【極真会館】上田幹雄が決勝でロシア王者と激闘し勝利、日本が16年ぶりの世界王座に
▼三位決定戦
○アンドレイ・ルジン(23=ロシア/2019年ヨーロッパウェイト制重量級優勝)
本戦 4-0
●高橋佑汰(26=東京城北支部/2017年全日本大会優勝)
高橋は遠間から鋭い下段蹴りを連打、距離を詰められるとヴァレリーキックと徹底して下段蹴りを放つ。リジンは最初からギア前回で荒々しいパンチからの後ろ回し蹴りからハイキックと大技のコンビネーションで場内を湧かせる。
鬼神のごとき勢いのリジンは、鋭いパンチと蹴りでどんどんと前に出ると、高橋は場外へ何度も押し出される。ラスト30秒、高橋が起死回生と怒涛の前蹴り連打を繰り出すが、今までの劣勢は取り返せずルジンの三位が決定した。
▼準決勝戦1
○オレクサンダー・イエロメンコ(31=ロシア/2019年ヨーロッパウェイト制優勝)
最終延長 5-0
●高橋佑汰(26=東京城北支部/2017年全日本大会優勝)
前蹴り、ミドルキックとロングの蹴りで仕掛ける高橋に、落ち着いてカウンター気味にロー、パンチを返すイエロメンコ。高橋が胴回し回転蹴りを繰り出せば、イエロメンコも後ろまわし蹴りを放つ。後半イエロメンコの連打が増え、高橋は単発で体重の乗った突き・蹴りを返す。判定は引き分けで延長へ。
仕掛けるのはイエロメンコ。前進しながらのパンチローから内回し蹴りまで。高橋は後ろ蹴りで返す。場内は「ロシア」「高橋」のコールが鳴り響く。ラストイエロメンコが怒涛のラッシュを仕掛けるが、空いた腹に高橋のヒザが何度も入る。イエロメンコに1本上がったのみで、またも引き分けへ。
再延長戦では、どっしりと構えていたイエロメンコがステップを踏み始める。ヒザ蹴りからミドルと蹴り主体のコンビネーションを出すイエロメンコに、パンチヒザ蹴りで高橋が積極的に応戦。双方の応援で大歓声の中、ラストは互いにパンチと押し合いの応酬に。イエロメンコに2本上がるも、2−0で引き分け。
再延長で決まらない場合、試割り枚数の多いほうになるが、なんと双方ともに17枚。さらに体重判定でもイエロメンコ95.5kg、高橋94.5kgと規定10kg以上の差は無し。マストシステムの最終延長へ突入した。
持ち味であるステップを踏む高橋が中段ヒザ蹴りで効かせに行く。イエロメンコは距離を詰め、パンチを繰り出す。高橋がパンチローで応戦すると、イエロメンコが左右のステップで回りだし止まらないパンチ。高橋も連打するが、イエロメンコの安定した構えは崩せず逆にパンチをもらう展開に。判定5−0でイエロメンコが決勝へ進出した。
▼準決勝戦2
○上田幹雄(24=神奈川県横浜北支部/2018年第50回全日本大会優勝)
本戦 5-0
●アンドレイ・ルジン(23=ロシア/2019年ヨーロッパウェイト制重量級優勝)
互いに足を止め、鋭いローを蹴り合い開幕。さらに下突き、ローの応酬が続く。打ち合いの中、上田がルジンの身体を一瞬抱え、左上段ヒザ蹴りをヒットさせる。上田はすかさず残心を決め、技ありを奪取した。
取り返したいルジンは足払いを狙うが、掴みの反則を取られてしまう。今度は上段を狙うルジンだが、またも掴みの注意を取られる。ヒザ、ロー、パンチと前のめりに果敢に攻めるルジンを上田は冷静に受け続ける。ラスト10秒、上田が足払いを仕掛けルジンがバランスを崩すが、これは技ありにならず。
技ありを取った上田が決勝進出を決めた。
”四強”の一人である荒田昇毅(32=千葉中央支部)は、3日目の緒戦である4回戦ではロシアの大型強豪船首に下突きで一本勝ち。幸先の良いスタートを決めた。5回戦は加賀健弘(東京城西支部)との日本人対決。鋭い蹴りを放つ加賀に、的確なパンチローで詰めより、中段突きで技ありを取り勝ち上がる。
準々決勝では今大会3位のルジンと対戦。腹を狙ってはインローと散らしてゆく止まらない攻撃のルジンに、荒田の動きが止まる。左ロー連打で効かせに行く荒田だったが、ルジンがさらに手数を増やし圧倒、勢い止まらないルジンと打ち合い勝負の末判定5−0で散った。
4強の一人、鎌田翔平は4回戦では徹底した間合いのコントロールで、相手には触れさせず自分だけが攻撃を入れる見事な組手で勝利。5回戦では、上段蹴りを得意とするロシアの新鋭イゴール・ザカイノフと対決した。延長戦まで持ってゆくも、延長戦開始15秒ほどで放たれたザカイノフの左上段回し蹴りがクリーンヒット。鎌田はそのまま立ち上がれず、準々決勝に進むことは叶わなかった。
また、注目された身長210cm、体重145kgと身長・体重とも今大会最大の怪物イカロ・ナシメント(20=ブラジル)は4回戦で40cm低い170cmの樋口知春と対戦。ヒット・アンド・アウェイの樋口にナシメントはパンチ、膝で応戦する。しかしパンチの連打時のもつれから掴みでお互い反則の注意が与えられたが、ナシメントは続けて掴みの注意、最後には相手の身長が低すぎたか胸への突きが顔面に流れ樋口は倒れ試合中断。ようやく立ち上がったがナシメントは注意4となり失格。3回戦にはロシアの優勝候補を破り注目されたがここで姿を消した。ナシメントは若獅子賞(新人賞)が与えられた。
【全試合結果】
優勝(1位)/上田幹雄 (日本/横浜北支部) MIKIO UEDA (JAPAN)
2位/オレクサンダー・イエロメンコ (ロシア) ALEKSANDR EREMENKO (RUSSIA)
3位/アンドレイ・ルジン (ロシア) ANDREI LUZIN (RUSSIA)
4位/高橋佑汰 (日本/東京城北支部) YUTA TAKAHASHI (JAPAN)
5位/コンスタンティン・コバレンコ (ロシア) KONSTANTIN KOVALENKO (RUSSIA)
6位/星龍之介 (日本/本部直轄浅草道場) RYUNOSUKE HOSHI (JAPAN)
7位/イゴール・ザガイノフ (ロシア) IGOR ZAGAINOV (RUSSIA)
8位/荒田昇毅 (日本/千葉中央支部) SHOKI ARATA (JAPAN)
敢闘賞/星龍之介 (日本)、アショット・ザリヤン (ロシア)
技能賞/コンスタンティン・コバレンコ(ロシア)
試割賞/イリヤ・カルペンコ (ロシア=28枚)
若獅子賞/イゴール・ザガイノフ (ロシア)、イカロ・ナシメント (ブラジル)
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