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【月間ベストファイター・4月】ルンピニーとラジャの統一王者となった名高「次はムエタイを体現する統一王者らしい試合をしたい」


毎月イーファイトが取材した大会の中から決める格闘技月間ベストファイター賞。2019年4月のベストファイターは、4月14日(日) 「横浜大さん橋ホール」にて開催された『The Battle Of Muaythai SEASON 2 vol.1』で、CHANNEL7ピン級4位のシンダム・カフェフォーガ(タイ)を下してルンピニースタジアム認定ミニフライ級王座に就き、ラジャダムナンスタジアムとの統一王者となった名高・エイワスポーツジム(18=エイワスポーツジム)に決定!(2019年5月22日UP)

PROFILE

名高・エイワスポーツジム(なだか・えいわすぽーつじむ)
2001年1月8日、神奈川県出身
身長163cm

ルンピニースタジアムミニフライ級王者。ラジャダムナンスタジアム同級王者。
30戦25勝(13KO)5敗

エイワスポーツジム所属

選考理由
1、「昨年12月、日本人7人目のラジャダムナン王座を獲得し、今年4月に日本人では誰も獲っていないルンピニースタジアムの王座を獲得」
2、「ラジャとルンピニー同時保持選手は対人以外では世界で2人目」
3、「18歳にして二大タイトル獲得、更なる活躍が期待できる」

選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ

 受賞された名高選手には、ゴールドジムより以下の賞品(アルティメットフレキシジョイントUC-2 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アミノ12パウダー 1個と、イーファイトより記念の盾が贈られます。

アルティメットフレキシジョイントUC-Ⅱ®

非変性Ⅱ型コラーゲン(UC-Ⅱ®)に、MSMやユニベスティン、キャッツクローを配合したサプリメントです。
マルチビタミン&ミネラル

100%自然素材を使用したビタミン&ミネラルサプリメント。着色料、香料、保存料は一切使用しておりません。
アミノ12パウダー

BCAAなど体内で合成できない必須アミノ酸を8種類配合。身体作りに好適なアルギニン、オルニチン、グルタミン、グリシン配合。飲みやすいオレンジ風味。
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贈呈:ゴールドジム

ベストファイター記念インタビュー
「日本人初のラジャとルンピニー同時ベルト保持者の名高、『次はムエタイを体現する統一王者らしい試合をしたい』」

昨年12月に判定で快勝しで高校生3年生でラジャ王者となった名高

 2018年12月9日、日本人7人目のラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級(105ポンド=47.6kg)王者となった名高・エイワスポーツジム(本名:吉成名高)が2018年12月のベストファイター賞を獲得したインタビュー時、こう答えた。
「ルンピニーのタイトルにも挑戦したいですね。日本人は獲ったことがないので、僕が初めてルンピニーのベルトを巻く日本人になりたいです」
 まさかその4か月後の4月14日(日) 横浜大さん橋ホールでルンピニースタジアム認定のミニフライ級王座決定戦が行われ、0-3のフルマーク判定勝利。わずかな期間でこの有言実行を誰が予想出来ただろうか……。

 ルンピニースタジアム認定王座。ボクシングのような世界的統一組織がないムエタイは、世界各国に数々の世界タイトルが存在するが、その頂点に立つのは間違いなくタイの2大殿堂であるラジャダムナンスタジアムとルンピニースタジアムが認定する王座だ。ラジャダムナンスタジアム王座に関しては、日本人では藤原敏男が1978年3月に獲得して以降、名高を含めて7人が獲得している。

 しかし、ルンピニーの王座には、梅野源治、一刀、大崎一貴、T-98、藤原あらし、一戸総太といった日本のトップファイターが挑んできたものの、いずれも失敗に終わっていた。もし名高が王座奪取に成功すれば、ムエタイ500年の歴史上、日本人初のルンピニー王者となり、ムエタイの2大殿堂スタジアムで王座に就いた初めてのタイ人以外の選手となる。さらに、タイ人以外の外国人選手では史上最年少記録となり、まさに歴史が塗り替えられることに。史上初の快挙達成なるか。18歳のムエタイ少年に大きな注目が集まっていた。

ジュニアキック時代の名高(右)

 名高は小学生時代からアマチュアジュニア大会で17冠王という”天才ムエタイ少年”。プロ転向後は、2017年4月にWMC世界ピン級王座、昨年4月には日本人4人目の快挙となるWBCムエタイ世界王座(ミニフライ級)を獲得。続けて9月にはIBFムエタイ世界ミニフライ級王座もKOで獲得し、日本人初のIBFムエタイ世界王者となった。そして12月には、ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王座を奪取。日本人として7人目のムエタイ最高峰ラジャダムナン王座に国内史上最年少の17歳で就いた。

 今年2月にLumpineeBoxingStadium of Japan(ルンピニーの日本タイトル)ミニフライ級王座決定戦で勝利し王座を獲得するとともに、今回(4月14日・横浜)のルンピニー王座挑戦権を手にした名高。当初は、ルンピニースタジアム認定ミニフライ級王者サムアンテープ・ポーペッシリーが保持する王座に挑戦することが決定していたが、サムアンテープが階級を上げるために王座を返上したことで同級4位シンダム・カフェフォーガと対戦することとなった。

■名高がルンピニー戦の各ラウンドについて解説

 1Rはお互いに慎重な攻防。「構えた瞬間にシンダムは強いなとわかりましたね。相手がどういうフェイントをかけてくるのか、自分が攻撃を仕掛けた時にどういう反応をしてくるのかを見ていました」と名高。

4月のルンピニータイトル戦で名高のパンチがガードをかいくぐりヒットする

 2Rには名高が右ボディブロー、左ストレートをヒットさせるなどペースを握る形でラウンドを終え、3Rにはミドル、ハイ、ワンツーと蹴り技を重視した攻めを見せる。ラジャダムナン王座挑戦時にはパンチ主体の攻めを見せていた名高だか、なぜ蹴り技重視の攻めだったのか。
「2R目からパンチを使おうと思ったのですが、自分が行こうとすると必ずシンダムは左ミドルを合わせてきたんです。それを腕にもらうと絶対に良くないのでパンチではなく蹴りでいこうと自分の判断で決めました」。

 4Rになると、シンダムはポイントの不利を感じたか、前に圧力をかけパンチを仕掛けては首相撲のヒザ、ローから首相撲と繰り返す。シンダムのパワーに名高は押され気味になる。しかし、名高は「4Rの時点で僕がポイントを少し取っていると思ったので相手が出てくるのは想定内。僕はちょっとずつ下がって自分の攻撃をうまく当てていくことを考えてました。攻撃を待たれる展開は苦手なので、いかに相手を前に出させるかを考えていたので、その作戦通りになりました」とそれまでのラウンドでポイントをリードしていたことで特に焦りはなかったという。

シンダムが肘で反撃する

 そして、最終R。1度は名高がコカされる場面もあったが、名高はシンダムの左ミドルをキャッチしコカし、左ストレートをヒットさせるなど後半は名高のペースに。もはや逆転は無理だと悟ったシンダムは試合を流し、名高は両手を挙げて勝利をアピールしながら流して試合終了。判定はジャッジ三者とも50ー47、名高が完勝で史上初の快挙を達成した。
「自分が勝ったとは思いましたが49-48の接戦だと思ったので、ジャッジ三者とも50-47とフルマークだったのはビックリでした。獲った後はあまり実感がなかったのですが、試合後のあいさつ周りで凄いベルトを獲ったんだ、日本人が誰も成し遂げていなかったことをやれたんだという実感が沸きました」

 名高の次戦は6月1日(土)神奈川・横浜文化体育館で開催される『BOM-THE BATTLE OF MUAY THAI SEASONⅡ vol.2-』に決定。階級を上げ、ゲンカー・ヌンポンテープ(タイ)とタイ国スポーツ協会認定ナーイ・カノム・トムライトフライ級王座を争う。
「ゲンカー選手は蹴りのタイミングがうまく、どんどん前に出てくる選手なので噛み合う試合になると思います。ムエタイを体現する統一王者らしい試合をしたいですね。これからはどの技も出来て、どの技でも倒せる選手になれるように頑張ります」

 今後、気になるルンピニー&ラジャダムナン王座防衛戦について、名高は「もうミニフライ級は減量がきついので防衛戦はやらないで返上します。次は二大スタジアムのライトフライ級王座を狙います」と二階級制覇を目標にしていくという。

 18歳、名高のムエタイ探求道はまだまだ続く。

●受賞者・名高が喜びを語る

 2度目のベストファイター受賞について名高は、「12月にラジャダムナンスタジアムのベルトを獲得した時に続いて、今回も素晴らしい賞を取ることが出来て嬉しく思います」と語った。

 なお今回受賞した名高には、イーファイトより記念の盾と、ゴールドジムからサプリメント3種類が贈られる。

 名高にサプリメントの利用方法について聞くと、「今まであまりサプリメントを取っていなかったのですが、前回いただいたサプリメントを飲むようになりました。飲むと溜まった疲れや筋肉痛が和らいでます」と答えた。

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