【ボクシング】村田諒太がブラントの”危うい”パンチ力に勝てた理由
7月12日(金)、エディオンアリーナ大阪で『WBA世界ミドル級タイトルマッチ』が行われ、挑戦者で同級3位の村田諒太(33=帝拳)が王者のロブ・ブラント(28=米) を2回2分34秒、TKOで下し、ベルト奪還に成功した。
村田は試合後に解説席で振り返り、1Rから攻めて来たブラントに対し「前回の試合の時は全然パンチ力を感じなかったのですが、きょうは初めから腰入れて打って来たのでパンチ力を感じて危ういな、と思いました」と語る。
1R1分20秒あたりで村田はブラントの右フックと右ストレートを続けて被弾し、左頬骨あたりが赤く腫れた。1R前半はほとんど手を出さなかった村田だが後半に向け反撃。ボディで動きを鈍らせ、上下打ち分け徐々にペースを握った。
ボディブローが勝負の鍵を握った印象があるが、それが作戦通りだったかという質問に「作戦というよりは相手に(身体を)起こされないためです。カルロス(トレーナー)が僕の試合を何回も見てお前、起こされてるからダメだと言われて。それがうまくハマったと思います」と身体の姿勢について改善したことを上げた。
トレーナーのカルロスとは元世界3階級王者のホルヘ・リナレス(33)の弟で、元日本ミドル級1位のカルロス・リナレス(30)だ。今回のブラント戦で村田のトレーナーの一人として共に練習して来た。
身体が起こされるとは、本来の構えよりも腰が浮き、顎が上がり、背中が伸びた状態。相手の圧力や攻撃でそうなりやすく、体軸がぶれ、力が入らず、本来の村田のパワーパンチが出ない。そこで相手の攻撃にも起こされない練習を積み試合に挑んだ。ブラントの序盤の猛攻に若干バランスを崩すシーンもあったがすぐに修正。左右のボディブロー、そしてボディストレート。そこから得意の右でブラントの顎を撃つなど村田ペースで試合が進んだ。2Rで右フックでダウンを奪い、最後は連打でTKOにつなげた。ペース配分考えず、1R目からガンガン行きたいという村田の試合前の意気込みもプラスしたと思えるが、それもしっかりとした姿勢からのパンチがあってこそだ。
負けたブラントは「前回より村田は変わっていた。右のパンチの角度、そしてバットを振るようなパンチもあった。打ち合いの中で効いてしまった」と前回よりもパンチに変化があったと話している。
テレビのゲスト解説の世界WBA&IBFバンタム級王者の井上尚弥(26=大橋)は「村田選手は頭がいいので9ヶ月前の戦いから変えて来るだろうと思っていました」とコメントしている。
以前より村田は研究、分析タイプで徹底した戦略を練り直すため再戦に強いとも言われていたが、共に勝利に向かい、考え、練習してきた『チーム帝拳』の存在も大きい。この愛すべきチームに村田は勝利後に感謝の言葉を贈った。
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