【ボクシング】井上尚弥が衝撃KOシーンを解説、70秒のドラマ
10月7日(日)神奈川・横浜アリーナで開幕した『WORLD BOXING SUPER SERIES』のバンタム級1回戦&WBA世界バンタム級タイトルマッチで、王者・井上尚弥(25=大橋ジム)が同級4位フアン・カルロス・パヤノ(34=ドミニカ共和国)に1R、1分10秒でKO勝ち。
一夜明けた8日、大橋ジムで会見が行われ井上尚弥が1分の衝撃KOについて解説した。
まず、今回のKOについて井上は「昨日の試合はパーフェクトすぎた。100点かなという内容。普段だったら何のパンチで効かせたとか忘れることも多いがリング上で鮮明に憶えているくらいしっかり狙いを定めたパンチだった。過去のKOの中での順位はNO.1」と満点をつけた。
大橋会長はKO劇を「見ていてもわかりにくいかもしれないが、右と左のリードのハイレベルな攻防の中でのワンツーだった。」と説明。そこにはサウスポー相手に対する独特の駆け引きがあった。
■対サウスポー戦は「ハの字」状態からの駆け引き
パヤノはサウスポー。サウスポーは右手右足が前になる構え。井上はオーソドックス(右構え)なので左手左足が前で二人を上から見ると、ハの字の状態になる。
サウスポー相手には自分がオーソドックスの場合、前足(左足)が相手の前足(右足)の外側の位置にいるようにする。すると相手はパンチが打ちにくくなる。サウスポー側も外を取ろうとし、機を見て中に入ろうとする。外の取合いの駆け引きが続く。
井上はKOに到るまでの経緯を「60秒の中でもすごく駆け引きしましたし、打ちに入る前には全部外から入ると、外に意識を持ってきて。結構距離感があったんで、どう当てていこうかなと、あの60秒で考えた。1回パヤノが入ってきたところに右アッパー合わせたんですけど、それで(パヤノの)勢いが少し止まり、そこで行けるなと思った」と語った。
パヤノの勢いが止まったのは「警戒したからではないか」と井上。アッパーは相手がジャブで距離を詰めてきた時に放ったショートアッパー。クリーンヒットはしなかったがタイミングは合っていた。クリーンヒットなら倒れている可能性だってある。だからこそパヤノは警戒した。そこからパヤノはダウンまでの15秒間、組み立て直しを考えてか、手を出さず見合ったままだった。
井上は「外へ意識を持って行って、行けるなというタイミングで思い切りステップインした」相手の前足の内側にステップインしながらジャブをヒット、上から見たらハの字が一直線に、お互いが横並びした状態だ。そこから腰をひねりながら、至近距離からの右ストレートをヒットさせたのだった。
大橋会長は「練習時からよく出ていた技」だという。
今回、4年ぶりというサウスポーとの対戦だった井上、対策として、6月からサウスポーで日本王者の大森将平や、フィリピンから3人の〝仮想〟パヤノを招聘。120ラウンドに及ぶスパーリングをこなしていた。
次回のWBSS準決勝は来春を予定。井上は「完封します」と抱負を口にした。
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