【ONE】高橋遼伍がカーフキック宣言、崖っぷちの健太は「噛みついてビッグサプライズ」=1.10バンコク
2020年1月10日(金・現地時間)タイ・バンコクにて開催される『ONE: A NEW TOMORROW』に向けた会見イベントが、20日都内にて開催。本大会でタン・リー(34=ベトナム/中国)と対戦する高橋遼伍(30=KRAZY BEE)、センマニー・サティアンムエタイ(22=タイ)と対戦する健太(32=E.S.G)がトークショーに出席し、1月大会への意気込みを語った。
フェザー級王座挑戦への試金石ともいえるこの一戦に対し、高橋は「いつも通りローキック。相手が足を引きずっていらだっているところを見ると興奮するので、アメリカ人が痛がって足を引きずってるところを見せたいです」と、今回も得意のカーフキックを炸裂させると予告した。
リーは高橋と同門である朴光哲に勝利している。高橋は朴からは「頑張ってね」と応援してもらっているというが、「余裕で勝てるよと言われていますが、朴さん負けてるので、説得力があるかと言われたら……」と笑いを誘った。そして「日本の人口1億2千万人いてタン・リーと試合しているのは朴さんしかいないので、いろいろ戦術のアドバイスをもらい、それを踏まえたトレーニングをしています」と語った。
22歳にしてムエタイ王座を7度獲得した強豪・センマニーと対戦する健太は「92戦目で過去最強の相手」と高く評価。これまで世界的な強豪とばかり対戦し、ONE戦績1勝2敗の健太は「崖から突き落としに来たなと。ぶっちゃけ咬ませ犬といってもおかしくないと思っているので、そのまま終わるのではなく、噛みついてビッグサプライズを起こしたい」と強い意志を見せた。
センマニー戦に向けた対策を問われると「センマニー戦に限らずですが、試合前に特別練習を変えたことはありません。ただ、シャドーでは対戦相手と戦っているのをイメージ。脳の力に頼っています」と健太らしい科学的なアプローチで取り組んでいることを告白。これを受けた高橋も「自分も健太選手と取り組み方が似ていて、自分の攻撃が当たり続けるイメージをしています。レスラーに対して寝かされて立ち上がる練習をしている時点で寝かされている。相手の対策をしている時点で練習で負けている」と、練習では自分のスタイルを貫くべきという持論を展開した。
その高橋のカーフキックの有用性について問われると、蹴りの専門家である健太は「高橋選手と控室で話をして両者の見解が一致したんですけど」と前置いた上で、「そんなにもらわない。有効な技じゃない」となんとも意外な回答。高橋本人も「自分ももらわない」と言い、「センマニーはしてこないと思いますけど、カーフキックの使い手と戦うのはOKです!」と、未来の”カーフキック狩り”を期待させた。
しかし現に高橋はカーフキックで数々の勝利を重ねてきている。高橋のカーフキックはなぜ有効なのかと問われると、高橋は「才能、ですかね」と自信を見せる。それにはしっかりとした裏付けがあり、「攻撃する分、ディフェンスも練習しています。クロン・グレイシーが三角絞めの絞め方知ってます、でもディフェンスは知りませんというのは無いと思うんです。両方理解して初めて技。そこにスペシャルを加えて武器になる」と、積み重ねの上に築き上げられた武器であることを明かした。もちろん最後に「才能です!」と付け加えることも忘れなかった。
2020年の抱負を聞かれると、まず高橋は実弟である高橋昭五(警視庁)が21日、グレコローマン67kg級でオリンピック出場を懸けた試合に出場することを話し「弟はオリンピックでメダルを取って、自分は勝ってベルトを取って、兄弟で結果を残せたらいい」と兄弟で頂点を目指すと、大きな目標を掲げた。
健太は「今度の相手が巨大な敵なので、1年の展望も考えずに集中しすぎています。勝ったら調子に乗ってタイトルマッチというのか、燃え尽きてしまうのかわからないくらい新年一発目に集中」と目の前の試合に一点集中。2020年の展望は試合を終えてからのお楽しみとなった。
同日トークショーに出席した三浦彩佳(TRIBE TOKYO M.M.A)と共に、それぞれ運命を懸けた一戦に臨む日本人選手たち。2020年にさらに大きな舞台へと成長するONEで存在感を強めることを期待したい。
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