格闘家に愛された水道橋老舗サウナがコロナで閉店、長谷川穂積「減量成功し王者になれた」
格闘技の聖地、後楽園ホールに近いことから、格闘家らの減量や宿泊に愛された水道橋の『サウナ&カプセルホテルASUKA』が昨日10日18時に閉店、36年の歴史に幕を閉じた。
数日前から「新型コロナウイルスなどの諸事情により閉店いたします」と張り紙が貼られていた。店舗関係者は張り紙以上の閉店理由は答えられないと言うも「格闘技関係者が閉店を惜しんでます」と伝えると「そうでしょねぇ…」と感慨深げだった。
水道橋周辺は新型コロナの影響を受け、シャッターを下ろす店、さらに飲食店などの撤退で入居募集の『FOR RENT』の張り紙が目につく。緊急事態宣言下で開店する飲み屋も少なく寂しい限りだ。
コロナ前、雑居ビル4階の飲食店オーナーは「ここは東京ドームや後楽園ホールがあるからね、野球シーズン中はもちろん、オフも音楽のライブもあってお客さんが入ってくれるんだよ」と笑顔だったが、その店もコロナで休業中。ドームに5万人以上入るコンサートも皆無、現在、ドームは緊急事態宣言で観客上限5千人。その客を見込んだ場合でも、飲食の営業は感染防止のため20時までに制限されておりイベントの客足は見込めない。
ASUKAの利用者も格闘家だけでなく、地方から観戦に来る人の宿泊場所、呑んだ人が宿泊に使うことも多かったと聞く。私の知る限り徹夜のサラリーマンや編集者も利用していたが、現在はテレワーク化が進んでおり、コロナやその政策から利用客が激減して行ったと思われる。
プロボクシング世界3階級制覇王者の長谷川穂積にASUKAの閉店について編集部が聞くと「初の世界挑戦の2週間前に先輩の試合を後楽園ホールに見に行った時に初めて行きました。そのおかげってわけじゃないけど、減量もうまく行ったしチャンピオンにもなれましたからね。今でもちょくちょく行ってたのに」と閉店を惜しんだ。
ボクサーは試合の前日計量を後楽園ホールで行う場合が多く、前日から泊まりで汗を流す者、計量数時間前にサウナに行くものなど様々だった。110度の高温サウナがあるのも減量中の格闘家たちには魅力的だった。
長谷川が所属する真正ジム(神戸市)山下正人会長も「10年くらい前から高いお金払ってホテルに泊まるんやったらアスカのカプセルホテルによく泊まりに行った。あとは後楽園ホールで試合の時は時間があればアスカのサウナによく行った。無くなるのはめちゃくちゃ残念」と語った。
ASUKAは宿泊・サウナ込みで4,300円、サウナ入泉料金のみだと90分1,250円と都心にしてはリーズナブルに利用できた。今後、この周辺のサウナはスパ・ラクーアとなり入館料は2,900円必要となる。
最終営業日の10日15時ごろ、別れを惜しむかのように多くの人が訪れていた。利用客に聞くとサウナ内は7〜8割は入っていたという。密は大丈夫なのか、と心配になるが、そこもサウナ営業には厳しいご時世だろう。
そして18時を過ぎ、店の前のチラシは「閉店しました。長い間ありがとうございました」と張り替えられた。昭和から愛された老舗サウナが姿を消した瞬間だった。
(イーファイト・吉倉拓児)
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