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【新極真会】世界大会(初日)は新鋭外国人ら活躍、大穴ジマンタス全1本勝ちで4回戦へ、日本王座死守なるか

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2019/11/09(土)UP

圧倒的な破壊力を見せた外国人大穴の19歳ジマンタス

 11月9日(土)、新極真会主催の4年に1度の空手オリンピック『第12回 全世界空手道選手権大会』(初日)が東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで開催された。1975年に第1回世界大会が開催されてから早くも44年が経つ。当時、極真の創始者の大山倍達館長が「日本が負けたら腹を切る」と発言。格闘技界で大きな話題を呼んだ。

 今大会も当時と変わらず、体重無差別で素手、素足で戦うフルコンタクト(直接打撃制)の世界大会。世界101の国と地域から選りすぐられた204名が男女別ので3回戦まで競い合った。日本代表選手が大健闘も大型外国選手に一本を奪われ負けていく姿もあり、外国選手のレベルアップも際立つ。

 4年前の前回世界大会で島本に敗れ2位の入来建武(24=昨年のJFKO国際で島本に勝利し優勝/180cm、100kg)はこの大会に向けパワー、フィジカル面ともの記録を伸ばし、今大会にかける気持ちは強い。

入来(右)がローを聞かせても諦めず食い下がるドロースト。

 1回戦シードの入来は2回戦で下段蹴りで技ありを取り本戦5-0の判定勝ち。しかし3回戦はロシアのドロースト(24)に大苦戦。まだ段位は持たない1級の茶帯の新鋭選手ではあるが、186cm、80kgとリーチのある選手。入来は序盤からローを効かすが、蹴られても相手はパンチの連打からボディへのヒザ蹴りを返し粘る。本戦は引き分けて延長に入ると、ドローストは更に勢いに乗り上段への蹴りやヒザ蹴りで攻め徐々に優勢に。再延長戦で下段蹴りを効かせ僅かな差ながら5−0で判定勝ちしたが、会場の外国人応援団は大ブーイング。未知なる強豪がまだまだいることを思い知らされた。

ドローストの上段への膝蹴りが入来を襲う

 明日は4回戦から。入来と同じBブロックにいる強豪外国人選手としては世界ウエイト制重量級3度優勝のヴァレリー・ディミトロフ(38=ブルガリア)は3回戦技有りを奪い勝利。
 緑代表が外国人選手の大穴とも言ったパウリス・ジマンタス(19=リトアニア)は1回戦シードだったが、2回戦、3回戦共に186㎝・98㎏から出す強烈なボディブロー(下突き)で本戦1本勝ちで圧倒的強さを見せつけ明日の4回戦に進んだ。緑代表はジマンタスの素質をアンディ・フグ以上とし、今年4月の全ヨーロッパ大会の重量級では18歳にして1回戦から準決勝まで全て1本(KO)勝ち、決勝ではあと一歩のところまで追い詰めるも敗北した新鋭だ。

身長差がある相手の上段ヒザ蹴りに沈む今年のJFKO全日本中量級覇者の後迫

 共に順調に勝ち進めば入来は5回戦でヴァレリーと、続く準々決勝でジマンタスと対戦する。

 今年のJFKO全日本の中量級覇者で、過去に全日本ジュニアで小学校から高校まで10連覇し天才少年とも言われた後迫龍輝(18)。171cm、77kgの体格でどこまで勝ち上がるか注目されたが、3回戦でナザール・ナシロフ(28=ロシア/15年世界6位/185cm、87kg)に上段への膝蹴りでマットに沈み一本負け。身長14cm差の脅威を見せつけられた。

 世界2連覇を目指す島本雄二(29)は1回戦シードで2回、3回戦と危なげなく本戦で勝ち上がり、4回戦に進み連覇に向け順調な滑り出しを見せた。

芦原会館の大石(左)はうまくステップを使い相手の蹴りのダメージを少なくしたが、ヤコブレフとの体格差と圧力に押され判定で敗れた

 他流派から代表選手日本代表選手となった今年のJFKO全日本重量級覇者の山口翔大(29)は3回戦の延長戦で失速し判定負け。芦原会館の大石航輝(23)170cm、70kgの軽量級選手ながら初戦勝利したものの、183cm・100kgのKWF世界+90kg級優勝のイリヤ・ヤコブレフ(32=カザフスタン)にステップを使いながら果敢に打ち合いに挑んだが、ヤコブレフの圧力に跳ね返され判定で敗れた。

 女子の部では大石と同門の芦原会館でJFKO全日本・軽量級5連覇の菊川結衣(21=芦原会館)が148cm 48kgと小柄ながら、大型の外国人選手と対戦して勝ち上がった。
 

女子のJFKO全日本軽量級5連覇の菊川(左)は大型海外選手を下し準々決勝進出

 明日の4回戦の準々決勝では昨年の新極真全日本を制している久保田千尋(23=久保田道場)と対戦する。
 菊川は一昨年の全日本大会の準々決勝戦で久保田に判定負けを喫したており、リベンジを目指す。

 反対ブロックでの注目の女子日本人選手は前回の世界2位の南原朱里(20)、そして世界ウエイト制の軽量級も制し、今年のJFKO全日本では南原を破り優勝した加藤小也香(26)が勝ち上がった。
 加藤は明日の初戦となる準々決勝で昨年のロシア無差別級を制したイリーナ・ワリエワ(31)と対戦する。加藤の158cm、53kgに対し、ワリエワは173cm・63kgと身長では15cm、体重では10k差があるが、得意な蹴り技で大きな壁を乗り越えてもらいたい。

島本は得意の前蹴りを中心に上段、下段と止まらない攻撃を見せ明日の4回戦に進出した。

 出場選手男子161名(日本代表19名)、女子43名(日本代表9名)のうち、4回戦には男子32名中、日本人が13名、女子全8名中、日本人5名が残っている。
 明日、10日は優勝者が決定するが、先日、緑代表が挙げた強豪外国人8名のうちブライアン・ヤコブセンは負けたが、7名が技ありや一本勝ちなどの強さを見せ勝ち残っている。緑代表が挙げた日本人も後迫、白蓮の山口以外は全員勝ち残り、ほぼ順当と言っていい。
 トーナメントのため、明日は日本人同士の潰し合いもある。果たして優勝は誰の手になるか。島本雄二が中村誠に次いで2連覇の偉業を達成するか注目が集まる。

【緑健児代表が注目の男子外国人と日本人で勝ち残った選手たち】

島本に全日本で勝利したこともある足技の名手・加藤大喜も優勝候補。4回戦に進んだ

Aブロック=【日本】前田勝汰(26=15年世界4位、19年JFKO全日本軽重量級優勝/168cm、80kg)
Aブロック=【日本】清水翔希(25=19年JFKO全日本重量級3位/180cm、98kg)
Aブロック=【日本】山本和也(25=18年全日本2位/170cm、87kg)
Aブロック=マシエ・マズール(28=ポーランド/15年世界8位/全ヨーロッパ3連覇中/185cm、95kg)


3回戦も本戦でボディブローで一本勝ちしたジマンタス

Bブロック=【日本】入来建武(24=JFKO国際優勝=島本に勝利、15年世界2位/180cm、100kg)
Bブロック=ナザール・ナシロフ(28=ロシア/15年世界6位/185cm、87kg)
Bブロック=ヴァレリー・ディミトロフ(38=ブルガリア/07年世界3位、13年カラテW杯重量級優勝/184cm、86kg)
Bブロック=パウリス・ジマンタス(19=リトアニア/19年全ヨーロッパ重量級2位/186㎝・98㎏)[大穴=緑代表インタビューでは経験は浅いがアンディ・フグよりもセンスは上に思えたと評価。今年のヨーロッパ大会では決勝で敗れたが、決勝までオール一本勝ち(KO)で勝ち進んだ]


Cブロック=【日本】落合光星(28=19年JFKO全日本重量級2位)182cm、125kg※今大会最重量
Cブロック=【日本】加藤大喜(27=18年全日本3位※13年の全日本では島本に勝利)177cm、87kg
Cブロック=エドガー・セシンスキー(25=リトアニア/15年世界7位/KWU世界優勝)192cm、92kg
Cブロック=ルーカス・クビリウス(36=リトアニア=15年世界3位)189cm、105kg


Dブロック=【日本】島本雄二(29=全日本4度制覇/前回世界大会優勝/177cm、92kg)
Dブロック=【日本】江口雄智(23=19年JFKO全日本軽重量級2位)168cm、83kg)
Dブロック=ウラジミール・アルチュシン(30=カザフスタン/17年世界ウエイト制・軽重量級3位/178cm、88kg)

☆新極真会のイーファイト特集ページ(選手紹介やチケット情報、第1回世界大会からの伝説の動画集もあり。

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