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【RISE】引退発表の”21歳の女王”寺山日葵、復帰も否定「スパッと辞める」同門の那須川天心にも感謝

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2022/03/15(火)UP

RISE QUEENとして女子キックをけん引した寺山日葵が現役を引退

 3月15日(火)都内にて緊急記者会見が行われ、RISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵(21=TEAM TEPPEN)の現役引退が発表された。

 寺山は昨年同じRISE QUEENであるフライ級王者・小林愛三とのRISE頂上決戦に勝利するも、その前後から股関節に激しい痛みを抱えていた。今年1月に行った右股関節唇損傷の手術は成功するも、リハビリに必要な時間は1年。さらに左股関節にも同様の症状があるため、手術をすればさらに1年と、計2年のブランクを余儀なくされるため、現役選手として活動をするのが困難と本人・ジムサイドで判断。約6年のプロキャリアにピリオドを打つこととなった。

21年9月に1階級上のRISE QUEEN・小林愛三に勝利。この一戦が寺山のラストファイトとなった

 寺山は引退を考えたきっかけに、昨年9月の小林愛三戦後のインタビューを挙げた。今後の目標という質問に「普段だったらスラスラ言葉がでるんですが、その時は言葉がでなかった」という寺山。国内最強の呼び声も高い小林に勝利し目標を喪失。その状態でRISE QUEENのベルトを持っている状態は健全ではないと判断したという。「もやもやグダグダしながら私がベルトを持っているよりは、ベルトを譲った方が女子格闘技が盛り上がる。他の選手にチャンスを譲るのが私の貢献」と、股関節の負傷を機に、RISEへの最後の貢献の形を表したという。

 これまで自らがけん引してきたRISE女子の未来を語る寺山は、次にRISE女子の顔となる選手として同じRISE QUEENである小林愛三、宮﨑小雪の名を挙げ「二人が引っ張っていってくれると思うし、引っ張っていける存在だと思う」とバトンを渡す。さらに自身と同階級の選手では「キャラが立っている選手が多い」とAKARI、宮﨑若菜、erika♡、大倉萌らを指名。「皆で切磋琢磨して、もっともっと大きくして欲しい」と、次代の女王の座を賭けた争いに期待を寄せた。

19年9月にRISE QUEEN王座を争った佐藤レイナとは、この試合を機に交流を深めているという

 改めてRISEでの戦いを振り返った寺山は「ベストバウトを決めるのは難しい」としながらも、最も印象に残った戦いに、20年11月の「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」準決勝(sasori戦)・決勝(紅絹戦)を挙げた。試合までの3週間が「プロ生活で最もどん底で、そこから這い上がった時期」といい、「支えてくれるたくさんの人を知った」と、戦いは一人ではないことを知った時だという。

 また19年9月の「初代RISE QUEENミニフライ級王座決定戦」を争った佐藤レイナの存在にも言及。アマチュア時代から何度も対戦してきたという佐藤とは、決定戦を機に食事に行く仲に。「生涯仲良くしていきたいなという方です」と、引退後も変わらぬ友情を育むという。

RISE伊藤代表(左)と寺山

 一方で、会見ではリフレッシュ後の復帰という選択肢について質問が上がった。RISE伊藤代表も会見冒頭で「いつでも戻ってきて欲しい」と、まだ21歳と若い寺山の復帰を歓迎する構えを見せていたが、寺山は「やめるやめないとか、続ける続けないとかはっきりしないのは他の選手にも失礼ですし、期待させてしまうファンの方へも失礼。スパッと辞めた方がファンの方にもどかしい思いをさせず、他の選手もベルトを狙っていける」と、ファンも含んだ格闘技業界への貢献のスタンスを崩さなかった。

伸びのある寺山の右ミドル

 今回の決断について、家族からの反対はなかったという寺山。元々格闘技ファンだという父は「もう1年くらいは見たかった」と、寺山本人ではなく母親に漏らしたという。その母は「好きに生きたらいいよ」と、寺山の決断を尊重。同じくプロとして活躍する寺山遼冴は「やめちゃうの?なんで?」ととぼけて見せたものの、寺山の目には「(弟は)極度のシスコンなので、さみしがってました」と映ったという。

 また、これまで長い間指導を受けていたTEAM TEPPENの那須川弘幸への報告は「緊張した」というが、那須川会長からは「今後の人生を応援していただけた」とのこと。盟友である那須川天心へは電話で報告したといい「お前は置かれた場所で一生懸命輝く人間。今後の人生でも役立てて欲しい」とエールを送られたという。さらに「何かあったら相談にのるから連絡してこい」と、今後のサポートの意思も示したという那須川に、寺山は「先輩として前を走ってくれて、最後までかっこよくてうれしい」と那須川への感謝の気持ちを見せつつも「できた人間すぎて腹立つなと思いました」とおどけてみせた。

会見では終始笑顔を見せていた寺山は、会見終了後の撮影を終えると涙を見せた

 今後の目標を「いらっしゃいませー、ってやってみたいですね」と、これまでできなかった社会経験を積みたいという寺山。また「大きい大会、エルドラドとかを客席で何も考えずに見るのは楽しみです」と、一ファンとして格闘技を楽しみたいと語った。最後に「みなさんがいなかったら、寺山日葵はここまで大きくなれず、途中で心が折れることもあったと思うので、みなさんのおかげで成り立っていました。これからも格闘技を愛してください。ありがとうございました」と、寺山日葵を見つめてきたすべての人に感謝の言葉を述べた。

 会見中は終始笑顔を見せていたものの、最後の写真撮影時には涙を浮かべた寺山。今年の1月で21歳の誕生日を迎えたばかり。まずは疲れた羽を休め、次の新たな目標に向け歩んで欲しい。

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