【ONE】10・13 防衛戦に挑む世界二階級王者アウンラ・ンサンはミャンマーに銅像も建つ国民的英雄
東南アジアを主体として運営されてきた『ONE Championship』。10月13日(日)に両国国技館で行われる100回記念大会の第2部では、メインイベントで『ONE世界ライトヘビー級タイトルマッチ』が行われ、ONE世界同級王者でミドル級王者でもあるアウンラ・ンサン(34=ミャンマー)にONE世界ヘビー級王者ブランドン・ベラ(42=フィリピン)が挑む。
この二人はONEを代表する世界王者とはいえ、日本人にとっては親近感は少ないだろう。しかし、例えばアウンラを見るだけでも、ミャンマーでは「国民的スーパースター」となっている。
かつて日本が高度成長を続けていた時代、プロレスやボクシングのチャンピオンが国民的スーパースターであったように、このアウンラも、アウンサンスーチーをリーダーとしたミャンマー新時代に、そんな存在となっている。
現地に行くと主要都市のみならず、インフラ整備の圧倒的に遅れた小さな町や村にも、商業広告に、この男の姿が多く登場しているのだ。
1985年、ミャンマー北部のミッチーナで宝石商を営んでいたカチン族に生まれたアウンラは、2005年3月、移住先のアメリカでMMAの公式戦に臨んだが、エマソン・ラッシングにドクターストップのTKO負けを喫したものの、その後は5連勝と本領を発揮。負けも経験しながら実力をつけ2014年からONEに参戦。現在、ONEでの戦いぶりは「ニシキヘビ」の異名を取るだけあって重々しく、確かな成熟を見せている。
昨年8月、ミャンマーの商都ヤンゴンで行われた元DEEPメガトン級王者の長谷川賢との激闘には、ONEのチャトリ・シットヨートンCEOが「ONEに携わった7年で一番好きな試合だった」と両者へ5万ドルのボーナスを与えたほどだ。今年3月に両国国技館で行われた長谷川との再戦でも、衝撃的なパンチのTKOで勝利し、日本の観客も驚かせた。
すでにミャンマーには、彼に影響を受けたかのように、複数のMMAジムも登場している。そして故郷、ミッチーナにはアウンラの銅像まで建ったが、彼自身は「過大評価だよ」と恐縮する。そんな謙虚なあたりも、ONEが手掛けたい成功者の姿らしく、好印象を持たせる。
今や「ミャンマーMMAの父」ともいえる存在に成長したアウンラ。今回のベラはUFCを経てONE世界ヘビー級王者となった強敵だが、ミャンマーの英雄は新たな伝説をつくることができるか。
♢選手データ
・アウンラ・ンサン(34=ミャンマー)
身長185cm 体重93kg
戦績:25勝(11KO・12S)10敗
タイトル:ONE世界ライトヘビー級王者、ONE世界ミドル級王者
・ブランドン・ベラ(42=米国/フィリピン)
身長191cm 体重102kg
戦績:16勝(11KO・1S)7敗
タイトル:ONE世界ヘビー級王者
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