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【全空連】192cm、115kgの香川幸允がパワーとテクニック生かし空手全日本で2度目の優勝

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2018/12/10(月)UP

足払いで相手を宙に浮かせた瞬間に頭部に突きを入れる香川、巨体を生かした攻撃とパワーで優勝した

 2020年の東京五輪競技となった空手、その会場となる日本武道館で12月9日(日)、全日本空手道連盟主催の『全日本空手道選手権大会』が行われた。

 ルールは強打が禁止されたポイント制、寸止めルールと言われたこともあるが、ボディには道衣の中に薄いプロテクターを装着。中段回し蹴り(ミドルキック)がヒットするとパーン!と大きな音が響き技あり(2ポイント)を取る。打撃は相手にダメージを与えずコントロールするセミコンタクトルールだ。突きは1ポイント、上段蹴りは一本で3ポイントと技の難易度によって得点が分かれる。 

上段への蹴りは一本で3ポイント。写真は安藤が準決勝決めた裏回し蹴り

 片手で掴んで相手を倒し同時に突きを決めるのも有効。これは1本となり3ポイント。男子は3分、女子は2分で、ポイント数の高い方が勝ちとなるが8ポイント差がつけばその時点で試合終了、コールドゲームとなる。

 男子組手で全日本を制したのは192cm、115kgの体格を充分に生かして戦った香川幸允(ひでよし、31=テアトルアカデミー)だった。

 香川は2013年の全日本王者。体格を生かした突きとパワーある掴みから捌いての投げが得意だった。

「大きな丸太が飛んでくるようだ」と選手たちから恐れられる香川のダイナミックな蹴り

 両手掴みOKだった2013年の全日本では得意の突きと、捌いての投げが決まり、相手をどんどん転がして圧勝。香川に太刀打ちできる選手などいないのではと思わせた。

 しかし、この優勝の翌年から掴みは片手のみのルールに変更され、戦い方の変更を余儀なくされた。以降全日本では勝ちに恵まれなかったが自身のスタイルを確立し、一昨年、昨年と3位に入賞、今年の国際大会のプレミア東京では初優勝と勢いに乗ってきた。しかし、翌11月のスペインで開催された世界選手権ではまさかの初戦敗退、この全日本選手権で調子を戻したいところだ。

香川がリーチのある突きを決める

 その香川、準決勝では巨体を生かし、足払いで相手を宙に浮かせた瞬間に相手の頭部に放った中段突きを見事入れるスゴ技を見せた。これで一本の3ポイントを奪取。その豪快かつ絶妙なテクニックに会場はどよめいた。7-5のポイント差で接戦を制した香川は決勝でも世界学生選手権+84kg級準優勝の安藤大騎(21=近大)に対し、突きでポイント先制、一度は同点に追いつかれるも再び突きでリード。
 残り11秒で安藤の後ろ回し蹴りを距離を潰して倒し、下段突きを決めて一本の3ポイント追加。残り時間で安藤の攻めをかわし試合終了、香川が5年ぶりの優勝を果たした。

今年を全日本優勝で締めた香川は「いい形で終われたので、またしっかり一から稽古して来月のパリのプレミアリーグに向けて頑張りたいと思います」とコメントした。

▶︎次のページは女子組手・植草歩が4連覇と形の部のレポート

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