【五輪柔道】最も難しい100kg級でウルフ・アロンが21年ぶり金メダル、”接戦になれば有利”誰にも負けない稽古量で制す
29日(木)、東京オリンピック柔道男子100kg級(日本武道館)では五輪初出場で17年の世界選手権王者のウルフ・アロン(25=了徳寺大職)が延長戦で一本勝ち。日本ではこの階級で井上康生以来21年ぶり金メダルとなった。
【動画】決勝でウルフが大内刈りで豪快に一本勝ちを奪ったシーン
100kg級は世界の中で強豪が集中している階級でもある。五輪では2000年のシドニー五輪で金メダルを獲った井上康生以降、日本人で金メダリストが出ていない。それどころか、1976年に二宮和弘が金メダル獲得以降、井上が金を獲るまで誰もメダルを獲れなかった。そして井上が獲ったシドニー以降にメダルを獲ったのは2016年のリオ五輪での羽賀龍之介の銅メダルのみ。この階級では歴代3人しかメダリストはいない。日本男子選手の獲得メダルが最も少ない階級で、それだけ強豪がひしめいている。
決勝の相手はチョ・グハム(韓国)だった。18年の世界選手権(バグー)優勝者で、19年の世界選手権(東京)では準々決勝でウルフから背負い投げで技ありを奪い勝利している。
試合は接戦となり延長戦へ。延長戦はウルフタイムと言われるほどスタミナに自信があるウルフ。組み手争いから投げを仕掛ける両者だが、試合時間が1分、2分と過ぎる度、グハムのスタミナが減っていく様子がわかる。そして延長戦が始まってから5分35秒、ウルフの大内刈りで相手を浮かせ綺麗に背中から落とし見事に一本勝ちを決め、この階級、日本歴代3人目の金メダリストになった。
苦手としていたグハムに勝ったことについてウルフは「練習量の部分だけは誰にも負けない自信があったので、接戦になればなるほど僕自身の持ち味が出ると。自分自身を信じて戦っただけです」と話した。
そして100kg級で21年ぶりの金メダルについては「井上先生が獲ってから金メダルの無い階級だったので僕自身が取り戻してやろうと戦いました。(達成できて)最高です」と涙ぐみながら感無量の様子で語った。
ウルフは初戦となる2回戦を豪快な浮技で一本勝ち、準々決勝は大内刈りで技ありを奪い優勢勝ち。
準決勝ではリオ五輪90kg級銀メダルのリパルテリアニ(グルジア)に大内刈りで技ありを奪い決勝まで勝ち進んだ。
ウルフは昨年、ヒザの半月板が損傷し、半月板が無い状態でこの試合に参戦したと報じられる。それで戦ったウルフタイム、まさに誰よりも負けない稽古量で獲得した金メダルだった。
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