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【ボクシング】メリンドの動きを止めた、拳四朗を勝利に導いた3つのジャブ

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2018/10/08(月)UP

会見に出席した拳四朗(右)と寺地会長

 107日(日)神奈川・横浜アリーナで行われたプロボクシング『WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ』で、王者・拳四朗(26BMBジム)が挑戦者で元IBF世界ライトフライ級王者のミラン・メリンド(30=フィリピン/同級5位)を7TKOで破り、4度目の防衛に成功。その一夜明け会見が8日、都内ホテルにて行われた。 

 会見で拳四朗は勝利後にSNSなどで「どんどん強くなってるな」など友人知人から多くのメッセージを貰ったことを明かし、技術的には「求めているボクシングに近づいている」と語った。

 今回の試合で印象に残ったジャブに注目し話を聞くと3つのジャブが勝利に導いたことがわかった。

拳四朗が試合中に前手のガードを下げる

 まず、拳四朗は今回2通りのジャブを使い分けたことを明かした。しっかり顔面をガードした構えからまっすぐ出すジャブ、そして前手を下げた位置から出すジャブだ。顔面のガードが空く分、顔面が狙われるリスクはあるが、距離さえしっかりしていれば大丈夫だと言う。

「下からの方が当たりやすい。わかりにくいですよね」と拳四朗。ラウンド序盤は相手がガンガン来るので、しっかり構えを固めてから打つが、徐々に前手を下げたジャブを出すなど状況によって使い分けていると言う。

 拳四朗の言う、この前手を下げた位置から出すジャブをフリッカージャブと言う。

打つ位置を使い分けてジャブを出した。

 父である寺地会長は「フリッカーは私も得意だったのですが、スピードのあるジャブが打てるんです。普通に両手で前に構えた状態だと、腕(上腕二頭筋あたり)に力が入った状態からジャブを打つのでスピードが鈍る。フリッカージャブは脱力した状態から打つことでスピードが増す」とフリッカージャブの長所を語る。短所は上から被せるようにカウンターを合わせられることがあると言う。

 また、フリッカージャブは一般的にリーチの長い選手が使うのが有利。短い選手が使うとガードの空いた時にパンチをもらいやすくなるためだ。今回は身長では7センチ、リーチでは2センチ拳四朗が長かった。試合前の会見でメリンドは「彼に有利なことといえば背が高いことくらい」と語ったが、身長もリーチも上回った拳四朗がフリッカージャブで有利に試合を進めたと言える。

 そして次に注目したのは拳四朗のジャブの連打だ。2連打、3連打とジャブを続け右に繋げた。寺地会長に聞くと「前回(5月)のロペス戦の時から出してますけどね。パンパン出るので相手の動きが止められる。ジャブの連打の練習はロペス戦の前あたりから始めている」と語った。

 特に6、7Rはフリッカージャブの連打、そこでメリンドは防戦一方となりの拳四朗は強烈な右に繋げた。

 寺地会長は「プロになってからジャブが一番大事だと教えているので、本人もジャブで、うまく試合運びができるとプロになって分かったと思う。拳四朗の場合は距離とジャブ、右はカウンターで打つスタイルが確立してきてるので、世界的に言えばメイウェザーやロマチェンコあの辺のボクシングを総合した選手になってくれれば」と目指す拳四朗像を語った。

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