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【新極真会】島本雄二が世界2連覇で歴代タイ、女子は南原朱里が優勝し日本が王座奪還

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2019/11/10(日)UP

満員の観客で大いに盛り上がった大会となった

主催:NPO法人 全世界空手道連盟新極真会 
『第12回全世界空手道選手権大会』
11月9日(土)、10日(日) 東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ

優勝した南原(左)と島本(右)

 新極真会主催の4年に1度の空手オリンピック『第12回 全世界空手道選手権大会』。11月10日(日)は満員の観客が見つめる中、4回戦からの決勝トーナメントが行われた。

 出場選手男子161名(日本代表19名)、女子43名(日本代表9名)のうち、ベスト8に残ったのは、男子は外国人4人、日本人4人、女子は5名となったが、決勝は男女とも日本人対外国人の対決に。

 男子は島本雄二(29=177cm、92kg)が2連覇を達成、中村誠の世界大会2連覇(79年、84年)の偉業に並んだ。女子は南原朱里(20=154cm、54kg)が初優勝し前回大会の決勝で南原が外国選手に負け、日本が王座を奪われてしまった雪辱を果たした。

島本(右)が栄冠を掴み取った

【男子決勝戦】
○島本雄二(29=全日本4度制覇/前回世界大会優勝/177cm、92kg)
本戦判定 3-0
●マシエ・マズール(28=ポーランド/15年世界8位/全ヨーロッパ3連覇中/185cm、95kg)

 2連覇を目指す島本は決勝に向け体力、気力ともに十分、これまで全て本戦で判定で決め、被弾も少なく勝ち進んで来た。

 序盤からローを中心に攻める島本。マズールは準決勝のヴァレリー戦で再延長までの激戦で下段回し蹴りを多くもらい足にダメージが蓄積している。島本が下段廻し蹴りを放つと、大きくバランスを崩すマズール。

 その下段をもらわないようにバックステップでかわし、踏み込んでの中段突きをボディに入れるなど、足に蹴りを貰わないような戦い方をする。しかし、突きの連打に行くと足へのダメージからか棒立ちで軸がブレながらの連打。更にバランスを崩しながらもモーションの大きな中段廻し蹴りも出し会場を沸かせる。島本はそれを受け、前蹴りで止め、下段に行く。島本は安定感があり、軸も乱れない。

 会場に響く外国人応援団の声に押され、マズールは終盤に突きの連打に行く。島本もそれに応え突きの連打合戦でそこは互角に持ち込んだマズールだったが、ここで本戦終了。判定は副審2人が島本に上げる。主審は引き分けか島本か。少しタメを作った主審は島本に上げ、島本の世界2連覇が決定した。

 優勝した島本は「皆さんが声援を送っていただき大きな力になりました。ここに来るまで全てをかけ、多くの仲間に支えてもらいここまで来ることができました。ありがたいですし、最高に気持ちいいです。今後の先のことは考えてはいませんが、心と体が最強の日本人を育てたいです」とコメント。

試合後インタビューに応じる島本

 さらに「この会場に来ている子供達へ、空手は最高です。このフルコンタクト空手、新極真世界大会は最高の舞台。幼少期から空手をはじめ、ここまでたくさん負けて悔しい思い、うまくいかないこともありましたが、今、こうして連覇ができたのは、世界チャンピオンになりたいという夢を諦めずに、毎日稽古に励んだから今があります。今悩んでいる子供達へ、希望を捨てなければ必ず夢は叶う。ぼくは体現できました。なので、この素晴らしい舞台に未来の子供達も立って欲しいと思います」と空手の素晴らしさを語った。


ヒザ蹴りを見舞うマズール(右)

【男子準決勝(1)】
○マシエ・マズール(28=ポーランド/15年世界8位/全ヨーロッパ3連覇中/185cm、95kg)
判定 3-1
●ヴァレリー・ディミトロフ(38=ブルガリア/07年世界3位、13年カラテW杯重量級優勝/184cm、86kg)

 マズールは入来が効かせた右ローを中心に攻める。バレリーはぐらつきマズール優勢かと思われたが、バレリーは耐えながらもカカトでの下段蹴り、外回し蹴りなどで反撃、延長に接近戦での突き、と膝蹴り、下段の攻防になるが、これも引き分けて再延長に。

 再延長戦ではマズールは胸への突きでコツコツ攻め、そこからヒザにつなげ優勢に試合を進めたが中盤、ヴァレリーのかかと落としが入ると状況は一変。ヴァレリーが続けて突きで攻める。マズールは反撃も徐々に失速も、出し続けた胸へのパンチがヴァレリーの動きを若干止め好印象。判定は3-1でマズールが勝利した。


島本(左)が決勝に進出した

【男子準決勝(2)】
○島本雄二(29=全日本4度制覇/前回世界大会優勝/177cm、92kg)
判定 5-0
●加藤大喜(27=18年全日本3位※13年の全日本では島本に勝利/177cm、87kg)

  ここまで全て本戦判定決着の島本。島本が接近戦で攻めると加藤は得意のハイキックで返すが、これまでダメージの少ない島本は突き、前蹴りを連打。加藤の動きを止める。加藤は前蹴りを捌いて反撃に出たいが、島本の止まらない連打に手が出ない。島本は上段ヒザ蹴り、ハイキックも出し蹴りが得意な加藤のお株を奪う。加藤は終盤に後ろ回し蹴りを出すが島本が始終攻め続け判定5-0で勝利し決勝戦に進んだ。


◾️前回2位の入来建武が4回戦敗退。男子ベスト8には外国人4人、日本人4人。

入来(右)がヴァレリーに延長で判定負け

 世界ウエイト制大会重量級3度優勝のヴァレリー・ディミトロフ(ブルガリア)に対し、今度こそ優勝を狙う入来建武(24=JFKO国際優勝=島本に勝利、15年世界2位/180cm、100kg)は重い突きからの下段蹴りでヴァレリーを効かせる。

 しかし、ヴァレリーは粘り突きからの膝蹴りで追い上げる。入来もラストスパートをかけラッシュに入り優勢に試合を進める。本戦は入来に2本旗が上がったが、主審は引き分けに。延長戦になると、入来に先ほどの勢いはなくボディにヒザ蹴りを入れられ失速。延長戦、判定3-0でヴァレリーが入来を破った。入来はベスト8入賞はならなかった。

ベスト8には外国人4人、日本人4人となった。
Aブロックは1分27秒で早々とマシエ・マズールがエヴァンタス・グザウスカスを中段突きで一本勝ちし準決勝進出、Bブロックはヴァレリー・ディミトロフが、大穴ジマンタスに判定勝ちしたイリヤ・ヤコブレフに判定5-0で勝利ヤコブレフには反則の減点1が響いた。

加藤(右)は落合の下段蹴りにヒザ蹴りや突きをカウンターで合わせ接戦を制した

 加藤大喜は今大会最重量(125kg)の落合光星に本戦3−0で勝った。圧力をかけ突きと下段で攻撃を仕掛ける落合に、強烈な攻撃を避けるべく間合いを取り、下がりながら下段蹴りを中心に攻撃を組み立てた。

 島本は江口雄智を寄せ付けず、前蹴りを中心に突きで攻めると後半には江口の手数が少なくなる。島本には圧力とパワーに加え手数があり、戦う側は本戦後半からなかなか手が出なくなる。4回戦もこのブロック最強の外国人とも言われた今年のアジア大会の重量級で圧勝の優勝を飾ったウラジミール・アルチュシン(カザフスタン)も本戦3-0で勝利している。

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