神足さん兄、弟の死は「ラウンド数を変えても意味はない」救急のタイムリミットを指摘
8月8日に急性硬膜下血腫で死去したプロボクサー神足茂利(28)の兄が9日にXに今回の件の自身の意見を投稿。弟の死因について「ラウンド数を変えても意味ない」と指摘し、救急搬送体制の不備を訴えた。
神足は今月2日に東京・後楽園ホールで開催されたボクシング東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ後に意識を失い、都内の病院で開頭手術を受けたが、その後に亡くなった。
兄はSNSで試合後の医務室での状況を説明。救急車を要請する場合は、ドクターがホールのスタッフを経由して要請しなければいけないなどの二度手間や、医療スタッフの不親切な対応を明かし「流れや連携の悪さは、こんなんなら自分で救急車を要請する電話をしたほうが絶対に早い」とJBCの医療チームの手際の悪さを指摘。
さらに「救急車を要請してから現場に到着するまでに約40分を要した」「もう少し早く病院へいけたらもっと何かが変わったかもしれない」と訴え、救急搬送の遅れを問題視した。
病院に着いたのは試合が終わって1時間半くらいで、ドクター曰く運ばれた頃には一分一秒を争うほどの重症だったという。急性硬膜下血腫は発症から治療までのスピードが生死を分ける疾患。確かに、今回の搬送時間は致命的遅れとなった可能性はある。
この投稿の読者のコメントとして、「ボクシングは危険な競技、常に何かあった場合を考えて、ケアを優先すべき」「頭痛や意識障害などが生じたらすぐに搬送して検査をするルールにしないと」「搬送、治療開始までの時間短縮は大いなる課題」などの意見が見受けられた。
また、同じ大会で浦川大将選手も急性硬膜下血腫で開頭手術を受けたが、9日亡くなった。一つの興行で2人がリング禍に陥る異常事態。JBCは8日、12日のWBOアジア・パシフィック戦を従来の12回戦から10回戦に短縮すると発表したが、一部専門家からはこの減少で危険な場面が増えるではとの声も上がっている。
神足選手の兄は今回の投稿の最後に「今後事故にあった選手達の経験をJBCには活かして欲しいと心から願ってます」と締め括ったが、ラウンド数短縮という“対処方法”ではなく、救急車の会場常駐、脳外科専門医との直接連携、搬送ルートの事前確保など、救急体制における真の安全対策構築が急務なのではないだろうか。
- 1
- 2
- ≪ 前のページへ
- 次のページへ ≫
●編集部オススメ
・【テレビ・配信】長谷川穂積vs山中慎介、“夢のカード”がついに実現!『ファイナルドラフト』=8.12より
・28歳王者が脳出血で死亡、KO負けの一週間後に…番狂わせの一戦=英国ボクシング
・【ボクシング】4階級制覇女王が47歳で急死、現役よりムキムキの身体に「ステロイドが原因」の声も
・”30kg減で話題”の華原朋美、「どうやって痩せた?」美脚と腰振りダンスも公開!
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
TwitterでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!
Follow @efight_twitインスタグラムでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!




【10月・ベストファイター】決勝、顔面ヒザ蹴りKO!”カザフの怪物”キンザースキーが、新極真会全日本優勝、克服した”意外な”課題

