【RIZIN】那須川天心が目標の大雅、違う目標の町田光、試合後の舞台裏
那須川天心に目標を設定する男もいる。違う目標を置く男もいる!
過去にさまざまなチャンピオンの悲喜こもごもを見てきたが、王者になった達成感からモチベーションが低くなってしまう選手もおり、見ていて辛いものがあった。個々がゴール設定をどこに置いているか? ということになってくるのだろう。
「ベルト獲得は手段に過ぎない。誰もが認めるNO.1を目指している」という言葉をある選手から聞いたときに、王者、王座という称号にこだわっていないファイターもいる事実を知ったものである。
もともとK-1というメジャー舞台で戦うことを約束されたHIROYAを兄に持ち、兄弟で研鑽してきた大雅(23歳、TRY HARD GYM所属)は兄のキャリアを超えるかのごとく、K-1 WORLD GPスーパーバンタム級チャンピオンにまで上り詰めた。戴冠したのは、二年半前の2017年2月のことである。
チャンピオンの称号を得ることに満足していない大雅は、『戦いたい相手』を追い求めてRIZINにたどり着いた。その戦いたい相手とは、神童こと那須川天心である。
試合後、「年末にやりたいです。その前に10月でもいいから強い相手と戦わせてもらいたいです。まだまだ(オレは)こんなものじゃない!」と天心の名前は出さなかったものの、その矛先は天心にしか向いていない。試合2日前の会見では「キックでは天心選手が一番だと思っているのでそこを目指したいです」と語っている。ゴールとは言い切れないが、標的という目標設定を大雅は天心に向ける。
一方、大雅がこの日思い通りの試合をさせてくれなかった相手の町田光(32歳、橋本道場所属)。この町田のゴール設定はまだまだ果てしないのだから面白い!
かねてから「キックボクシングをメジャーにしたい!」と言い続けてきた町田のキャリアは50戦を超える。
『居合パンチ』(刀を抜く動作をして腰から放つパンチ)は必見。この日の大雅戦でも試みたが、左の拳は届かなかった。
また、居合パンチと見せかけてのバックハンドブロー『華炎』といったトリッキーな技で相手を翻弄(ほんろう)するファイトには魅了されるファンも多い。
だが、町田のRIZINデビューは思い描いた通りには終わらなかった。3R終盤に左フックをもらいダウンを喫し3-0の判定の末敗れた。
敗れはしたが、試合後のコメントでも溌剌(はつらつ)としていたのが印象的だった。
「自分の今回の作戦は前に出て接近戦を仕掛けること。(大雅の)強さ、うまさ、パンチ力もすごく容易に接近できなかった」と振り返った。
そして町田は続ける。「僕はずっと下積みを送ってきた。世の中に(自分の存在を)知ってもらえるチャンスだし、爪痕を残したかった。こんなに広い会場で花道を歩いて観客席を見渡したとき、幸せな気持ちになりました。大森ゴールドジム、新宿FACEというリングを経験してきた自分にとって素晴らしい経験をさせてもらいました」
RIZINに上がっているファイターの中でも、町田ほどさまざまリングを踏んでいる選手はいないのではないだろうか。
「すべての対戦カードを食う」と宣言していたとおりにはいかなかったものの、「キックボクシングをメジャーにする」という段階を一つはクリアできたことは確か。
「もっともっと自分を磨きます」と前を向いて語った町田。次のRIZINでは何かやらかしてくるかもしれない。
文・三次敏之
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