶたからの流血が激しくなりドクターストップとなった。
3Rに大ピンチを迎える場面もあったが、それ以外はリーがバルボーザを終始圧倒する内容でTKO勝ちを収めた。勝利者インタビューの中では王者マゴメドフの名前も口にしたリーだが、やはり計量をクリアーしたうえでタイトル戦をアピールしたかったところだ。
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