【KNOCK OUT】後楽園で初メインの龍聖が短期決着宣言「判定にはならない、1Rか2Rで」九州を背負う銀次は「倒せるイメージはできている」
10月29日(金)東京・後楽園ホールで開催される『SACRED FORCE presents KNOCK OUT 2021 vol.5』。本大会で行われる[KNOCK OUT-BLACKフェザー級王座決定戦 3分3R・延長1R]に出場する龍聖(TRY HARD GYM)、銀次(Next零)の戦前インタビューが主催者を通じ届いた。
龍聖は、K-1で活躍したHIROYAが送り込む若きホープ。切れ味鋭いパンチと一撃必倒のハイキックを武器にデビュー以来6戦6勝6KOと破竹の快進撃を見せていたが、今年3月には初の判定勝利。しかし8月には1R KO勝利を挙げ、その強打を見せつけた。今回満を持して初のタイトルマッチに挑む。
本大会のポスターに単独で登場するなど、主催側からの注目度も高い龍聖。まさに大会の主役として期待されている状況だが、当の龍聖本人は「プレッシャーはあまり感じないです。自分でもタイトルを獲って当たり前だと思っているので」と、自然体のままこの状況を迎えているという。そのスタンスの背景には常々口にする「通過点」の意識がある。試合に集中せず足下をすくわれるという声もあるが「勝ったヤツが偉いだけ。俺が勝ったら『目の前じゃなくて先を見てるヤツが強い』となるし、負ければ『目の前のことだけやってたヤツが強い』となるだけ」と、勝利という結果だけが意味を持つという考えを示した。
とはいえ、龍聖にとって初のタイトル。「これまでやってきたことが形になるし、周りも喜んでくれる。だから欲しいですね」と、重みのある漆黒のベルトを腰に巻く気は満々。「僕が教えている会員さんから見れば『チャンピオンに教えてもらえる』ことになるじゃないですか。いつも教えてくれる人がチャンピオンになる瞬間を見せたいですね」と自身と関係する人々のために王座を手にする決意を固めた。
対戦する銀次の印象を「根性あって気持ちが強い選手だとは思いますが、テクニックはもちろんない。パワーはやってみなきゃ分からないけど、僕の方が強い」と戦力には大きな差があると分析。警戒するのはガチャガチャの打ち合いというが「ガチャガチャしているように見せて、俺だけが当てるのが理想」と、一方的な展開をイメージし「判定にはならないと思います。1Rか2Rで決めたいです」と、短期KO決着の青写真を描いた。
意外にも今回が初の後楽園ホールでのメインイベント。「うれしい!」と喜びの表情を見せる一方「ここで止まってるわけにはいかない」と、龍聖はさらに大きな舞台を視野にいれる。果たして龍聖は、未来へ向かうチャンピオンロードの第一歩目を鮮烈に飾ることができるか。
対する銀次は福岡在住の九州三冠王。今年5月にKNOCK OUT初参戦を果たすと、小笠原裕典と延長戦にもつれ込む大接戦を繰り広げドローの結果に終わったが、この階級で日本トップクラスの位置に近いことを証明した。さらに先月5日、KNOCK OUTトップ戦線の栗秋祥梧に2R KO勝利し、今回の決定戦出場者の資格を得た。
インタビューに先駆け、銀次から事務局へ見慣れぬポスターが送られた。それは龍聖がメインに扱われているポスターに激怒した銀次の仲間が作ったものだった。「九州の人間は気が短いので行動が早い」と、銀次本人よりもサポートする周囲の怒りが爆発。一方の銀次は「結局残るのは結果。倒すことには変わらない」と冷静沈着で、怒りを露わにする周囲を「いつも通り倒しますから」となだめているという。
龍聖の印象を「あれだけ倒しているので、破壊力や攻撃力はあると思う」と評価する銀次。しかし自身はこれまで一度もダウンもKO負けがないというタフネス自慢であり「倒せるなら倒してみろ」と、真っ向から受け止める姿勢を見せる。すでに「倒せるイメージはできている」と準備万端。「ずっと頭の中でイメージしているので、早くそれを現実にしたい」と、試合が待ち遠しいようだ。
記者会見では挑発を受け、ファンの多くは龍聖の勝利を期待する現状を振り返るも、銀次は「ぜんぶひっくり返す。主催者側も龍聖選手を推したいだろうとは思いますけど、そうはさせんぞ」と反骨心を武器に立ち向かう。銀次が背負うのは王者になる責務だけでなく、九州キックボクシング界の隆盛。「九州在住の人間が東京で活躍すれば、九州の人ももっと盛り上げると思うんです。下の子たちも期待を持って頑張れる」と、自らの勝利で九州に火を灯す構えだ。小笠原裕典、栗秋祥梧といったKNOCK OUTトップファイターと、しのぎを削って手にしたこのチャンス。果たして銀次は龍聖に黒星をつけ、九州にベルトを持ち帰ることができるか。
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