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【ボクシング】世界王者たちの壁となった柏崎刀翔が自衛隊退官、東京五輪目指す

2018/03/31(土)UP

これで自衛隊の制服姿も最後の柏﨑。今後は高校教諭として東京五輪を目指す

 きのう30日、埼玉・朝霞の自衛隊体育学校では、今月末日をもって陸上自衛隊を退く体育学校生の退官報告が行われ、その中には、プロ転向前の井上尚弥(大橋)、拳四朗(BMB)、京口紘人(ワタナベ)ら、のちの世界王者たちとも激闘を繰り広げた元ボクシング全日本王者、柏﨑刀翔・2等陸尉(かしわさき・とうしょう=27)の姿があった。現役選手屈指の努力家は、今後は福井県の公立高校教諭として、2020年の東京で、五輪へのラストチャレンジを目指す。  

 柏﨑は2016年、日本大学の後輩、坪井智也(日本大学)から土壇場でリオ五輪の予選代表権を奪ったものの、結局、予選で敗退し、すっかり燃え尽きていたところに、福井県から2018年の国体に向けて、同県に就職しないかと提案された。条件には、まず国体に出場すること。他では公立高校に正雇用され、そこでボクシングの指導にも携わりながら、2020年の東京五輪を目指していいことに惹かれた。

 「自分は以前は教育者に向いていないと思っていたんですけど、“取り柄が少ない。だから何かを見つけたら没頭するしかない”みたいなネガティブをネガティブのまま前向きに発想転換することとか、後世に伝えられるものがあるんじゃないかと思うようになりました」

2015年の和歌山国体決勝。大阪商業大学時代の京口に確かな経験差を見せつけた。

 生まれは福井の隣、石川県の加賀市。小3のときに小松市のジムでボクシングを始めた。精神強化で半ば親から命じられるスタートだったが、小中学生に行わせる公式試合は、当時、ほぼ皆無。柏﨑にはジム通いがとにかくつまらなかったという。しかし、横浜さくらジムで行われていた第2回キッズボクシング大会に出たところ、まさかの最優秀選手賞を獲得。これで日々の練習にも合点がいき、以降はボクシングが劇的に楽しくなったと振り返る。

 大聖寺実業高校2年のときに国体準優勝。3年のインターハイでも準優勝を収めた。さらに日本大学進学後も1年から国体、全日本選手権で準優勝。だが、どうしても優勝に1つ届かない。さらには、当時、「キッズボクシング育成の最高傑作」といわれた井上尚弥(相模原青陵高校)が流星のように現れ、柏崎は国内2番手から3番手に屈してしまう。  
 井上について柏﨑は言う。「最初に戦ったときの彼は高2でしたが十分危険だと思っていました。そのときは勝ったか負けたかわからないと思いましたけど、2回目は負けたと思った。本当に強いのは、それからしばらくしてスパーリングをやったときですね。別人くらいに強くなっていました」  

 2012年ロンドン五輪予選後の大学4年のとき、井上がプロに行き、長く「目の上のたんこぶ」的な存在だった全日本王者・林田太郎(駒澤大学)も選手生活から退き、柏﨑はようやく全日本選手権優勝を果たし、これが自衛隊体育学校に入学する決め手となった。  

2013年の全日本選手権決勝。寺地拳四朗(関西大学)の優勝を阻んだ。

 引退後まで生活を保証されながらボクシングに専念できるという安定に引かれた部分もあるが、それ以上に柏﨑は「体育学校に集まるトップ選手たちの中でもうひと勝負してみたくなった」という。その後は安定感を増して、全日本選手権を2連覇。現WBC世界ライトフライ級王者の拳四朗や現IBF世界ミニマム級王者の京口にも、公式試合でそれぞれ2戦2勝だった。
 「自分のボクシングの軸は“キャリア”。才能とかよりもキャリアの差で勝ったなって試合が多い。勝てる相手に勝つべくして勝って、負ける相手には負けるべくして負けた。そんな印象です。だから2020年東京五輪の予選までに“出るべくして出る”、“メダルを取るべくして取る”まで実力を高めたいんです」  
 
 なお、柏﨑が主戦場としてきたライトフライ級は、女子の階級増加に伴い、東京五輪では実施されない可能性が濃厚となっている。前向きな男は、決定があり次第、フライ級の肉体をつくる改造を始めたいとも話していた。(善理 俊哉)

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