【極真】浜井識安氏の告別式、延命治療拒み「好き放題やった、ありがとう」大道塾の東塾長が語った秘話も
12月14日に肺炎のため死去した極真会館 浜井派及び力謝会会長の浜井識安(のりやす=69)氏の告別式が23日(土)、金沢市内の葬儀場にて行われた。
式場の花壇には流派を超え、極真会館の松井章圭館長、新極真会の緑健児代表、士道館の添野義二総帥、世界全極真の長谷川一幸総帥ほか弟子の水口敏夫氏、増田章氏など多くの空手団体や企業など多くの献花で埋め尽くされた。
【フォト】告別式では多くの空手団体からの献花、開発中のオープンフィンガーグローブや浜井会長の愛読書も展示
突然すぎる死だった。浜井会長の長女で浜井派の浜井美香代表は「つい先日まで新規事業の拡大に邁進していた」と挨拶。
その新規事業とは、自身が新開発した”痛くない”グローブ「ドラグローブ」の普及だ。さらに頑丈な特殊なファールカップをも開発し、護身には顔面と金的の攻防を身につける重要性を強調、護身空手ルールを作った。
昨年からは顔面、金的攻撃を認める護身空手の全日本大会を開催、そのルールの実戦性から空手のみならず、ムエタイ、キックからも参戦。オープンフィンガーグローブ開発にも着手したが完成を見る前に他界した。
浜井会長自身も全日本4位などの実績と、指導者としては水口敏夫や増田章など世界レベルの強豪を育て名伯楽と称せらたが、今後は極真に伝統派空手の長所を合わせ、さらに上の極真空手を目指すとしていた。
しかし先月11月下旬に肺炎で緊急入院、1週間後には急性骨髄性白血病が判明も延命治療は「身体がボロボロになってまで生きたく無い」と拒否。その1週間後の今月14日の午後3時頃、一時は回復傾向にあった肺炎で亡くなった。関係者によると亡くなる2日前まで病室からドラグローブに関する指示があったという。
浜井美香代表は最後の挨拶で「父は延命治療を拒否しました。”好き放題やらせてもらった。ありがとう”と父らしい潔い最後でした」と涙で報告。
続けて妻の良好さんは「亡くなった日は雲ひとつない晴天で、病院の窓から見た青い空は忘れることができません。また、1週間前の火葬の日、東京は20度と12月とは思えないとても暖かい日でした。そして今日、葬儀の日、(石川県では)先日からの寒波の雪。これも識安さんらしいなと思っております」と本人の豪快な人生に例えた。
葬儀が行われた23日正午には、日本海側での猛烈な寒波が影響し金沢市では32センチの積雪となった。
そんな中でも浜井会長の弟で極真会館富山県支部長の浜井良顕氏は、自身の事業の拠点マレーシアから参列。浜井会長の弟子の水口敏夫氏は自身の団体を持つ岡山から参列するほか、県内外の高弟、遺族たちと共に見送った。
また浜井会長は事業家の顔もあり、かつては大型ビデオレンタルチェーン『ビデオシティ』を展開。北陸を中心に35店舗にまで増やす成功を収めた後、2004年に大手レンタルビデオ会社GEOに売却。敏腕経営者でもあり、それを学んだ起業家の弟子らも参列した。
故・東孝 大道塾塾長は浜井会長と交流は深く、生前「浜井は空手界の大功労者なんだ。当時(1980年前後)あまり知られてなかった、月謝の銀行引き落とし制度が便利だと支部長たちに教え、そのおかげでみんな道場運営が安定するようになったんだ」と、イーファイトの取材に応え、ビジネス分野でも空手界に貢献したと称えていた。
浜井会長は今頃、天国で東塾長にドラグローブを伝え、語り合っていることだろう。ドラグローブは今後も浜井派が受け継ぎ、さらなる進化を目指すという。
(イーファイト 吉倉)
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