2023/06/14（水）UP
（最終更新：2023/06/14 07:16）

十数名のファンが入場通路に落下した事故に@TanerFrankより

　6月10日（日本時間11日）にカナダのバンクーバーで開催された総合格闘技イベント『UFC289』にて、イベント中に会場の観客席の一部が崩壊。大惨事の危険性をはらんだアクシデントが起きた。幸い大きな負傷者はいなかったが、出回った映像を見たファンからは「これは訴訟レベル」との声が上がった。

　事件はメインイベント第3試合のマイク・マーロット（カナダ）vs.アダム・フューギット（米国）戦の開始前に起きた。赤コーナーから地元期待のマーロットがバックステージからの入場口に登場すると、地元の英雄とのハイタッチを求めた多くのファンが一気に入場通路側に殺到。すると、その重みに耐えられなかったのか、スタンド席の柵が倒壊し、十数名のファンが入場エリアに落ちた。

事故に巻き込まれる危機一髪も、試合で一本勝ちを決めたマロット（左）。©️UFC

　幸いなことに、落下したファンで大きく怪我をした人はおらず。さらに、その場にいた選手のマーロットもこの倒壊に巻き込まれることなくケージイン。2Rに見事にギロチンチョークで一本勝ちを収め、観客の大歓声に応えた。

　すると、この様子を撮影していた数々の映像がネット上で拡散。「恐ろしすぎる」「UFC、会場、これは訴えられるレベルかもしれない」「もしこれで選手が戦えなくなったら、どうしたんだろう」「これは訴訟レベルだ」と、恐怖する声が上がった。

　2010年のバンクーバー冬季五輪でもアイスホッケー競技の会場に使用された由緒ある会場、ロジャーズ・アリーナで起きたアクシデント。大会終了後の会見で、UFCのダナ・ホワイト代表はこの件について「軽い怪我をした方々は数名いますが、深刻な怪我人はいませんでした。会場側はすぐに対応し、ロープを張り、周辺のお客様にはより良い席を用意しました」と即時対応をしたことを報告し、再発の防止も誓った。

　また、この事故に巻き込まれていたら、確実に試合欠場となっていただろう選手のマーロットは「ほんのゼロコンマ数秒前に倒壊に気付いて、瞬間的に避けた。落ちたファンの事が心配になったが、すぐに気持ちを切り替えて戦いに集中した」とコメント。マーロットはこの日見事な一本勝ちを決めたことで、パフォーマンスボーナス5万ドル（約697万円）を手にした。

　大惨事の危険性があった今回の事故、大きな負傷者がいなくて良かったが、UFCには再発防止にむけて安全面の徹底を期待したい。

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