【世界柔道】初出場の向翔一郎、快進撃で銀メダル獲得も悔し泣き
8月29日(木)、日本武道館において世界柔道選手権・東京大会の5日目が行われた。
男子90㎏級、リオオリンピック金メダリストのベイカー茉秋、2018年の世界選手権銅メダリスト長澤憲大らがひしめく中、日本代表の座をつかんだのは、個人では世界選手権初出場となる向翔一郎(むかい・しょういちろう/23=ALSOK)。
向井は仮面ライダーに憧れ、キックボクシングを練習に取り入れるなど“異端児”と呼ばれ、低い体勢から放つ背負い投げを得意とする新鋭だ。
シードで2回戦から登場の向は4回戦を得意の背負い投げで一本勝ち、準々決勝で昨年銀のイバンフェリペ・シルバモラレス(キューバ)に延長戦で背負いからの大内刈りで一本勝ち、そして準決勝ではスウェーデンのマーカス・ナイマン(29)と対戦。それまでの5試合全てを寝技での一本で勝ち上がってきたナイマンの寝技をしっかりと防ぎつつ積極的に背負いを仕掛ける。延長戦に入っても攻め続ける向。すると防戦一方のナイマンに3つ目の指導が入り試合終了。反則勝ちで決勝へと駒を進めた。
決勝戦の相手はオランダのノエル・ファントエンド(28)。パワフルな柔道を武器に準決勝では、2017年の世界王者・セルビアのネマニャ・マイドフ(23)を袖釣り込み腰で下し、初めて世界選手権の決勝へと登ってきた。
左組みの向と右組みのファントエンドはケンカ四つ。組み手争いからファントエンドは寝技で絞めを狙い、一本背負いも狙う。
ここでしっかりと組み合っていないことから両者に指導。向はヒザをつく低い体勢からの背負投げや、小内刈りでファントエンドを崩すと、寝技も狙っていく。技の数で圧倒する向だが、ファントエンドは一瞬の隙を突いて大外刈りから小外掛け、これが技ありとなる。
残り21秒。向は逆転を狙って攻め続け相手への指導を追加し、最後は引き込むも試合終了。ファントエンドが世界選手権初優勝を飾った。
畳を降りると泣き崩れた向は声を上げ泣きながら試合場を後にした。
金メダルはならなかったものの、初出場で銀メダルと東京オリンピックへの可能性も見せた結果となった。
♢向 翔一郎(むかい しょういちろう)1996年2月10日富山県高岡市出身。中学は上京して講道学舎の所属に。富山に戻り雄山中学、高岡第一高校の柔道部を経て日本大学へ進学。大学3年のときに講道館杯全日本体重別で3位、グランドスラム東京で7位と4年の時に全日本選抜体重別大会で優勝し、頭角を表す。2018年の卒業後はALSOKに所属、2019年4月に全日本選抜体重別で優勝し、8月の世界選手権代表選手隣準優勝を飾った。
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