【UFC】アンソニー・スミス、自宅侵入者と大格闘「人生で最も厳しい戦いの一つだった」
4月5日、UFC世界ライトヘビー級3位のアンソニー・スミス(アメリカ)は、自宅に侵入した強盗を約5分間の激闘の末警察に引き渡したと、ESPNの取材に答えた。
スミスは午前4時、妻の「家の中で男の叫び声が聞こえた」という声で目覚めたという。
スミスは部屋を出るとコンピューター室にいる不審な男を発見。男は威嚇してきたが、スミスは相手が武器を持っていないか見極めながら、素手素足で男を倒そうとしたと言う。
スミスの妻は子どもたちと寝室に隠れた。スミスは男を力ずくで押さえつけなければ、妻や娘たち、また同居する義母に危害を加えていたかもしれないと感じたと言う。
スミスのUFCでの契約体重(ライトヘビー級)は205ポンド(約93キロ)だ。その男は170ポンド(約77キロ)ほどにも関わらず、UFC重量級の上位ランカーであるスミスを5分以上も相手し続けたという。
スミスは振り返り「普通の人間はあんな戦い方は出来ない。やつは普通の男に見えた。にもかかわらず、相手にするのはとても苦労したぜ。やつは俺のパンチもヒザ蹴りもヒジ打ちも、何もかも受け止めたんだ。あらゆる打撃を食らって、俺と戦い続けたんだぜ?」と驚愕の告白をする。
警察が到着して、やっと男を取り押さえることが出来た。男の顔はスミスの打撃によってボコボコで、「すまなかった」とスミスに呼びかけた。
スミスは言う。「間違いなく、私の人生の中で最もタフな戦いの一つだった。死ぬ覚悟で戦いに臨んだよ。真夜中に丸腰で家に侵入する奴はいないと思ったからね。夜中に侵入するというのは、人を傷つけるためだから」。アメリカは銃社会であり、強盗が押し入るとしたら銃などの武器を持っていると考えるのが普通だろう。
銃でなくとも武器を持っていることは十分に考えられ、ここで手傷を負えば家族を守れない。そのため慎重な戦い方になったとも考えられる。
またスミスは4月25日に試合を控えており、そのためここで負傷するわけにもいかなかった事情もあるかもしれない。
スミスは「俺がプロの格闘家であることを考えれば、他の誰かに起きるより、自分の身に起きた方が良かったと思ってる」と、格闘家としての矜持をのぞかせる。
アメリカの多くの州には”正当防衛法”があり「自分もしくは他者への差し迫った死や重大な身体の危険」が迫った時には「人を死に至らしめる武力を行使」することが認められる場合があるが、誇りある格闘家として、相手を殺さない程度に制圧しようと考えたかもしれない。
家族を守りつつ相手の武器を警戒し、過剰に傷つけないようにと心がけ戦う場合、通常のオクタゴンでのファイトとは違っているのだろう。
後の報道によると、この不審者は20代で、高校時代レスリングに打ち込み32勝11敗の戦績を持つ強者だと言う。また侵入して叫んでいたことから、違法薬物等の使用中でリミッターが外れていた可能性もあるかもしれない。
スミス自身は彼について精神病を疑っているようだ。
またその後の情報では、男は別の家に侵入した後、逃げ出してスミスの家へ隠れ入ったようだ。
スミスは4月25日にネブラスカで開催が予定されているUFCファイトナイトのメインイベントで、グローバー・テイシェイラと戦う予定だ。この大会は新型コロナウイルスの影響で開催場所の変更が予測されるが、試合前の”人生最大”の激闘でダメージはないのか。次はオクタゴンでの激しい戦いが待っている。
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