【UFC】減点2も問題なくジョン・ジョーンズ圧勝防衛
「UFC 234」
2019年3月2日(土・現地時間)アメリカ・ネバダ州ラスベガス
T-Mobileアリーナ
▼UFCライトヘビー級タイトルマッチ 5分5R
〇ジョン・ジョーンズ(アメリカ/王者)
判定3-0 ※三者とも48-44
●アンソニー・スミス(アメリカ/挑戦者)
※ジョーンズが初防衛に成功。
王者ジョーンズはレスリングをバックボーンに持ち、2008年に20歳でプロデビュー。2008年8月からUFCに参戦すると、2011年3月にUFC世界ライトヘビー級王座を奪取。無敗の快進撃を続けていたが、ジョーンズはトラブルメーカーとして知られ、王座はく奪や出場停止処分を繰り返した。今回は2018年12月に獲得した王座の初防衛戦となる。
挑戦者スミスは19歳でプロデビューし、2013年6月にUFC参戦。すぐに契約解除されるも様々な団体で戦績を重ねて2016年2月にUFC復帰を果たした。今回は3連勝でタイトルに挑戦する。
1R、スミスが左ローで先制。ジョーンズはバックスピンキックを繰り出す。スミスの左ハイが軽くヒットすると、ジョーンズは蹴り足をつかんでスミスのバランスを崩し、組み付きに行く。離れるとジョーンズはサイドキック、左ハイ、前蹴りと蹴りを多用。
2R、ジョーンズのワンツーに右ストレートを打ち返すスミス。ジョーンズは左ロー、左ミドル、左前蹴りと蹴りを使い、バックスピンエルボーを放つ。ジョーンズは強烈な左ボディストレートでスミスを下がらせる。スミスのパンチはジョーンズの長い手足に阻まれる。
3R、ジョーンズが両足を抱え上げてテイクダウンを奪い、そのまま上をキープしてこのラウンドを終える。
4R、ジョーンズはジャンプしての関節蹴り、さらにバックスピンキックからヒジ打ちの連打とスミスを圧倒。ガードを固めて身体を丸めるスミスの左右ボディブローからの飛びヒザ蹴りとやりたい放題。さらに足払いで転倒させると防御に徹するスミスへパンチとヒジ打ち。しかし、圧倒的優勢にも関わらず、ジョーンズは寝技状態にあるスミスへ反則のヒザ蹴り。スミスは鼻から大量出血し、試合は一時中断。ジョーンズには減点2が宣告された。
5Rが始まると同時にパンチで前に出るジョーンズ。力なくジャブを返すスミスには右ロー。スミスは戦意を喪失したかのように戦う意思が感じられない。ジョーンズはスミスをケージに押し付けて足へのヒザ蹴りを繰り返し、スミスに何もさせないまま試合を終えた。4Rの減点2も問題なく、ジョーンズが圧勝で初防衛に成功した。
●ジョン・ジョーンズのコメント
「まず、この勝利を与えてくれた神に感謝したい。MMAは簡単なスポーツではないからな。驚異的なパフォーマンスができる日もあれば、全くうまくいかない日もある。アンソニー・スミスには驚かされたよ。この試合で”ライオンハート”と言われる理由が分かった。打撃を打たれながら話しかけてくる選手は今までいなかったし、何よりターミネーターのようにタフな男だった。彼のキャリアも本当に素晴らしいと思う。ここまで多くの逆境を乗り越えてきているし、俺も見習わないといけない男の1人だ。とにかく今はこの勝利を思いっきり楽しみたい。これからも精進するために作戦を練っていくよ。UFCには多くの若いファイターが所属しているからな。いつも本当に感心している。フィアンセとチームのメンバーに感謝したい。俺が戦えている理由はみんなにある」
▼UFCウェルター級タイトルマッチ 5分5R
●タイロン・ウッドリー(36=アメリカ/王者)
判定0-3 ※44-50、44-50、45-50
〇カマル・ウスマン(30=ナイジェリア/挑戦者)
※ウスマンが新王座に就く。
王者ウッドリーはレスリング出身で、大学時代には46戦全勝の記録を作った。2009年2月にMMAでプロデビューし、2013年2月にUFC参戦。2016年7月にロビー・ローラーをKOしてUFC世界ウェルター級王座に就いた。これまで4度の防衛に成功している。
挑戦者ウスマンもレスリングで活躍した後、2012年にMMAでプロデビュー。2015年12月にUFC参戦を果たすと8戦全勝で今回のタイトル挑戦までたどり着いた(MMA戦績は15勝1敗)。
1R、タックルに来たウスマンをフロントチョークの体勢に捕えるウッドリー。ウスマンはボディへのヒジ打ちで対抗する。両者立ち上がるとウスマンはパンチからのタックルを執拗に仕掛けていき、ウッドリーがケージ(金網)を背にしてテイクダウンディフェンスする展開が続く。
2Rもタックルで組み付くウスマンが離れ際に左ヒジ打ちをクリーンヒットさせ、続くタックルでついに豪快なテイクダウンを奪う。マウントポジションになったウスマンはヒジ打ちを連打。立ち上がろうとするウッドリーを逃さない。
3Rも組み付くウスマンはディフェンスするウッドリーのボディへパンチを連打。組み付くと見せかけてのパンチ、組み付くとボディへのパンチでウッドリーに何もさせないウスマン。
4R、タックルを仕掛けてきたウスマンをフロントチョークに捕えたウッドリーだが、これはすっぽ抜けてテイクダウンを奪われる。あまり動きがない試合展開に焦れた観客からはブーイング。レフェリーのブレイクも多い試合に。しかしブレイク後、ウスマンは首相撲からのヒザ蹴りを連打し、ヒジ打ちからパンチを連打。ウッドリーも打ち返すが、ウスマンの左右フックと右アッパーでダウン寸前に。
5Rもタックルに来たウスマンをフロントチョークの体勢に捕えるウッドリー。ウスマンはウッドリーを抱え上げてマットに叩きつけ、テイクダウンを奪う。そのままウスマンが最後まで抑え込み続け、判定勝ちで新王座に就いた。ウスマンはアフリカ人初のUFC王者となった。
●カマル・ウスマンのコメント
「組み合わせということになれば、俺は誰よりもうまくやれる。レスリングから打撃に行くと思っているだろうし、打撃からグラップリングを仕掛けると思っているだろうけど、いろいろ組み合わせて混乱させられる。だからこその総合格闘技だろ。俺が一番、俺がチャンピオンだ。ナイジェリア初のチャンピオンになれて最高の気分だし、王者マップの上に母国の名前を刻めた。地元にUFCを連れていく日が待ち遠しい」
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