2021/11/12（金）UP
（最終更新：2022/03/24 18:10）

ゴロフキン戦の発表記者会見で笑顔を見せた村田

　WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太（35＝帝拳）と元世界3団体統一ミドル級王者で現IBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキン（39＝カザフスタン）の世界統一タイトル戦の発表会見が12日都内にて行われた。両者は12月29日（※4月9日に延期）さいたまスーパーアリーナにて対戦する。
　記者会見の内容は既報した通りだが、会見後の囲み取材で村田は、彼の魅力が伝わるコメントを残した。

【フォト】村田の囲み取材の様子と、村田の前戦、怒涛の連打でTKOの瞬間

■「カッコいいことや頭のできが人よりも下でもいい。強いことの評価が人よりも下は嫌

２年ぶりの会見で緊張したという村田だったが、堂々としていた

会見で村田は「勝って最強を証明したい」と語った。これまで村田の会見では聞けない強すぎる言葉だった。
「最近、よく思うことがあって、自分は何を見せたいんだろうと。で、自分は（容姿など）カッコいいところを見せたいんじゃない。強いところを見せたいんだと。そのためにボクシングを始めたんだと思ったんです。カッコいいことや頭のいいことが人よりも下でもいい。でも、強いことの評価が人よりも下は嫌です。そういった意味では、自分が強いことをこの試合で見せたいです」

――この考えになったことについて

最強の相手との対戦で村田は、サプライズを起こせるか

「自然の流れです。先ほども言いましたが、自分がボクシングを始めた時の子どもの頃の気持ちとか、何にこだわってやってきたのかとか。何を表現したいのかと考えた時に、出てきたことがそれ（最強）だったんです。意図はないです」

――勝算はありますか？

「勝算という言葉と使いたくないです。ちゃんとやって、ちゃんと勝ちます」

――勝算が嫌いなのにはわかりましたが、根拠は？

「勝負がどうなるかは最終的に神様が決めるものなので、僕がどうのこうはないですが、勝算があるのかと聞かれると、勝てないと言われているように感じます。そういう気持ち（勝てないという気持ち）がないということです。勝てないと思っていないということです。そんな気持ちでリングに上がらないということです。では勝つのかと聞かれると、それは神様しか知らないということですね」

――判定で勝ちますか？　KOで勝ちますか？

「そんなものは分からないです（笑）」

――2年間のブランクの心配は？

「それは、試合をやってみないと分からないです。練習はずっとやっていましたし、スパーリングも違和感はないです。でも実際に会場で、入場曲がかかってきて10オンスのグローブをつけて、リングに上がって人がいるという状況の中での感覚や緊張感はやってみないと分からないです。失ったものに着目するのではなく、あるものに着目したい」

囲み取材で村田は、記者に本音をもらした

――ゴロフキン選手は、リングの上だと印象が違いますか？

「リング上もリング下も変わらないですね。すごく紳士です。自分がやるべきことを淡々とやるイメージですね。（スパーリングは）7年も前のことですけど、ジャブが強いですし、オーバーハンド気味に打ってくる右フックと左フックの返し。右アッパーも対応してくる。下手にかわされると、そのアッパーをもらうので警戒はしています」

――最強を出したのは、ご自身の中でそういう偶像が強いということですか？

「実績だけ見ても、一番強いですよね。でも最強なんてものは、おっしゃるように偶像ですよ。偶像にしか過ぎません。ボクシングにおいて強いだけなんだから。これをやってみると、それを生きるしかない。でもどうかな、オリンピック終わった時も、金メダルを獲っても自分の弱い部分が見えただけだったしなぁ。最後は内面に帰するんでしょうけど。試合をやって、ポジティブな意味づけをしないといけないでしょう。みなさん、会社に何年いましたか？　ポジティブな意味づけをしましたか？　今のみなさんにとっての意味づけをしますよね？　僕もそうです。そのポジティブな意味づけが、僕にとっての最強なんです。まさに偶像でしょう」

――この試合は村田選手の集大成になるのでしょうか？

「それは、終わってみないと分からないです」

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