【海外ムエタイ】押川大也がラジャダムナンで格上相手に勝利、前蹴りが冴える
『スックワンギントン』
2019年8月25日(日・現地時間)タイ・ラジャダムナンスタジアム
▼第1試合 102P契約
◯押川大也(エクシンディコンジムJAPAN)
判定3-0 ※三者とも49-48
●ビーエム・ジャッカヤンムエタイジム
2019年8月25日、ウォーワンチャイプロモーションより押川大也(エクシンディコンジムJAPAN)が、ラジャダムナンスタジアム・スックワンギントンに参戦した。
押川は同スタジアムにて現在2連続KO勝利中。上り調子の絶好調期であり、今回も格上相手との対戦となった。
対戦したビーエム・ジャッカヤンムエタイジムはスラ―タニ―県出身の15歳。40戦の戦績のある選手だ。
この試合は試合当日に、ビーエム陣営から賭け試合にしたいとの提案があり、ウォーワンチャイプロモーションもこの要求を呑み、双方2万バーツづつの4万バーツの賭け試合となった。
試合は初回、押川のローキックに対し、ビーエムはミドルキックで応戦。
試合前情報として「ビーエムは初回から飛ばしてくるから、初回だけは耐えろ」といわれていたが、ビーエムの手数は少なく、単発でミドルキックを放つだけだった。
それでも押川はこのミドルキックが「これまで対戦した選手の蹴りより、重く硬い蹴りだった」という。
押川はこのミドルキックを食らわないよう足を使って身軽にかわし、自身のローキックに繋いだ。
2ラウンド、それまでローキック主体の押川だったが、ここにきて前蹴りとミドルキックを多用。
特に、この前蹴りがビーエムのミドルキックの距離を壊すこととなり、次第に押川がペースを握ってゆく。
このままローキックやパンチにつなげれば、KO勝利もありうるだろう。
だが3ラウンドに入り、これまで単発だったビーエムは積極的に前に出て組んできた。
この強引に組んでくる体圧に、押川はスタミナを奪われてゆくのかと思いきや、ビーエムに膝を決めると、体制捌きでビーエムをこかす。ビーエムもスタミナを消耗してきたのか、また離れミドルキックの距離に戻ると、押川はビーエムの蹴り足を取り多くのボディーパンチを決めた。
4ラウンド、これまでの流れはイーブンといえたが、このラウンドが勝敗の分かれ目だった。
ビーエムは3ラウンド同様に組んでくると、ここで激しい膝合戦の流れに移行するが、
押川も数々の膝を決め、最後はビーエムを押し倒した。
「ビーエムの息遣いで疲れてきているのが分かった」という押川は、ここから前蹴りでビーエムの腹を連射。
時折ビーエムがミドルキックを返すと、また蹴り足を取ってからの強烈なボディーパンチを決める。
押川の生き生きとした攻撃の数々が決まり、ビーエムがつかれてきたことは明白だった。
最終ラウンド、これまでの流れとして、特に第4ラウンドで完全に試合を制していたので、このラウンドは距離を取って流せば判定勝利できるところだが、放った前蹴りがビーエムの喉に上手く刺さると、ここからまた前進し前蹴りを連打で決め圧倒的にポイントを取った。
ジャッジは、三者49-48で押川大也を勝者とした。
今回は3ラウンドに相手がそれまでの流れを崩しに組んできたところからが、勝敗の分かれ目だったが、押川は、このラウンドからの首相撲で上手く対応し、そして前蹴りという相手の弱点をを見抜いて多用する。
これは「ミット練習中に疲れてきたところを、コーチに前蹴りされるのが凄く嫌なので、逆に今ここで使ってみようと思った。」ということだが、押川の出す前蹴りはピンポイントで相手の急所を突くこととなり、自身を勝利に導くことになった。
押川大也から、勝利に声が届いている。
「今回はラジャダムナン5戦目でした。現在2連続KO勝利中なので、今回もKO勝ちを狙いたかったですが、相手が強くてKOできませんでした。ですが今は勝ててホッとしています。3ラウンド目は危なかったですが、日々苦しい練習をしていることで、最後まで前に出続けることができました。これも先生達のおかげです。チャイプロモーター、チャイ会長、所属ジム会長に先生、日本から応援してくださった方々、本当にありがとうございます。」
(Photo&Text Hiroshi Soda 早田寛)
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