2021/05/20（木）UP
（最終更新：2022/02/26 00:18）

ワイルダー（右）との3戦目が決定の、フューリー（中央）にジョシュア（左）がブチ切れ”(C)Naoki Fukuda

　現WBC世界ヘビー級王者のタイソン・フューリー（32=英)vs元WBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー（35=米）3度目の対戦が、7月24日（土・現地時間）米ラスベガスで行われることが決定したようだ。

　フューリーが契約するトップランク社CEOボブ・アラムがそう語ったとESPNが報じた。

　かねてからフューリーは、現WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級統一王者のアンソニー・ジョシュア（31=英）とのヘビー級初の統一世界戦が待ち望まれていた。
　フューリーは今月17日、自身のツイッターで8月14日にサウジアラビアでジョシュアと対戦すると、ノリノリで発表。

ワイルダー（左）とフューリー（右）3戦目が決定しそうだ（Getty/wowow）

　しかしほぼ同タイミングで、ワイルダーvsフューリー3の再戦契約が有効だと、調停裁判官が判決したことも明らかになった。
　このままジョシュア戦を優先した場合、フューリー側はワイルダーへ”待ち料”として2000万ドル（約22億円）を支払わなければならないことに。

　ESPNによると、ボブ・アラムCEOは「ワイルダーから逃げるために金を払うことは現実的ではない。彼を正当に追い出して、我々のビジネスを進めていくほうが良いんだ。フューリーとジョシュアの試合は今年の11月か12月に行うことが出来る」とワイルダー戦を優先すると述べた。

　またアラムは、ワイルダー戦のため、7月24日ラスベガスのアレジアントスタジアムを押さえたとも語っている。

　これでスケジュールの空いたジョシュアは、元4団体世界クルーザー級統一王者で、現WBOインターコンチネンタルヘビー級王者オレクサンドル・ウシク（34=ウクライナ）との対戦する可能性が大きくなる。
　その場合、ジョシュアvsウシクは8月21日もしくは28日に行われる見込みだ。ジョシュアがウシクの挑戦を断った場合、WBO王座を剥奪される可能性もある。

■約束を反故にされたジョシュアがSNSでブチ切れ

アッパーでダウンを奪いKO勝利するジョシュア（右）(C)DAZN

　このフィーリ−vsワイルダー戦決定の報を聞いたジョシュアは、ツイッターでフューリーにブチ切れ。ジョシュアは「世界中がお前が詐欺師だと認識しているぜ。お前はボクシング界を失望させた。ファンに嘘をつき、誘導した。戦いではなく、影響力のため俺の名前を利用した」と激高。

　これに対しフューリーは「お前のチーム全員、仲裁（調停裁判）が行われていることは知っていただろう。裁判が、俺の手に負えるものか。俺が詐欺師で逃げていると言うなら、今週末ベアナックルファイトで勝負してもいい、2000万ドル出すよ」と、なんとベアナックルファイトを提案した。

　すぐさまジョシュアは「じゃあなぜ、仲裁が行われているというのに、世界に発信したんだ。ベアナックルだ？論点をすりかえて、俺で遊ぶんじゃねえ。お前はそのハゲ頭を叩かれても、何も出来ないでくのぼうだ」と返す。
　さらにジョシュアはある映像をアップ。その映像は、試合場で乱闘が起き、フューリーらしき男が乱闘を止めようとして中に入れず、手をこまねいている光景が映っている。ジョシュアは「だいたいお前は素手のケンカに向いてないよ、警備員にさえ阻まれ、おろおろしているじゃないか」とあざ笑ってみせた。

　どうやらヘビー級初の4団体統一戦はお預けになりそうだ。フューリーはワイルダーに、ジョシュアは強敵ウシクを無事に破り、再び統一戦にこぎつけることが出来るか。

次ページ：ジョシュアがあざ笑った、フューリーが乱闘会場で”オロオロする”映像